アジアツアーやアコースティックツアーに初挑戦

――今年はライブやリリースなど音楽活動が特に充実した1年だったのではないかと思いますが、振り返ってみていかがでしょうか?

山本彩(以下、山本) 前半は連続配信リリースがありましたし、初めてのアジアツアーやアコースティックツアーもできて、さらに、対バンツアーも控えています。改めて振り返ってみても、とても濃い1年だったなと思います。昔から思い描いていたこと、いつか挑戦したいと思っていたことがたくさん形にできた1年でした。

――アジアツアーやアコースティックツアーだけではなく、ホールツアーがあったり、『UNI9UE PARK’24』といった野外フェスにも参加されたりしていましたが、特に印象に残っているライブを挙げるとしたら、どのライブでしょうか?

山本 もちろん、それぞれにとても濃い思い出が残っていますが、ひとつ挙げるとしたら、アコースティックツアーかなと思います。今年前半のホールツアーでは、これまでの山本彩の集大成のようなライブをお届けして、一方、後半のアコースティックツアーでは、今まで楽器や音を足してきたところから、逆に削ぎ落としていったライブだったりもしたので、未知の領域への挑戦だったなと思っています。今まで他の人にサポートしてもらっていた部分を自分でやらなければいけなかったので、とても大変でした。

――アコースティックツアーは、ギタリストでシンガーソングライターの弓木英梨乃さんと2人だけで回ったのですね?

山本 実は、弓木さんとは完全に初めましての状態からスタートしたんですけど、全く慣れていない人と、慣れないことをやるというのがとても新鮮で面白かったです。リハも2回だけで、3回目にお会いした時はもう本番といった感じでした。

――弓木さんからは、色々な刺激も受けたのではないでしょうか?

山本 演奏の面では、お任せしてしまうところが多かったんですけど、普段一緒に演奏しているバンドメンバーとは、また違ったライブでのアレンジやアプローチの仕方、フレーズやテクニックを見て、プレーヤーとしての発見もたくさんありました。あと、弓木さんにはハモリをお願いしたんですけど、それがとても素敵で、シンガーソングライターとしてのリスペクトの気持ちも強く抱くようになりました。とにかく、私が思いつかないようなたくさんのアイデアや発想をお持ちの方でしたし、今までお互いに知らなかったからこそ生まれる関係性というか、音のやり取りなどもあったりして、2人での演奏は本当に楽しかったです。

――そして、今年はさらに対バンツアーも控えています。これもいつかやってみたいと思い描いていたことだったのでしょうか?

山本 対バンは、もう2年前くらいからずっとやりたいと言い続けてきました。タイミングや対バン相手などを熟考している間に時が経ってしまい、今年になってようやく実現した形です。今年1年間、色々なライブを経験してきた流れの中で、最後にこの対バンツアーを行えるというのはとても嬉しいことだなと思っています。アジアツアーやアコースティックツアーは、自分の中で完結できる新しい挑戦だったので、さらに一歩外に飛び出して挑戦していきたいという思いで、対バンツアーを企画しました。楽曲制作の面では、他のミュージシャンの方とご一緒したり、アレンジしていただいたりといったコミュニケーションを取ることはありましたけど、ステージなど表舞台でご一緒するという機会はあまり多くはなかったので、自分の成長のためにも、対バンはもっと積極的にやっていきたいことでしたし、音楽の波に自分がノッていると思える今のタイミングでこそやりたいなという思いもありました。

――対バン相手は、阿部真央さん、SCANDAL、ACIDMANという3組です。山本さんにとっては、思い入れが強く、関係値も深い方達だと思いますが、対バンツアーを控えた今の心境はいかがでしょうか?

山本 もう純粋に嬉しい気持ちと楽しみな気持ちでいっぱいです。対バンというと、少し畏まってしまうところもあるんですけど、関わりがあり、お世話になっている方々ですし、自分がずっと好きで聴いてきた方々だったりもするので、そんな皆さんとご一緒できるというのは、シンガーソングライターとしても、いちファンとしてもとても楽しみです。