先が見えなくて、ただただ友達と遊び続けるだけの苦しい日々を過ごしたこともあった

――キャリアについてお伺いします。この世界に入るまではサッカーに打ち込んでいたそうですね。

醍醐 幼稚園の年長さんから始めて9年間、サッカーに打ち込んでいました。おそらく友達の影響で始めて、中学生の頃はサッカー選手になりたいと思っていました。

――その頃、芸能界に興味はありましたか?

醍醐 当時はサッカーに夢中で全くなかったです。だから、自分が今こうしているなんて、当時を考えると不思議ですね。

――もともと目立つのは好きなほうでしたか。

醍醐 好きでしたね。体育祭とか学校のイベントは楽しみにしているタイプでした。

――どうして俳優を目指そうと思ったんですか。

醍醐 きっかけは学生時代の友人が、軽い感じで「やってみたら」と言ってくれて。ちょうど高校進学のタイミングだったんですけど、このままサッカーを続けても都の代表なら行ける可能性もあるけど、関東代表に食い込むのは難しいし、プロにはなれないだろうなと思ったんです。それでトライしてみようと思いました。

――芸能活動もいろいろありますが、なぜ俳優だったのでしょうか。

醍醐 テレビドラマを観るのが大好きで、小栗旬さんのファンだったんです。『花より男子』を始め、たくさんの出演作を観て、かっこいいなと思って憧れの存在でした。だから声優としてですがアニメーション映画『天気の子』で共演させてもらったときは、すごくうれしかったですし、今度は実写で小栗さんと共演したい気持ちが強くて、それを楽しみに頑張っています。

――実際に小栗さんと接した印象はいかがでしたか。

醍醐 かっこよすぎましたね!ことあるごとに男としてこうありたいなと思いましたし、ずっと面倒も見てくださるし、人としてこれだけ完成されている人はいないだろうなと。

――俳優活動を始めて、自分にお芝居は合っているなと、すぐに感じましたか?

醍醐 まるっきりでした。まず事務所のオーディションを受けたときに、台本の抜粋した部分を読んだんですけど、手も足も口も震えて、しゃべるってこんなに難しいんだと思い知らされました。そんな状態で事務所に入ったので、レッスンからスタートしたんですけど、歩き方すら分からなくなるし、初めて台本をもらったときも、何回やっても覚えられない……。本番も緊張でお芝居どころじゃなかったです。

――俳優でやっていこうという気持ちがぶれることはありましたか。

醍醐 正直あったかもしれないです。オーディションに全然受からない時期があって、先が見えなくて、ただただ友達と遊び続けるだけの苦しい日々を過ごしたこともあったんです。もともとはナーバスになりやすいタイプだったので、さすがに辞めるまで考えたことはないですけど、このままで大丈夫かなっていう不安はありました。周りの友達が就職し始めたときも焦りはありましたけど、根本的に好きでやっているお仕事なので、最終的には頑張ろうって気持ちになるんです。幸い今は、いろんな方からお仕事をいただいて、少し自信が持てるようになりました。