オフの日に、たまたま通りがかった小劇場にフラッと入ることもある

――お忙しい日々かと思いますが、オフはどう過ごすことが多いですか。

伊原 観劇です。行ける日に片っ端から予定を詰め込んでいます(笑)。あとサウナや銭湯に行くことも多いです。

――観劇は勉強のためとか、知り合いが関わっているからとかではなく?

伊原 普通に舞台の一ファンとして観に行くことが多いです。この演出家さんだからとか、この作品だからとか、この俳優さんだからとか、作品によって理由は違うんですが、シンプルに劇場が好きなんです。だから演出家さんも作品も俳優さんも知らないけど、たまたま通りがかった小劇場にフラッと当日券で入ることもあります。

――サウナや銭湯は一人で行くんですか。

伊原 一人で行くこともありますが、それほど詳しくはありません。ただ、とある作品で共演した方が大のサウナ好きで、「サウナ部」というグループを作っていて、そこに入れてもらいました。たくさんメンバーがいるんですが、タイミングの合う人で集まって、銭湯に行って、サウナも入って、ビールを飲みながら大衆演劇を観て、締めはもんじゃを食べて帰るという、渋いオフを過ごさせてもらっています。

――大衆演劇まで観ているんですか(笑)。

伊原 それは一回だけなんですが、たまたま知り合いが演出に関わっていて、知り合いの役者さんも出られる作品があって、せっかくだからとサウナ部で観に行ったんです。確か観劇料金が2300円で、3時間もやってくれるんですよ。食べながら飲みながら大衆演劇を観て、出入りも自由という、不思議な体験をして。余計なことは何も考えずに、娯楽として楽しませてもらってぐっと心を掴まれました。

――ちなみにサウナは何セットぐらいやるんですか。

伊原 基本3セットです。温度にもよりますが10~12分程度サウナに入って、水風呂に1分~1分半ほど入って、外気浴で10分ぐらい、それを3回繰り返します。

――最後に改めて『ダブリンの鐘つきカビ人間』についてメッセージをお願いします。

伊原 今回でPARCO&CUBEのプロデュース公演として4回目の公演になりますが、それだけ愛されている作品で、しかも今回は初のミュージカル化。この作品を愛しているウォーリーさんが演出を手掛けて、個性豊かなキャストが集まっていますので、絶対に面白くなる確信があります。過去の舞台を観た方も、初めて観る方も楽しめる作品なので、ぜひ劇場に足を運んでください。

Information

PARCO&CUBE produce 2024
ミュージカル『ダブリンの鐘つきカビ人間』

東京公演:2024年7月3日(水)~10日(水) 東京国際フォーラム ホールC
大阪公演:2024年7月20日(土)~29日(月) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール

七五三掛龍也 吉澤閑也 伊原六花 加藤梨里香
入野自由 コング桑田 小松利昌 竹内將人
松尾貴史 中村梅雀 ほか

作:後藤ひろひと
脚色・演出:ウォーリー木下
音楽/音楽監督:中村大史
企画・製作:パルコ/キューブ

とある山中。中世のアイルランドを思わせる不思議な土地、そして音楽……。旅行中の聡(吉澤閑也)と真奈美(加藤梨里香)は霧のために立ち往生し、ある老人の住む洋館に一夜の宿を求めた。問わず語りに老人が語る昔話に、だんだんと心を奪われていく。むかしむかし。 この土地を不思議な病が襲ったときのこと。病の症状は人によって違っていた。指に鳥が止まってしまう病。天使の羽が生えてしまう病……。そんな中でも、最も不幸な病に冒されたのが、心と体が入れ替わり、心は水晶のように美しく、しかし誰も近づきたがらない醜い容姿となったカビ人間(七五三掛龍也)。カビ人間は、その容姿から村人たちに疎まれ、ただ一人で鐘を撞いている。そんなカビ人間とある日、出会ってしまったのが、思っていることの反対の言葉しか話せなくなった娘・おさえ(伊原六花)。最初はカビ人間におびえていたおさえだが、その美しい心に触れて、徐々に彼に心を開いていく。しかし心惹かれれば惹かれるほどに、おさえの口から出るのはカビ人間への罵倒の言葉。やがてその言葉が、カビ人間を窮地に追い詰めていく……。一方聡と真奈美は、老人の話に夢中になっている間に、気がつくとこの不思議な世界の中に入り込んでいた。そして、病を治すのは伝説の剣・ポーグマホーンであることを親衛隊長から教えてもらった真奈美はしり込みする聡を引っ張って剣を探す旅に出る。その頃、おさえの罵倒の言葉を信じ込んだ村人たちによって、追い詰められていくカビ人間。ポーグマホーンと不思議な歌、そして鐘の音が重なった時、悲しくも美しく、残酷な奇跡が起きる……!

公式サイト

伊原六花

1999年6月2日生まれ 大阪府出身。幼少期よりバレエやコーラス、ダンスに親しむ。2017年に当時キャプテンを務めていた大阪府立登美丘高校ダンス部が日本高校ダンス部選手権で披露した「バブリーダンス」が話題となり、18年に女優デビュー。翌年にドラマ・映画『明治東京恋伽』で初主演を務めて以降さまざまな作品に出演。近年の主な出演作に、【舞台】『夜の女たち』『海王星』(22)、【ドラマ】『マイ・セカンド・アオハル』『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS・23)、連続テレビドラマ小説『ブギウギ』(NHK)など。4月期のドラマ『肝臓を奪われた妻』(日本テレビ)にて主演を務める。

PHOTOGRAPHER:YUTA KONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:RIKA FUJIWARA,STYLIST:HIROTAKA KAJIWARA(OTA OFFICE)