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    バンド、アイドル、ラッパー、声優、プロデューサーなど、マルチなアーティストと才能を抱え、アニメやゲーム、舞台などともクロスカルチャーな表現を展開するキングレコード内レーベル「EVIL LINE RECORDS」(以下ELR)。その設立10周年を記念したフェス「EVIL LINE RECORDS 10th Anniversary FES.“EVIL A LIVE” 2024」が、5月4日、東京ガーデンシアターにて行われた。

    この日はELRに所属するアーティスト/グループに加え、2023年に設立された兄弟レーベル「HEROIC LINE」に加入したアーティストが登場。「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」で白膠木簓を演じる岩崎諒太、イヤホンズのメンバーである長久友紀の「“EVIL A LIVE” 2024、スタート!」というコールで会場の明かりが消えると、この日のトップバッターとなる「七人のカリスマ声優」がステージに登り、会場からは大きな歓声が上がる。二次元キャラクタープロジェクト「超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』」から登場した7人のライブは「カリスマピクニック」からスタート。それぞれのキャラクターを活かしたボーカルと、キャッチーなステージングで会場は一体化する。「レーベルの末っ子である我々の、トンチキな楽曲と振り付けで楽しんで頂きましょう」という言葉から「カリスマジャンボリー」。この日が初披露にも関わらず爆発的な盛り上がりを見せ、「以上、俺達がカリスマでした」という言葉でステージを後にする7人に名残を惜しむような大きな拍手が送られた。

    続いて登場したのは、デビューから9周年を迎える声優ユニット、イヤホンズ。アニメ/声優カルチャーとELRとの連動の原点ともいえるグループは、彼女たちのデビューシングルをアップデートした代表曲「耳の中へ!!!」を丁寧かつ軽やかに歌い上げ、その魅力を十二分にアピール。そして今年2月14日にリリースされた4thアルバム「手紙」に収録された「リクエスト」と、2曲という曲数ながら、イヤホンズの原点と最新系を繋げ、その普遍的な魅力を表現した。

    七人のカリスマ声優とイヤホンズのこの日のライブをバックで支えたのは、ELR所属アーティストの楽曲制作も数多く手掛けるクリエイターチームバンド、月蝕會議。「Over my DEAD copy」で幕を開けた月蝕會議のライブは、タイトなバンド演奏とエモーショナルなヴォーカルで会場を魅了する。そして「いっぱい楽しもうね!OK!?」というMCに続いて、披露された「Caligula syndrome」で更にそのボルテージを上げていった。

    「もう一曲良いですか?」という言葉から、七人のカリスマ声優×月蝕會議×小林私での「14人のオトナ」。タンゴ、ロック、パラパラ、童謡など、様々なジャンルがミックスされた楽曲を駆け抜けるように歌った。

    そのままステージは「HEROIC LINE」の第一弾アーティストである小林私にバトンタッチ。「信じて貰えないかも知れないですけど、ヒプマイです。ヒプマイをギュットすると僕です……嘘です。シンガーソングライターの小林私です」という謎の漫談から始まったステージだが、アコースティックギターを掻き鳴らしながら絶唱する「加速」で、そのアーティストとしての力量を提示。そして「花も咲かない束の間に」を歌い終わり、暗転するとダッシュで袖に帰っていった。

    それぞれにコンプレックスを抱え、その葛藤や心の内をパフォーマンスに落とし込む6人組ダンス&ボーカルグループ、ODDLORE。2022年のデビューから着実にキャリアを重ねる彼らが歌う「STRUGGLE」は、まさにその道のりを表現し、その思いをオーディエンスにぶつけるようなソリッドさが印象に残る。「生きてきて最高だと思えるパフォーマンスをします」という言葉から「Coming Dawn」へ。シリアスなリリックを表現するヴォーカルとフォーメーションダンスが大きなエナジーを生み出したことは、登場時とパフォーマンス後でその歓声の大きさが明らかに変わったことからも感じられた。

    ヒップホップバンド、SANABAGUN.のフロントマンとしても活動する高岩遼。「I’m Prince」をソウルフルなボーカルからタイトなラップで表現し、その独特の世界観を冒頭から提示。そしてベーシスト/ラッパーのNagan Serverを迎えての「MIX JUICE feat. Nagan Server」では高岩もキーボードを弾き、ラップ、キーボード、ウッドベースというフリーキーなセッションでオーディエンスを驚かせた。ラストは一転して80sチックなポップさで聴かせる「スターダスト」。3曲の中でその幅の大きさを見せ、高岩のアーティスト像の豊かさをリスナーにアピールした。

