思春期で人と話せなくなるも大学時代の親友が人生の転機に

――これまでのキャリアを振り返っていただきます。まず、幼少期から青春時代の思い出は?

YUI ゲームではよく遊んでいました。振り返ると、性格が変わったのが中学3年生のタイミングで。それまではよくしゃべるし、他人のリアクションも気にせず出しゃばりだったんです。変わったきっかけは、たぶんクラス替えです。何となく、話しづらいという気まずさを感じたんですよ。元々、発育が遅くて身長も低く、声変わりも遅かったので思春期に入るのが、周囲と比べて遅かったのもあったんだと思います。異性を急に意識するようになったし、中学3年生で急激に人見知りが加速して、自分からしゃべりかける機会も減っていきました。

――コミュニケーションへの意識と共に、友人関係も変わったのでしょうか?

YUI 変わりました。ゲームを通して友だちを集めて遊んでいたんですけど、集団で遊ぶことがだいぶ減りました。

――友だちづきあいについて、その後何か、変化はあったのでしょうか?

YUI 大学時代ですね。今の僕のベースがあったのは、大学の4年間だったと思っているんです。象徴するのが橋本という友だちで、影響をだいぶ受けています。橋本に聞いたら、こうしたインタビューでも「名前を出してもいい」と言ってて(笑)。部活にもサークルにも入らず、ほぼ1人か2人でいて、友だちの家に泊まるのがストレスだったのに、彼の家には入り浸っていたんですよ。知的好奇心に目覚めたのはジャンルを問わない読書家の彼がいたからでした。今では本が趣味というか、依存しているほど。移動時間や1日の終わりには、読まずには落ち着けないほどに人が変わりました。大学時代にずっとLINEでたがいの歌を送り合っていたのも不思議と今に繋がっていて。昔から“音痴”で、家族から「歌うな」と釘を刺されるほどだったんです。でも、橋本に「歌ってみな」と言われてボイスメッセージで送ったら、僕の歌に対して初めて「お前の声、雰囲気がいい」とポジティブな反応をしてくれて、下手ですけど人前で歌うのに抵抗がなくなりました。彼がいなかったら、今ここにいないと思います。