ターニングポイントになったアイテムとそれぞれのストーリー
ーー今回はご自身のターニングポイントにもなった大切なアイテムをお持ちいただきました。古いものから順番にお話を伺えればと思います。まずはDIESELのレザーフーディーについて教えてください。
Novel Core これはもうめちゃくちゃ思い出深くて。買った当初はこればかり着ていたお気に入りのジャケットです。今は正直、着ていなくてワードローブに眠っています。だけど、絶対に譲ったり売ったりすることは考えられなくて、宝物としてしまっておこうと思っています。
ーーいつごろ購入しましたか？
Novel Core 2018年です。ファッションに興味を持ったのは、路上パフォーマンスを始めたり、MCバトルに出演した頃でした。カメラで撮られることが増えてきて、多くの人から注目を集める時に、カッコイイものを着ていたいと思うようになりました。海外のヒップホップシーンでは、自分のアイコンになるブランドを持っているアーティストもいて。例えば、リル・パンプは『GUCCI GANG』という曲をリリースした時に、スポンサーでもないのに全身GUCCIを着て、ショッパーを大量に置いたミュージックビデオを公開していました。それを見て「自分の代名詞になるブランドが欲しい」と思うようになりました。自分のメッセージとかブランドの歴史などを踏まえた時に「一番フィットするのはどこだろう」と考えていた時に、ラゾーナ川崎のDIESEL店舗にこのフーディーが飾ってあって。見た瞬間に、ブルーレザーのジップアップフーディーが当時の自分にめちゃくちゃ刺さって、一目惚れしました。音楽で稼げているわけでもなくお金も全然なくて、10万円以上したと思いますが、母親にめちゃくちゃねだって手にすることができました。それ以降、DIESELにハマっていくんですが、DIESELのファーストバイがこのアイテムです。
ーーもう着ていないということですが、今またこの感じが良さそうですね。
Novel Core カッコイイですよね。クリエイティブディレクターがグレン・マーティンスになって、今、ブランドのイメージを丸ごと変えて脚光を浴びていますが、トレンディなブランドになっているからこそ、逆に今、このフーディを着るのはいいかもしれませんね。改めて見ると、やっぱり本当に可愛いな（笑）。
ーーいつ頃まで着用されていましたか？
Novel Core 最後に着たのは多分19〜20歳くらいですね。撮影でペンキがついてしまって、もう取れなくなっていたりするんですけど、それも込みで味になっています。
ーー以前のインタビューでは、着なくなった服は友達に差し上げることも多いとのことでした。同じ時期に買ったアイテムでは、このフーディーくらいしか残ってないのでは？
Novel Core そうですね。残っているのはこのフーディーと、もう1着くらい。これを買った少し後に、赤と白のラインが入ったMA-1みたいなDIESELのジャケットを買ってもらいました。サイズ感が小さくて今は着ていないのですが保管しています。
ーー次はRICK OWENSのシューズです。
Novel Core RICK OWENSを代表するジオバスケットシューズで、僕が一番好きで愛用している靴です。DIESELにグッとのめり込んでから、どんどん洋服が好きになっていった時に出合いました。年明けにお年玉を握りしめて、初めてヌビアン原宿に行ったんです。まだまだガキンチョだったし、「店員さん、喋んないじゃん…怖っ！」みたいな感じだったんで（笑）。当時の原宿店は今のような大きい店舗ではなく、奥まったところにある一軒家みたいな感じで、フロアも一階が12畳、二階が6畳くらいのスペースでした。当時グランドマスターにいた2WIN時代のT-Pablow君やYZERR君が、雑誌で「ヌビアンが日本で一番カッコイイものをキュレーションしているセレクトショップだ」と話していたので、僕の中でも神格化された存在でした。
ーードキドキしながら行ったんですね。
Novel Core そうなんです。そこで初めて生で目にしたのが黒のジオバスケット。最新のものは厚底になっていますが当時はフラットでした。二階の6畳くらいのフロアにボンボンボンって靴が並んでいて「なんじゃこりゃ！？」みたいな（笑）。当然その時は買えなかったんですが、それから僕の中でRICK OWENSが憧れのブランドになったんです。
ーーいつ頃、手に入れたのでしょうか？
Novel Core 2021年に髪の毛を白くしたんですが、自分の中では「ここからが再スタートだ」という意味もあって、ついにお祝いとして手に入れました。ボロボロになるまで履いて、今は友人が持っています。「こんなボロボロでいいの？」というくらいでしたが、本人がそれでもいいと言うので（笑）。
ーージオバスケットは何足ぐらいお持ちですか？
Novel Core ジオバスケットはこの3足です。ブーツとかコラボシューズとかもろもろ含めると、RICK OWENSの靴だけで10足は持っていると思います。どんなに自分が大きくなっていっても、多分買うたびに緊張するブランドだろうし、自分の気持ちをグッと引き締めてくれるブランドというか、憧れですね。
ーーデザイン的な部分で気に入っているところはどこですか？
Novel Core シュータンのデザインのおかげで足元に目が行くし、だからこそ服が制限されずに自由度が増す印象があります。ハーフパンツとの相性もいいし、「なんかコーデが物足りないな」と思った時も、普通のスニーカーからジオバスケットに変えるだけで、急にレベルが上がる感じがします。今後も定期的に新しいものが出たら見てしまいますね。ただ、最近、高すぎるんですよ（笑）。
ーーファッションアイテムは全体的に高くなっていますよね。
Novel Core マジで高いです。ヌビアンでもRICK OWENSの新しいジャケットとかを紹介されるのですが値段を聞くと「120万円です」って。思わず「そんなの気軽にススメるな！」って言いそうになる（笑）。