    2023年10月のELR加入から、一年を経たずに7月15日に品川ステラボール公演を控えるBimi。登場VTRが流れると大きな歓声が巻き起こったことからも、その注目度の高さが伺える。ヘヴィなロックサウンドとBimiのタイトなラップが絡まる「怒鈍器」で、会場の熱気は更にヒートアップ。「新参者ですけど、期待値上げていきます」という自信に満ちた言葉から、和のテイストを感じるに「輪 -味変-」では、登場時の着物風の衣装からジャージにサラシというヤンキーチックな服装に変え、ダークヒーロー的なエネルギーを会場に振りまいた。

    そしてBimiに加え、サイプレス上野とロベルト吉野、ODDLOREからKOYAとJOSHがステージに上り、Bimi × ODDLORE × サイプレス上野とロベルト吉野でのコラボ曲「Chimera」へ。ディスコティックなトラックに三者三様のラップを乗せ、ラップの楽しさを音楽にした。

    志磨遼平のソロプロジェクトとして展開するドレスコーズは、志磨の前身バンドである毛皮のマリーズ時代から歌われる、志磨流の人生讃歌ともいえる「ビューティフル」からスタート。「ELRはありとあらゆるジャンルからキツめの人を集めてます」という志磨のコメントは言いえて妙。毎日放送制作のドラマ「奪われた僕たち」の主題歌「キラー・タンゴ」から、ELR移籍後初のアルバム「1」のラストを飾る「愛に気をつけてね」へ展開し、その圧倒的なパフォーマンス力で観客の心を鷲掴みにした。

    サイプレス上野とロベルト吉野は、ロ吉のターンテーブルプレイ/スクラッチにサ上がラップを乗せる「Intro」から、ももクロのコールを取り入れたフックで会場が一体となった「ぶっかます」へ。その一体感を「もっと騒いでいいんだぜ!」という言葉で更に煽り、ユニット「FNCY」のメンバーとしてELRにも所属していた鎮座DOPENESSが参加しての「RAW LIFE feat. 鎮座DOPENESS」では、キャリアを重ねる二組だから歌えるヒップホップへの愛情を形にする。そして「つらい気持ちは天まで飛ばそうぜ」という言葉から「おもしろおかしく」。1MC&1DJだからこそできる表現を遺憾なく発揮し、ライブ番長としての強さを見せつけた。

    とにかく最初の一音の出音から猛烈な圧を感じさせたのが、大槻ケンヂをはじめ、日本のロックシーンを支えるベテラン陣が顔を揃える特撮。コロナ禍に発表され、日常の再生への希望を込めた「オーバーザレインボー〜僕らは日常を取り戻す」から、アニメ「さよなら絶望先生」の主題歌「人として軸がぶれている」へと展開し、その強烈なメッセージとサウンド、音圧で会場を圧倒。「綿いっぱいの愛を!」と、特撮節ともいえる特撮の王道であり人気曲をタイトに披露し、音楽シーンに君臨する理由をパフォーマンスで証明した。

    そのまま特撮×ドレスコーズ×イヤホンズというELRでしかありえない組み合わせで制作された「雲雀の舌のゼリー寄せ」へ。オーケンと志磨のボーカルに、特撮の轟音サウンド、そしてキュートなイヤホンズのボーカルが乗る奇跡の一曲を披露し、「時間が押してるから」と足早にステージを降りた。

    2017年のプロジェクト開始以来、大きなムーブメントを起こし続けている音楽原作キャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」。この日のライブでは、作中の6ディビジョン(グループ)のリーダーが顔を揃えるという、スペシャルな形でのパフォーマンスが展開。「UNITED EMCEEZ -Enter the HEXAGON-」に続き、ヒプマイの人気曲をメドレー形式で展開する「ヒプノシスマイク SPメドレー」で、会場の空気を一気にヒプマイ色に染め上げる。オーディエンスが持つサイリウムも、それぞれのディビジョンカラーに切り替えられ、その人気の高さが視覚でも伝わってきた。

    そしてスクリーンに「VS」の文字が浮かび、登場したのは七人のカリスマ声優。ヒプマイのライブでも予告されていたこの「ラップバトル」には会場から大きな歓声と拍手が起こる。そいて披露された「ヒプマイvsカリスマ Battle Anthem -EVIL A LIVE 2024-」は、先行のカリスマ、後攻のヒプマイ、それぞれのユニットがバラバラに歌うフックと、この日のライブでもお互いに一歩も譲らぬ構成を見せ、これからのバトル展開も期待させられた。

