俳優になるために1年間でTikTokのフォロワー数10万を目標に掲げた

――これまでのキャリアについてお伺いしたいんですが、学生時代は10年間、野球をやっていたそうですね。

森下 小学2年生ぐらいから高校3年生まで続けていました。

――ポジションはどこだったんですか?

森下 高校時代はサードとレフトをやっていたんですけど、それまでに全部のポジションをやったことがあって。僕はバッティングが得意なんですよ。だからバッティング優先で、欠けているポジションに入るという感じでした。こう見えて、運動神経はいいんですよ。よく運動ができなさそうと言われるんですが(笑)。足も早いし、球技全般が得意です。

――なぜ芸能の世界に入ろうと思ったんですか?

森下 子どものときから漠然と芸能やお芝居に興味や憧れがあったんですが、自分が目指すものではない別の世界かなと思っていました。野球選手になりたい夢もありましたしね。ただ高校生になったぐらいのタイミングで、将来の夢や進路を現実的に考えたときに、「美味しいご飯を食べられる人になりたい」と思ったんです。イメージとしては社長とか芸能人(笑)。ただ勉強が苦手だから社長は無理かなと。芸能人は小さい頃からの憧れもあったので、もしかしたらと自分にできるかもしれないと思ったんです。

――その夢を叶えるために、どんな行動を取ったのでしょうか。

森下 何か大きなきっかけが欲しいなと思ってTikTokに力を入れました。お芝居は子役からやっている方も多いですし、ずっと地元・福岡で野球一筋だったので、何か工夫をして取り組んでいかないと、いきなり俳優になるのは難しいだろうなと思ったんです。それで1年間で10万フォロワーを目指して、めっちゃ研究しながら、ショート動画を中心に上げていました。それぐらいの目標もクリアできないようじゃ、無理だろうなと。

――もともとSNSに馴染みはあったんですか?

森下 むしろ自分から発信するのは苦手でした。あまり目立つのも得意じゃなかったです。だから俳優になるためにも、ちゃんと自分を出せるように頑張ろうという一心でやっていました。結果、目標を達成することができたので、それをきっかけに事務所に応募して、この世界に入ることができました。TikTokで注目されたとはいえ、相変わらず人前に出ることに慣れないまま今回の映画に出演することになって。そういう面でもタクミくんの気弱さに通じるところがあって、堂々とすることのできない感じを上手くタクミくんに落とし込こんで演じられることができたと思います。