『宇宙刑事ギャバン』の銀色のコンバットスーツ姿に一目惚れ

――初めて現場入りしたときは、どんなお気持ちでしたか。

上原 プレッシャーもありましたし、緊張もしていたのですが、現場に入ると皆さん楽しく撮影されていましたし、キャストの皆さんもスタッフの皆さんもすごく仲が良かったので、自分らしく楽しんで参加することができました。もともと初めましての方にガツガツ行けるタイプではないのですが、そういう現場の雰囲気もあってか、「ウイングマン」の撮影中はいろんな方とコミュニケーションを取ることができてうれしかったです。

――特に仲の良かったキャストはいらっしゃいますか。

上原 布沢久美子役の片田陽依ちゃんは待ち時間が一緒になることが多くて。よく二人でしゃべっていたのですが、彼女は虫が大好きなんです。ロケで自然豊かな場所に行くことも多かったのですが、特撮ドラマで爆破シーンを撮るときによく使われる栃木県の岩船山に行ったときは、山奥なので虫がたくさんいて。カメラで1匹ずつ撮影して記録していましたし、ロケバスで待機中に独特なビジュアルの虫が入ってきたのですが、そのときも素手で虫を掴んで可愛がっていたので、面白い子だなと思いました(笑)。

――広野健太役の藤岡真威人さんはどんな方でしたか。

上原 初めてお会いしたのが、本読みのときだったのですが、藤岡さんがお部屋に入られて、「おはようございます」と言った瞬間に、部屋がぱっと明るくなったんです。普段から主人公のオーラを持った方でした。主演なので、撮影中も大変なことがたくさんあったと思うのですが、いつお会いしても明るくて、私たちにもスタッフさんにも積極的に声をかけてくださって。私と同じ年なのですが、見習わないといけない部分がたくさんありました。

――間近でスーツアクターの方々が演じるアクションシーンを観た感想は?

上原 立ち方1つとってもヒーローそのものでかっこよくて。桃子を演じるために観た特撮ドラマのヒーローが目の前にいるんだと思うと感動しましたし、ヒーローオタクの理解度も深まって、より熱を持って桃子を演じることができました。

――「ウイングマン」の出演をきっかけに特撮ドラマ自体が好きになったんじゃないですか。

上原 好きになりましたし、戦隊ヒーロー物に出てみたい気持ちも芽生えました。

――いろいろ観た特撮ドラマの中で、特に良かった作品を挙げてください。

上原 やっぱり『宇宙刑事ギャバン』はかっこいいですね。最近の戦隊ヒーローはカラフルな作品が多いという印象だったのですが、初めて銀色のコンバットスーツに身を包んだギャバンを観たときから一目惚れして。「ウイングマン」の撮影中はギャバンを携帯の待ち受けにしていました(笑)。

――「ウイングマン」に出演して、お芝居以外で、どんな学びがありましたか。

上原 主演の藤岡さんと、ヒロインのアオイを演じた加藤小夏さんは、いつ見ても明るくて。周りを楽しませようという気持ちが伝わってきましたし、誰に対しても分け隔てなく声をかけられていました。私も主演やヒロインをやらせていただけるときが来たら、こういうふうになりたいなと思いました。

――桃子が初登場する4話で注目ポイントをお聞かせください。

上原 特撮ヒーローを大好きな人が観ても興奮するワードを言って、初登場から強烈なインパクトを残すと思うので、何を言っているのかに耳を傾けてみてください。あと桃子が着ている私服の衣装があるのですが、そこにもスタッフさんたちの特撮愛がにじみ出ています。「このTシャツあれじゃん!」と気付く方も多いと思うので、桃子の衣装にも注目してください。

――ここからはキャリアについてお伺いします。お芝居に興味を持ったきっかけを教えてください。

上原 小学校高学年ぐらいから、よく親が映画館に連れて行ってくれたんです。そのときに私も映画に出て、お芝居をやってみたいという気持ちが芽生えていきました。父と二人で観に行くことが多かったのですが、邦画が中心で、小中学生が好きな胸キュン映画にも一緒についてきてくれました(笑)。

――当時観た映画で、特に印象的な作品は?

上原 是枝裕和監督の『海街diary』(15)です。それまで観てきた映画とは違った色を感じて、衝撃を受けて。小学生だったので、作品の中に込められた意味までは考えられていなかったのですが、すごく映像も綺麗だし、生活の一部を切り取ったような描写が、登場人物たちの姿を覗き見しているみたいな感覚があって新鮮でした。いまだに『海街diary』の聖地巡礼で鎌倉に行きます。

――上原さんは中学1年生で芸能活動を始めますが、ご家族は賛成だったんですか。

上原 私が芸能活動に興味を持って、「やりたい」と伝えたら、一緒にオーディションを探して、応募してくれました。面接も一緒についてきてくれましたし、ずっと応援してくれています。