内藤監督を中心に集まるパワーみたいなものを感じながら、自分もそれに乗せられて前に進んでいく感覚があった

――今回、主演映画『ヒグマ!!』で演じられた小山内という主人公について、どんな印象を持たれましたか。

鈴木福(以下、鈴木) 闇バイトをしてしまう経緯も含めて、憎めないキャラクターだなと思いました。大学生になるとはいえ、変に背伸びをすることなく、可愛らしさもあるし、笑ってしまうところもある。初めて脚本を読んだ時から、この子だからこそ愛されるような人物になればいいなと思いました。ヒグマが出てきてからは生存本能という部分に意識が向かっていきますが、生きるための宝石回収や母親を守ろうと行動する中にも人間らしさがあふれているんですよね。闇バイトに至るまでの父親の死、大学のことなど、彼が抱えるさまざまな出来事も含めて、そんな小山内像をイメージしながら演じていました。

――決して弱々しい人物ではないですよね。

鈴木 この出来事を通して彼が立ち向かっていくことが成長につながるんですよね。時系列としては短いお話ですが、ヒグマとの対峙、償う気持ちなど、その後の小山内の成長がイメージできるようなお話になっています。

――ご自身と共通する部分はありましたか。

鈴木 ポジティブというか。不幸が重なって、ネガティブになって何もしないという人間だったら、闇バイトすらやってないと思うんです。でもそこでアクションを起こして、次に立ち向かう力を持っている子なんですよね。僕も割とポジティブで、嫌なことがあっても「よし!」と切り替えて次に向かえるタイプなので、そういうところは共通していると思います。

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。

鈴木 本当に明るくて、すごく楽しかったです。内藤監督がやりたいこと、思い描いていることに対して、みんなが精一杯向かっていく。映画愛のあふれた監督とプロデューサーですし、技術陣も内藤監督がずっと一緒にやられている方々が多いんです。メイクさんや衣装さんも含めて。内藤監督を中心に集まるパワーみたいなものを感じながら、自分もそれに乗せられて前に進んでいく感覚がありました。

――現場でアイデアを出されることもあったそうですね。

鈴木 もともと、ちょっとでも面白くなればと、いろいろなアイデアを考えるのが好きなんです。受け入れてもらえたものもありましたし、世界観と合わない時は「そこまでやらなくていいかな」とちゃんと内藤監督が言ってくれて、そのバランスも良かったです。撮り方も含めて、みんなで「ここまでやるか!」と面白がってやれたのが良かったと思います。

――どんなアイデアが採用されましたか。

鈴木 うんちのくだりがあるじゃないですか。あんなにしっかり使われるとは思っていなかったです(笑)。最初はこういうことを喋ってほしいというのがあって、テストを重ねていく中で内藤監督から「これを言ってほしい」というリクエストが入る。それでやってみて、カットがかからないから、ほぼアドリブで続けてみたらああなって。もうちょっと音が小さくなると思っていたら、結構オンで入っていました。