自分の帰る場所だから、家族を守るためにというのはつねに思っています | 三浦翔平 「ワンシーン、ワンカットの中に蓄積された努力が作品になる」 INTERVIEW

自分の帰る場所だから、家族を守るためにというのはつねに思っています

――ここからは三浦さんの学生時代のことについてお話をお伺いできればと思います。学生時代に熱中されていたことは何かありましたか？

三浦　バスケットボールとバイクですね。バイクは今もですけど、バスケの方は小学校からミニバスケットボールのクラブチームに入っていました。中学校、高校もバスケ部に入ったので、学生時代はほとんどバスケをやっていたなというイメージです。

――バスケにはまったきっかけは何だったんですか？

三浦　きっかけは兄がバスケをやっていたからです。その兄は小学校ですぐやめちゃったんですけど、僕は楽しくて続けました。

――今年はそれこそワールドカップもありましたし、バスケが世間的にも大きく取り上げられました。

三浦　一気に盛り上がりましたよね。ただ、最初にNBAという世界を見てしまっているから、観る側のハードルが少し高くなっているのかもしれません。このままの勢いでスラムダンクなどと相乗効果で盛り上がっていけばいいなと思います。

――学生時代にバスケを続けてきて、今の自分に繋がっているなと思うものはありますか？

三浦　負けることの悔しさだったり勝つことの喜びだったり、チームプレーの大切さはバスケから学んでいるのかなと思います。あとは部活自体もそうですけど、上下関係が厳しかったので、ふてくされながらもよくちゃんとやっていたなって。今ではありえないような感じでしたから。ただ、社会に出たら理不尽なことなんてたくさんあるじゃないですか。

――その理不尽に対して自分がどう臨んでいけばいいか、そういう姿勢とか気持ちの持ち方を学生の頃に培われたと。

三浦　そうですね、それはそれ、これはこれと。

――俳優として幅広い作品でご活躍されていますが、お仕事のやりがいや楽しさはどんな時に感じますか？

三浦　我々の仕事は、毎回心機一転という気持ちで、新しいことをできるのが楽しいなと。あとは団体芸でもあるので、キャストやスタッフ全員がガチャンとはまったときの、何とも言えない空気感というものもなかなか味わえるものじゃないなと。もの作りの一環ですけれども、微々たるワンシーン、ワンカットの中に蓄積された努力が作品になって、それを皆さんに観てもらえる。なおかつ観てくれた人の感情を動かすことができるというのは他ではなかなかできない職業かなと思っていて、それはやりがいの一つかもしれないです。

――それこそ舞台や映画などで主役を演じられる時、座長を務めることも多いと思うのですが、その点はいかがですか？

三浦　やっぱり頭でやるときは気負いますね。自分の演技だけではなく空気感とか、その作品全体を見なきゃいけなくなるので、やっぱり2倍3倍大変になってきますから。

――演技だけに限らず物事の視野を広くしないといけないと。

三浦　僕が頭をやらせてもらう時には、俳優部だけじゃなく、その現場に関わる全員が楽しい時間であってほしいという思いで臨みます。もちろん技術の戦いはあると思うんですけれど、みんながプロの集まりだから、各々がプロとして仕事をして、作品がよくなるのであればOK。最終的なゴールはみんな一緒だから、最後まで頑張りましょうということは意識します。

――最後になりますが、三浦さんはオフの日はどんなふうに過ごされているんですか？

三浦　短期のオフであれば、ジムに行ったり、家の掃除をしたり。土日だったら子供と遊ぶくらいです。もし何日か連続して休みがあるのであれば、ゴルフやサーフィンをしたり……。でも、子供と遊んでいる時間の方が長いのかな。子供が保育園に行っていたら、自分のやりたいことを朝から昼間までやるんですけど、子供が休みだったら、基本的にはどこかへご飯に行ったり、公園行ったりして遊んでます。

――お子さんができて成長するにつれて、三浦さんご自身の中でも変化はありますか？

三浦　やっぱり子供のためにと思うことが多くなりました。この子のために頑張るという。それこそ家族が優先的になってきます。

――仕事をしていく上で新たな糧になっているんですね。

三浦　だから、独身の時より２倍……今は3倍頑張らなきゃいけない。自分の帰る場所でもあるから、家族を守るためにというのはつねに思っています。

PHOTOGRAPHER：TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER：TETSU TAKAHASHI,HAIR&MAKE：YUKI ISHIKAWA,STYLIST：GO NEGISHI