和田雅成さんは頼れるお兄さん。僕らのアドリブを軌道修正してくれた
――初回から主演の和田さんと絡むシーンが多かったですが、どんな印象の俳優さんですか。
曽野 猫好きの良い人(笑)。カットがかかるたびに、携帯でネットワークカメラを繋げて愛猫のミヤビちゃんを見ていました。僕らにも見せてくれるので、何度ミヤビちゃんを見たか分からないです。僕らにとっては頼れるお兄さんで、「困ったことがあれば何でも相談して」みたいな感じで、すごく周りが見えているんです。それでいて謙虚・感謝の塊で、こんな人になりたいと思いました。お芝居でも、僕らのアドリブを軌道修正してくれるんですよね。どんなにとっ散らかっても、上手く片付けてくれるんです。
――飯田監督の印象はいかがでしたか。
曽野 誰よりも若々しくて、誰よりも少年の心を持っている方です。監督というよりも共演者に近いというか、友達のような距離感でした。撮影の合間にご飯を食べるときもコミュニケーションを取っていただいて、すごくやりやすかったです。
――演出はどうでしたか。
曽野 こだわりは強いんですが、偶然生まれたものを大切にする方で。ちゃんと狙いはあるんですが、何度も同じことをしても意味がない、みたいな。どんどん新しいものにチャレンジしていく中で良いものが生まれて、それを本編で使うからという感じで、伸び伸びとお芝居をさせていただきました。
――『神様のサイコロ』の撮影は、とてもスムーズだったとお聞きしました。
曽野 何十ページもあるシーンも一連でやるんですが、みんなセリフが頭に入っていましたし、積極的にアドリブも入れていくので、巻く日が多かったです。押す日もありましたが、飯田監督がいいと思ったらOKが出るので全体的に早かったですね。このドラマはモキュメンタリーですが、舞台に近いというか、生っぽさが作品の世界観にも合っていました。
――ファイブカラーズの5人は儀式を行うときも、それぞれがカメラを回していますが、戸惑いはなかったですか。
曽野 M!LKのYouTubeチャンネルなどで、自分たちで動画を回すことも多いので、そこの戸惑いはなかったです。
――黒魔術の儀式を行う場所は、もともと市役所だったそうですね。
曽野 そうなんです。ほとんどロケがなかったので、撮影中はずっとそこに閉じ込められているような感覚で。外の光も遮られていたので、「どこのシーンだっけ」と言い合うことも多かったです。それが役として追い込まれるリアリティにも繋がりました。