久しぶりのキンスパでキングレコードの一員であることを実感
――アーティスト活動10周年おめでとうございます。10周年イヤー、ここまで楽しめていますか？
上坂すみれ（以下、上坂） ありがとうございます。これまで、周年イベントはやってこなかったんですけど、10年アーティスト活動を続けてこられたのは、自分でも本当にすごいことだなと思いまして、去年からライブをやったり、色々なフェスに出たりしています。声出し可能なリアルイベントが復活してきた時期と10周年イヤーがタイミングよく重なったので、充実したお祭り感のある1年にできていると思っていますし、改めて、リアルイベントは本当に楽しいなと実感できた1年だったと思います。
――改めて、デビューからの10年間を振り返ってみて、ご自身で成長や変化を感じる部分はどんなところですか？
上坂 10年前は本当に声優としてもデビューしたてでしたし、さらにアーティスト活動もやるなんて、まったく思ってもいなかったので、ゼロの状態からスタートして、少しずつ楽曲をリリースして、ライブをして…、10年経ってやっとアーティスト活動をしていると自信を持って言えるようになったのかなと思っています。
――では、10年間変わらない部分はどんなところだと思いますか？
上坂 アーティスト活動を始めた頃から、ファンの皆さんのことを“同志”と呼んでいるんですけど、ファンのみんなと同じ所に立っているという気持ちで、ずっと活動できているのは、変わらないところなのかなと思います。本当に10年変わらずに応援し続けてくれている方もいますし、それこそ今年初めてライブに来ましたという方もいるんですけど、どのタイミングから参加し始めても、誰でも楽しめるようなライブを作っていきたいと思って活動をしています。
――ライブのお話が出ましたが、今年は「KING SUPER LIVE 2024」（以下、キンスパ）が開催されましたね。やはり、歴史のあるキングレコードというレーベルで活動できているというのも、上坂さんのアーティスト活動において、大きな意味を持つのではないでしょうか？
上坂 キンスパは、特にレジェンドの皆さんが大集結する中、出演者の1人として参加させていただくことで、改めて、自分もキングレコードの一員なんだなということを実感できる場だと思っています。私がデビューした頃は、キングレコードというよりも、スターチャイルドレコード所属という意識が強くて、途中から今のKINGAMUSEMENT CREATIVEというレーベルになって、そのタイミングで一気にレーベルメイトと呼べる仲間が増えた感じがします。やっぱり、キングレコードにはアニソンの歴史がすごく詰まっているので、何かひとつでも受け継いでいきたいと思っていますし、キンスパのセットリストを見ても思いますけど、作品を背負っている曲、ファンの皆さんの思いが詰まっている曲が多いですからね。それは、先輩方や後輩達が作品に向き合って曲を作っているからこそなので、レーベルメイトの皆さんのことも尊敬しています。
――キンスパでの今年のパフォーマンスはいかがでしたか？
上坂 コラボパートでは、2日間とも、堀江由衣さんとコラボさせていただいたんですけど、堀江さんから私の名前を出していただいたと聞いて、驚いたと同時に、すごく嬉しく思いました。前回2022年のキンスパが延期になってしまった時はとても残念だったので、声出し可能な万全の体制で開催できて、とても感慨深いものがありました。キングレコードの中では、私はトリッキーな曲を歌っている方だと思うんですけど、会場の皆さんがそんな私の楽曲を温かく受け入れてくれたのも嬉しかったです。
――では、ここからはベストアルバムのお話を聞かせてください。10周年の集大成とも言えるベストアルバムですが、どんなアルバムにしたいと考えましたか？
上坂 初めてのベストアルバムなので、本当に色々な曲がありますけど、私の楽曲を初めて聴く人のための入門編になるようなアルバムにしようと思い、シングルの表題曲を全部収録した1枚とライブの定番曲や上坂すみれのアーティストカラーが特に色濃く出ている曲をまとめた1枚という2枚組にしました。特に、2枚目はライブで絶対に盛り上がるというテーマで選曲をしています。
――ジャケット写真はどんなイメージで作られたのですか？
上坂 もともと、ロリータファッションが大好きなので原点回帰ということで、ジャケ写では、自分のイメージカラーの赤をベースに、ロリータっぽいモチーフを取り入れたり、ピンクの衣装でパーティーっぽい豪華な感じにしてもらったりして、お祝い感の強い1枚にしようと思いました。
――実際に、出来上がったベストアルバムをご自身で聴いてみていかがですか？
上坂 曲の振り幅が本当に広いんですけど、不思議なまとまりがあるのかなと思っています。私を育ててくれた文化や好きな音楽の要素で構成されている曲ばかりなので、バラバラなようで、でも、すべてがちゃんと上坂すみれの歌だなというのが分かると思います。
