「ONE BY ONE」でまもなく活動のラストの瞬間を迎えようとしている集大成をみせる

MCパートを挟んだあと、RIONにフォーカスした「SKIN DEEP」でライブは中盤に突入。スウィング・ジャズやダンスホールなど様々なテイストを基調とした同曲は、RIONによる華やかなボーカル&ダンスによって彩られた。続いて、特有な6人のフォーメーションから繰り出されたのは「Embers」。抱えるコンプレックスですら自分らしさであり自分自身であることを受け入れていく、ODDLOREの新たなフェーズの幕開けとなった同曲の、詩的なリリックと奥行きあるトラックを歌とダンスで語り尽くしたあとは、数々のステージで披露されてきたキラーチューンであり、メンバーJOSHにフォーカスした「HOLLOW」へ。JOSHの咆哮にも似た終盤のたたみかけや、全身を使った鬼気迫るダンスにつられるかのように、オーディエンスの感情も揺さぶられていく。

衣裳をチェンジし、再びステージにあがった6人が次に届けたのは、彼らがコレオのプロデュースに挑戦をした、「ODDLORE CYPHER」【DANCE】。RYUICHROのマイクパフォーマンスから6人のダンスサイファーで余すことなく爆発させ、それに応えるかのように会場からは次々と歓声が巻き起こった。

そして、公演はいよいよ終盤に突入。終盤の皮切りとなったのは、このラストライブで初披露となる新曲の「瑞夢」だ。「瑞夢」は作詞・作曲・編曲、ラストライブ前に公開されたトレーラー制作、振付といった要素全てをODDLOREがトータルで手掛けた完全セルフプロデュース作品で、ODDLOREの最後にして最大の挑戦となった一曲。大きな未来へと羽ばたいていくかのようなトラックのうえで紡がれていく6人からのメッセージにオーディエンスが涙する光景もあるなか、6人は笑顔で会場を見渡しながら渾身のアクトを届けた。「瑞夢」に続いては、こちらも彼らがはじめてラップリリックの制作を手掛けた、「ODDLORE CYPHER」【RAP】の披露へ。六者六様のボースティングで繋がっていくサイファーを、オーディエンスも惜しみない歓声やクラップで讃え、受け入れていった。そのままたたみかけは止まらず、続いてパフォームされたのは過去最もアグレッシブな表現で、ODDLOREに新風を吹き込んだ「STRUGGLE」。振付に一緒に参加をしたり、ペンライトを激しく振るなど、会場の熱気は同曲で最高潮に達した。

そして、ボルテージのあがりきった会場に割れんばかりの喝采が巻き起こる中、「Coming Dawn」の曲名がKOYAからコールされる。「Coming Dawn」は、ODDLOREらしさ溢れる応援歌としてリスナーの背中を押し続けてきたが、ラストライブでの披露は、ODDLORE6人が会場オーディエンスからの熱気に後押しされるかのように最高の気迫をもって展開された。そしてODDLOREを代表するもうひとつのエールソングが、彼らの記念すべき 1stメジャーアルバムの表題曲であり、ありったけの優しさを詰め込んだ「ONE BY ONE」。自分自身に葛藤してきたODDLOREが音楽を通し、すべてのリスナーと共に一歩ずつ歩んでいくことを呼びかけるような同曲のパフォーマンスは、オーディエンスと共にまもなく活動のラストの瞬間を迎えようとしている彼らの、集大成となった。