    この日のトリを飾るのはももいろクローバーZ。特撮とともにELRの旗揚げメンバーであるももクロは、キングレコードに所属しての第一弾シングルとなった2010年リリースの「ピンキージョーンズ」でライブを開幕。5月8日リリースのニューアルバム「イドラ」に収録される「Heroes」は力強いメッセージと心が軽くなるようなメロディ、4人の鮮やかなヴォーカルによって、現在のももクロを表現した。「走れ! -ZZ ver.-」に続き、「ELRのレーベルヘッドの宮本純乃介さん、ももクロは宮本さんのことが大好……ゲホゲホ」という小芝居から「黒い週末」へ。普遍のももクロらしさを4曲の中で形にした。

    そしてフェスなどで交流も深いヒプマイメンバーがステージに再登場し、ももいろクローバーZ × Division Leadersでの「Cross Dimension」をライブ初披露。ミドルテンポのビートに10人のラップとボーカルが乗る平歌と、10人のユニゾンで歌われるサビから感じるポジティブで未来志向のメッセージは、この日のオーディエンスを必ず勇気づけたことだろう。

    そのまま、ヒプマイの「ラップって楽し『C』」、ももクロの「ももいろクローバー『Z』」というお互いのハンドサインを観客とともに高く掲げ、ステージを後にした。

    「ELRのこれまでと現在、そしてこれから」を繋いだ今回の「“EVIL A LIVE” 2024」。これからどんな新しい波が起きるのか、しっかりと期待させられるイベントはこうして幕を閉じた。

    ■“EVIL A LIVE” 2024セットリスト
    <七人のカリスマ声優>
    M1.カリスマピクニック
    M2.カリスマジャンボリー

    <イヤホンズ>
    M1.耳の中へ!!!
    M2.リクエスト

    <月蝕會議>
    M1.Over my DEAD copy
    M2.Caligula syndrome

    <七人のカリスマ声優×月蝕會議×小林私>
    M1.14人のオトナ

    <小林私>
    M1.加速
    M2.花も咲かない束の間に

    <ODDLORE>
    M1.STRUGGLE
    M2.Coming Dawn

    <高岩遼>
    M1.I’m Prince
    M2.MIX JUICE feat. Nagan Server
    M3.スターダスト

    <Bimi>
    M1.怒鈍器
    M2.輪 -味変-

    <Bimi × ODDLORE × サイプレス上野とロベルト吉野>
    M1.Chimera

    <ドレスコーズ>
    M1.ビューティフル
    M2.キラー・タンゴ
    M3.愛に気をつけてね

    <サイプレス上野とロベルト吉野>
    M1.Intro
    M2.ぶっかます
    M3.RAW LIFE feat. 鎮座DOPENESS
    M4.おもしろおかしく

    <特撮>
    M1.オーバーザレインボー〜僕らは日常を取り戻す
    M2.人として軸がぶれている
    M3.綿いっぱいの愛を!

    <特撮×ドレスコーズ×イヤホンズ>
    雲雀の舌のゼリー寄せ

    <Division Leaders fromヒプノシスマイク -Division Rap Battle->
    M1.UNITED EMCEEZ -Enter the HEXAGON-
    M2.ヒプノシスマイク SPメドレー

    <Division Leaders VS 七人のカリスマ声優>
    M1.ヒプマイvsカリスマ Battle Anthem -EVIL A LIVE 2024-

    <ももいろクローバーZ>
    SE:overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
    M1.ピンキージョーンズ
    M2.Heroes
    M3.走れ! -ZZ ver.-
    M4.黒い週末

    <ももいろクローバーZ × Division Leaders>
    M1.Cross Dimension

    “EVIL A LIVE” 2024公演概要
    公演名:EVIL LINE RECORDS 10th Anniversary FES.“EVIL A LIVE” 2024
    開催日時:2024年5月4日(土)OPEN 16:00 / START 17:00
    場所:東京ガーデンシアター
    〒135-0063 東京都江東区有明2-1−6
    出演者:
    イヤホンズ、ODDLORE、月蝕會議、小林私、サイプレス上野とロベルト吉野、七人のカリスマ声優、高岩遼、Division Leaders from ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-、特撮、ドレスコーズ、Bimi、ももいろクローバーZ(五十音順)
    推奨ハッシュタグ:#ELRフェス2024
    主催・企画・制作:KING RECORDS / EVIL LINE RECORDS
    後援:TOKYO FM

    TEXT:高木 “JET” 晋一郎
    PHOTO:江藤はんな(SHERPA+)、大庭 元

    Information

    「“EVIL A LIVE” 2024」特設サイト
    https://evilline.com/evilalive2024/
    「EVIL LINE RECORDS」公式X
    https://twitter.com/EVILLINERECORDS