上田監督が見出した面白味というものを味わっていただきたい

――完成された映画をご覧になっていかがでしたか?

川栄 すごく面白かったです。私は、撮影では詐欺師たちと関わるシーンがなくて、熊沢さんと詐欺師たちのお芝居の空気感を全く知らなかったので「こんなことをやってたのか!」とびっくりした部分もあります。

内野 そうか。川栄さんは現場では詐欺師たちには一切触れていないんですね。

川栄 私の出演シーンはお堅い税務署でほとんど完結していたので、みんなはこんなにわちゃわちゃしていたんだなあって。

内野 川栄さんのシーンは、わちゃわちゃ感はゼロでしたもんね。

川栄 その対極のような、シリアスな税務署の現場でした。

内野 この映画、コメディだったんだよ(笑)。

川栄 鑑賞して初めてそれを実感しました(笑)。もちろん台本を読んで、どんなシーンがあるのかは把握していましたが、実際に皆さんの動きが付くと熊沢さんや詐欺師の方々が団結していく様子が面白くて、観ながらずっと笑っていました。

内野 僕は鑑賞して改めて「ちゃんとオモシロ映画にしてくれて上田監督ありがとう」と思いました。撮影中はいろいろとハプニングもあったけど、完成した映画はスピード感やテンポが良くて、飽きさせない展開に上田監督の独特のユーモアやセンスが含まれていて、ハラハラドキドキがいっぱいある。この映画でみんなが楽しんでくれたらいいなあと思いながら観ました。

――最後にこれから映画をご覧になる皆さまにメッセージをお願いいたします。

川栄 個性の強いキャラクターがたくさん登場して、観ている側が最後まで騙されるような展開で、とにかく面白いです。それぞれのキャラクターが彼らなりの正義を持っていて、正義とはなんだろうと考えさせられる映画でもありますので、楽しんで観ていただければと思います。

内野 公務員が詐欺師と組んで脱税王に税金を払わせるというフィクションですが、そのフィクションをどれだけ楽しんでいただけるか、というテーマで現場でも頑張ってきました。堅苦しく考えずに、上田監督が見出した面白味というものを味わっていただければうれしいです。

Information

映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
11月22日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

出演者:内野聖陽/岡田将生/川栄李奈/森川葵/後藤剛範/鈴木聖奈/真矢ミキ
    皆川猿時/神野三鈴/吹越満/小澤征悦
監督:上田慎一郎
脚本:上田慎一郎/岩下悠子
主題歌:「名前を忘れたままのあの日の鼓動 feat.峯田和伸」KERENMI
配給:NAKACHIKA PICTURES  JR西日本コミュニケーションズ
©2024アングリースクワッド製作委員会

公式サイト

内野聖陽

1968年9月16日生まれ、神奈川県出身。1993年俳優デビュー。1996年にNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」に出演。同年『(ハル)』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。数多くの舞台、映画、ドラマに出演し、人気と実力を兼ね備えた演技派俳優として幅広く活動する。近年の主な出演作に、ドラマ「とんび」(2013/TBS)、「真田丸」(2016/NHK)、「きのう何食べた?」(2019/TX)、「ブラックペアン シーズン2」(TBS)、映画『劇場版 きのう何食べた?』(2021)、『鋼の錬金術師』シリーズ(2022)、『春画先生』(2023)、『八犬伝』(2024)などがある。

川栄李奈

1995年2月12日生まれ、神奈川県出身。2015年にAKB48を卒業し、以降俳優として数々のドラマや映画などに出演。2019年映画『人魚の眠る家』で第61回ブルーリボン賞助演女優賞にノミネート。近年の主な出演作に、ドラマ「青天を衝け」(2021/NHK)、「カムカムエヴリバディ」(2021/NHK)、「となりのナースエイド」(2024/NTV)、映画『変な家』、『ディア・ファミリー』(2024)、舞台『千と千尋の神隠しSpirited away』(2024)などがある。

PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:YUKINA OHTANI,HAIR&MAKE:KUMI,STYLIST:武久真理江