普段はリーチしていなかった人たちにジョインすることを意識した3日間

――「BMSG FES’24」は3日間に渡って一日2公演、計6公演を開催しました。

Novel Core 3日間で6公演なんて経験は初めてだし、Kアリーナ横浜という来年2月11日に自分自身の単独公演を控えている会場でもあるから特別な思いもあって。ちゃんと会場を見て、単独で自分が立つ姿を想像しながらライブをやりたいなと。ゲネプロで前日に会場入りしたときに、一番奥のLEVEL7(アッパースタンド)まで回って、メンバーの声も聞きながら雰囲気を見ていたんですが、改めてアリーナクラスの会場と、自分たちが主に活動しているライブハウスでは、明確に使う脳みそが異なっているなと感じて。ステージングも大きく動くことだけが全てじゃなくなるというか……。ライブハウスだと端から端まで走り回りながら、できる限りのボディランゲージで、みんなとコミュニケーションを取っていくのが大事だと思うんです。それがアリーナクラスだと、直接目を合わすことが物理的に凄く難しくなる席もあって。これは気持ちだけでどうにかなる問題じゃないので、曲間に差し込む一言とか、カメラの割り振りを理解するとか。いつもより動きは少なくても、カメラに対するアプローチがしっかりしていれば、サービスモニターで抜かれたときに、ちゃんと全座席の人に届くだろうとか。そういうステージングに関する意識と向き合った3日間でした。

――基本的なセットリストは3日間、大きく変わらずですか?

Novel Core そうですね。どのチームからスタートするのかが3日間で大きく異なる部分で、初日がBMSG SKY、二日目がBMSG MARINE、最終日が僕たちBMSG GAIAでスタートしました。3チームそれぞれ全く違う楽曲になっていて、色も違う分、どの曲から始まるかで会場の空気感が変わるんですよね、今回、かみしもに「サロン」という、僕たちアーティストが座って、お客さんの前でライブを一緒に見るというアワード形式の席があったんです。そこへの移動も事前に全部決まっていたんですが、セットリストが変わるごとに、そこに行くタイミングなども変わるので、各メンバーが毎日、自分たちの頭の中で管理しながら動くのは大変でした。

――サロンでの立ち居振る舞いで意識することはありましたか。

Novel Core 自分たちもお客さんと同じようにライブを楽しんでいいよということでサロンが用意されていたんですが、初日の1公演目が終わった段階で、僕やAile The Shotaを中心にそれぞれフィードバックがあって。

――どんなフィードバックですか?

Novel Core たとえば、ちょっと張り出したところにサロンが組まれているので、立ち位置によっては最前列のお客さんたちからステージが見えにくくなるんです。僕たちが視界を遮ってしまう懸念があるから、座席の位置をもう少しステージ側に寄せようとか。座席の向きをお客さん側に向けてしまっていると、お客さんも僕たちに気を取られてしまって、パフォーマンスをしているアーティストたちに集中できなくなる可能性があるから、音楽ファーストを考えるんだったら、しっかり考えたほうがいいんじゃないかとか。各自でフィードバックをしながら、ベターを目指していきました。

――パフォーマンス面ではどんなことを意識しましたか。

Novel Core 同じBMSGに所属していても、アーティストとしての種類・形態は大きく異なるじゃないですか。シンプルにBE:FIRST、MAZZELと、僕らソロでは全然違いますしね。普段はリーチしていなかった人たちや、Novel Coreのライブを単独で見たことがないという人たちが多くいることを考えると、ライブのMCにしろ、間の煽り方にしろ、いつもとは違うアプローチも考えないといけないなというのがあって。普段通りの自分でやるのも大切ですが、アーティストとしてのホスピタリティも考えながら、どうしたら初めて見る人たちでも乗りやすいのか、この空気感にジョインしやすいのかなどを考えながら3日間を過ごしていました。