ロッキング・オン主催のフェスはメジャーデビュー当初からずっと意識をしていた

――今年はたくさんの音楽フェスに出演しましたが、幾つかピックアップして振り返っていただきます。まずは5月5日の「JAPAN JAM 2024」についてお願いします。

Novel Core ロキノン(ロッキング・オン)主催のフェスはメジャーデビュー当初からずっと意識をしていて、早くから出たいと言い続けていました。いろいろなアプローチを重ねに重ねて、ようやく掴み取ったのが春フェス「JAPAN JAM」の出演権で。バンドメンバーを引き連れて大きなステージに出させてもらうということもあり、すごく緊張したんですが、パンパンの客席という素晴らしい景色を見せてもらえたのは大きな経験でした。もっと頑張って、さらに大きなステージを自分たちのバリューでパンパンにできるようなアーティストにならなきゃいけないなと改めて感じたフェスでした。

――8月3日には同じくロッキング・オン主催の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」(以下、「ロッキン」)に出演します。

Novel Core 「JAPAN JAM 2024」の時点では、まだ決まっていなくて、メンバーとスタッフで「『JAPAN JAM 2024』は、ライブとしてはすごく盛り上がったけど、課題もたくさんあったし、この経験をどう夏に繋げられるか」という話をしていたのを覚えています。「JAPAN JAM 2024」が終わって少し経ってからご連絡をいただいたんですが、日本三大フェスの一つに名前が挙がる「ロッキン」に出させてもらえるのは感慨深かったです。こちらも当日は丘の上までお客さんが埋まっていて壮観でした。中でも印象に残っているのがステージ上でのマイクトラブルで。

――どんなトラブルがあったのでしょうか?

Novel Core 「RULERS」を歌っている最中にマイクが声を拾わなくなったんです。そのときにOUTER(※ファンの呼称)も含めて集まってくれたオーディエンスに声で助けてもらいました。普段の単独公演で聴く、みんなの歌声とは捉え方が違っていて。いろんな人たちが混ざり合っている会場で、たくさんの歌声で助けてもらえたのは、アーティストとして自信になりました。

――自然発生的に歌声が広がっていたんですか。

Novel Core そうです。僕の声が拾わなくなったのを、みんなが察して、歌い出してくれたんですよね。本当に歌声のパワーがすごくて、イヤモニを突き抜けて聴こえてきてうれしかったです。

――8月30日は「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2024」(以下、「ラブシャ」)に出演しました。

Novel Core 「ラブシャ」も憧れ続けていた夏フェスで、ずっとアプローチを重ねていたんですが、なかなかお声がかかりませんでした。ところが去年3月3日にスペシャ(SPACE SHOWE)主催の「MAKE A BOOM #6 -sparkle-」というイベントで、秋山黄色くん、須田景凪さんという3マンで対バンさせていただいて。ライブ前にスペシャチームの皆さんから、「『ラブシャ』も検討していますので、今日のライブを楽しみにしています」と言っていただいたんです。それをTHE WILL RABBITSのメンバーにも伝えて、「今まで自分たちがやってきたことをちゃんとやろう」と言って本番に挑んだんですが、その日のライブが終わった直後に、「『ラブシャ』もよろしくお願いします」と直接オファーをいただきました。そういう流れもあって約1年半、「ラブシャ」を楽しみにしていました。

――当日は雨の影響で開催も危ぶまれました。

Novel Core 会場に無事にたどり着けるかも心配でしたし、開催するかどうかもギリギリまで分からない中、スタッフさんたちが水かきなどの作業を頑張ってくださって、お客さんもしんどい中で会場まで足を運んでくれて。いろんなことが重なり合って、無事に開催できたフェスに参加させてもらったので、改めてライブをやらせてもらえる場所があることが当たり前じゃないと強く感じた日でした。

――当日まで開催が議論されるなんて、なかなかない経験ですよね。

Novel Core 同日に開催予定だった別のフェスが中止を発表していて、SNSを見ても、中止にすべきか、開催すべきかで意見が分かれていて、議論は白熱していました。僕としては、その日のMCでも言わせてもらったんですが、こういうときに正解はないと思っていて。開催を決断したフェスも、中止を決断したフェスも、どちらも誰かしらを救っていると思っているんです。僕たちアーティストは、やると決まったからには、その瞬間に全てを届けて、来てくれた人たちはもちろん、来られなかった人たちにも、この決断を正解にできるパフォーマンスをしなきゃいけないと強く感じました。

――7月15日は、昨年に引き続いて「LuckyFes 2024」に出演します。

Novel Core 「ロッキン」が茨城県のひたちなかから撤退するのが決まったときに、この地に夏フェスを残したいという思いから作られたのが「LuckyFes」ですが、企画プロデューサーのDJ DRAGONさんから直々にお声がけをいただいたんです。こんなにアーティスト単位でかわいがってくださるフェスも珍しいですし、すごく期待して応援してくださっているのが伝わってくるし。僕自身も「LuckyFes」の看板と言われるようなアーティストになりたいという気持ちが強くて、特別な思いがあります。毎年出演することで、フレンズ(LuckyFesのファンの名称)たちとも繋がっていきたいですし、バックヤードも含めて、すごく雰囲気の良いフェスなんですよね。

――確かに温かみのあるフェスというか。

Novel Core みんなで一致団結して作っている感覚があるんですよね。あとラインナップが日本に現存するフェスの中で少し特殊な気がしていて、様々な世代の混ざり具合が強いんですよね。個人的なことで言えば、昔から大好きな(相川)七瀬さんが同じ日に出演されていて。僕みたいにルーツがあちこちにあって、あらゆる世代の音楽が大好きという人たちからすると、こうやって混ざり合うフェスが日本にあるのはうれしいことですし、個人的には七瀬さんファンの方々に自分のライブを見てもらえるかもしれないという機会をいただけるなんて滅多にないので、高いモチベーションで臨むことができました。