人に教えることが増えてから、自分のパフォーマンスも伸びている

――BMSG FESを見に来るファンは、箱推しが多いイメージがあるのですが、実際はいかがですか。

Novel Core これは良い意味なんですが、去年と大きく変わったなと思うのは、おそらくBMSG全体を応援していますという人の割合が減っているんです。裏を返すと、BMSGの外で各アーティストのことを知って応援するようになってくれた人たちの数が大幅に増えているタイミングなんですよね。BE:FIRSTしか知らない、Novel Coreしか知らないという人たちが会場にたくさん駆け付けてくれて。それは空気感で感じましたし、大型フェスに出ているときと近しいものを感じる瞬間もありました。全部が全部ホームじゃないからこその楽しさがあったり、自分が引っ張っていきたいという感情が芽生えたりが、今年のBMSG FESでしたね。

――どんなことを考えてソロセクションのセットリストを決めましたか。

Novel Core 今回、各アーティストのセクションはギュッと短めにしてあって、BMSGならではの垣根を超えたコラボレーションなどに多くの時間を割いていました。ソロのセクションで言うと10分あるかどうかだったので、今自分が押し出したいプレゼンスはどこだろうと考えたんです。今年はいろんな大型フェスに出演させてもらって、そこで培ってきた客席とステージ上が完全に一体化する瞬間、アリーナクラスの会場だけどライブハウスのような近しい距離感・熱量でみんなが声を出しながら楽しめる空間というのがあって。BMSG FESでも感情を表に出すのが怖くない空間を作りたかったので、ロック楽曲の「カミサマキドリ」と「No Way Back」、あとラップのスキルを見せたいよねということで「DOG -freestyle-」を入れさせてもらいました。特に最終日はBMSG GAIAが一番目で、僕からのスタートだったので、このセットリストにして良かったなと強く感じました。

――ラップ曲の受け入れられ方はどのように感じましたか。

Novel Core  すごく受け入れてくれているなと肌で感じました。BMSGファンダムは、ヒップホップやラップミュージックに関する理解度が高くて、「楽しい」「面白い」と純粋に興味を持ってくれる人が多いんですよね。それは代表の日髙さんが、ヒップホップカルチャーの面白さを上手く咀嚼しながらBMSGのプロジェクトに活かしてきた成果だと思います。

――BMSG FES以外で、BMSGのアーティストと触れ合う機会は多いんですか?

Novel Core 僕は多いほうだと思います。最近はトレーニーの練習会にも参加させてもらって、ラップのディレクションもしています。日髙さん、Shota、edhiii boi、REIKOとはBMSG POSSEで活動しているのもあって、より距離が近くなって、一緒にいる機会も増えました。去年と比べてBE:FIRST、MAZZELのメンバーともコミュニケーションを取る時間が増えているので、プライベートも含めていろいろな話をしますね。

――BMSGアーティストとコミュニケーションを取ることによって、音楽面で得られるものはありますか?

Novel Core 日髙さんを中心に多角的な視点で意見をもらえるので、自分からは見えない自分がそこにいて。改めてNovel Coreはどういう存在なのかに向き合えることができます。今年は毎日がめまぐるしく過ぎていて、自分自身のアーティスト性や作家性と向き合う時間がそこまで多く取れていなかったんですよね。でも今こそ自分自身と向き合うべきタイミングな気がしていて、大きなブレイクスルーを作るためにも、仲間からのフィードバックは自分にとって大きなプラスになっています。

――他アーティストのディレクションなど、人に教えることによって、自分にフィードバックすることも多いのではないでしょうか。

Novel Core まさしく人に教えることで、普段の自分が何を大切にしてやっているのかが言語化できるんですよね。普段は感覚でやっていることを、人に説明してディレクションするときに、「なるほど、俺はこう考えてやっていたのか」と自分の解像度が上がるんです。それは自分のリリックや歌い方にも関わってきますし、人に教えることが増えてから、明らかに自分のパフォーマンスも伸びているなと感じます。

Information

Novel Core史上初となるアリーナ単独公演 『”BRAIN LAND” at K-Arena Yokohama』 2025年2月11日(火・祝) 開催決定!
公式サイト

Novel Core

東京都出身、23歳。ラッパー、シンガーソングライター。 SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。 高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有する一方で、決してジャンルに縛られることのない特有のスタイルがファンを集め、アルバム作品が各チャートで日本1位を獲得するなど、メジャーデビュー後の短期間で爆発的にその規模を拡大。 Zeppを中心とした大型のライブハウスを周遊する全国ツアーや、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、来年2月には自身初のアリーナ単独公演が決定するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続ける新世代アーティスト。 ミュージシャンとしての存在感を確かなものにする一方で、FERRAGAMOやETROなど、トップメゾンのモデルに起用されるなど、ファッション業界からも注目を集めている。

PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI