直感的にDTMができたDJのほうが後々、大事な局面がある気がした

――最初にKOTAさんのキャリアについてお伺いしたいのですが、まずは音楽遍歴からお聞かせください。

DJ KOTA 4歳上の兄貴がいて、ゴリゴリのB-BOYだったんです。いつも兄貴の部屋から、爆音で日本語ラップが流れているという環境で、NITRO MICROPHONE UNDERGROUND、MSC、JUSWANNAや、DJのミックステープなどが流れていて、俺も中学生くらいから兄貴の部屋で一緒にヒップホップを聴くようになりました。

――どういうきっかけでDJを始めたんですか。

DJ KOTA 高校卒業後に就職したんですが、合わなくて半年足らずで辞めたんですよ。漠然と好きなことで食べていきたいなと考えていたんですが、当時は具体的にやりたいことが見つからなくて。ただ見つかった時に動きやすいようにと思って、バイトで築地市場に入ったんです。

――なぜ築地市場だったのでしょうか。

DJ KOTA もともと家業が築地市場なんですけど、親のところではなく、先輩の親父のところに入って。働き始めて1年くらい経った時に、たまたまMSCのPRIMALというラッパーが同じバイト先に入ってきたんです。

Novel Core そういえば、そんなこと言ってたね。

DJ KOTA MSCは中学生の頃から聴いていたし、これは「音楽をやれ」と神様に言われているような気がしたんですよね。PRIMALとも仲良くなって、MSCのライブにも連れて行ってもらって。それに背中を押されたのもあったし、ヒップホップが好きだったのでビートを作りたいなと思って、二十歳の時にバイトを辞めて、貯めたお金でビートメイクが学べる専門学校に入学しました。

――それまでビートメイクの経験があったわけではなく?

DJ KOTA 本当にゼロからで、パソコンも専門学校に入ってから買いました。1年間通ったんですが、認可校じゃなかったので就職の斡旋とかもなくて、野放しになるんです。それで、とりあえずラッパーと知り合いたいなと思ってDJを始めたんです。在学中はバイトをして機材を買うことに追われて、ラッパーと知り合う機会もなかったんです。

――どうやってDJの活動を始めたんですか。

DJ KOTA 最初は専門学校の友達に紹介してもらって、道玄坂の「ATOM」で回しました。それが21歳の時で、今31歳なので、ちょうど10年前です。ちょっとチャラい箱から始まったんですけど、すぐに「R Lounge」とかアンダーグラウンドな箱にも出て、DJを始めて2、3年くらいで「HARLEM」の金土レギュラーをやるようになって。当初の目的であったラッパーたちとの出会いも増えていきました。

――とんとん拍子でHARLEMまでたどり着くのはすごいことじゃないですか。

DJ KOTA それなりに上手かったのかな(笑)。

Novel Core (笑)。

――その当時、ビートメイクはやっていたんですか?

DJ KOTA ちょこちょこ作ってはいたんですが、ビートよりもDJ中心でしたね。

――お二人はどのように知り合ったのでしょうか。

Novel Core 僕が2018年にGM(Zeebraが主宰するヒップホップレーベル「GRAND MASTER」)に入って、その翌年に1st EP『CORE OF THE』を出すタイミングで出会いました。ライブをやっていくのにDJが必要という話になって、ジブさん(Zeebra)が「何人か候補を募るわ」と。その中にKOTAくんがいました。後で聞いたら、後に「C.O.R.E」でスクラッチを入れてくれたDJ TIGUさんがジブさんから話をもらって、TIGUさん伝いでKOTAくんにも声がかかったと。

DJ KOTA  HARLEMでTIGUさんと一緒にやってた繋がりですね。

Novel Core 確か4人候補をいただいたんですが、それぞれの資料を見た時に、真っ先に目が留まったのが「ビートメイクをやってる」と書いてあったKOTAくんでした。当時はバンドでやっていくなんて1ミリも考えていなかったんですけど、直感的にDTMができるDJのほうが、後々大事な局面がある気がして。4人の中でビートメイクできるのはKOTAくんだけだったし、かつXのアカウントを見に行ったら、ヘッダーがケンドリック・ラマーだったんですよ。僕もめっちゃケンドリック好きなので、「絶対に話が合うわ」と思ってお願いしました。

――KOTAさんは、その時点でCoreさんの存在を知っていたんですか。

DJ KOTA 名前は知っていましたが、ほぼバトルは観たことがなかったです。当時はUSの曲ばかり掘っていたので、あまり日本のヒップホップは追っていなかったんですよね。それでTIGUさんに話をもらってから、YouTubeに上がっているCoreのバトルを観て、ラップも上手いし、一緒にやってみたいなと思ったんです。

――当時、十代のラッパーと接点はありましたか。

DJ KOTA なかったですね。当時はLEXも有名じゃなかったよね。

Novel Core そうだね。僕とKOTAくんが組むようになった時期に、LEXたちも注目を集めるようになって。渋谷の「ClubMalcolm」って箱に、LEXの他にも、Sid the Lynch名義で活動していた(sic)boy、TRASH ODE、後にT.Y.V(Tokyo Young Vision)に入るNormcore Boyzなんかが出ていた。

DJ KOTA 今考えたら、すごい面子だよね。