ファッションの仕事をもらうために始めたスナップ投稿 | Novel Coreの “WELCOME TO MY BRAIN” vol.8 「ファッションについて発信し続けるのはファンにも興味を持って好きになってほしいから」

ファッションの仕事をもらうために始めたスナップ投稿

――その後、数多くのブランドとお仕事するようになります。

Novel Core 　大好きなディーゼルと繋がりはできたんですが、まだアーティストとしての知名度はゼロだったので、当然モデルや広告のお仕事はもらえるはずもない。だったら、もうちょっとアンダーグラウンドなところから攻めようと思って、「Droptokyo」や「FASHIONSNAP」などスナップ系のメディアさんに取り扱ってもらえる状況を作ろうと考えたんです。メディアの傾向を見て、ファッションがとにかく好きだというアピールをしなきゃ駄目だと思って、ディーゼル以外の洋服も含めてコーディネートを組んで。デジカメが使える友達に1万円渡して家の近くまで来てもらって、自分がコーデした私服の写真を撮ってもらったんです。そのスナップを、いろんなブランドのタグを付けてインスタに上げていくというのを始めたら、少しずつファッション好きなモデルの子やPR系の方、キャスティング系の方がフォローしてくれるようになって。その流れでDroptokyoさんから「スナップを撮らせてほしい」という連絡がきたんです。

――まさに狙い通りですね。

Novel Core 　 Droptokyoさんからいただいた一発目のスナップ企画が、ヒステリックグラマー（HYSTERIC GLAMOUR）とのタイアップ企画で。ヒステリックグラマーのダウンジャケットを着て渋谷で撮影するということで、洋服のフィッティング込みでプレスルームにお邪魔することになったんです。もちろんヒステリックグラマーも大好きなブランドなので、「ファッションが大好きで、モデルのお仕事もしたいから、一年前からスナップを上げるようになって。ヒステリックグラマーさんはずっと好きで、この時期のこういうルックが好きでした」という話をヒステリックグラマーのPRの方に熱弁したんです。そしたら後日、ヒステリックグラマーからモデルのお話をいただいて。さらにPRの方が繋がっている別のブランドさんからイベントのオファーが来て。そのイベントで繋がった人たちに名前を覚えてもらうために名刺を渡し、それをきっかけに連絡が来て、新たに広告モデルのお仕事が来てと、どんどん活動の場が広がっていって、定期的にファッションの仕事をいただけるようになりました。

――草の根活動というか、地道な積み重ねが実を結んだんですね。

Novel Core 　まだ海外のファッションシーンに飛び出したことはないので、国内に限っての話なんですが、日本のファッションシーンで顔と名前を覚えてもらうのは、音楽シーンの何倍も苦労しました。というのもファッション業界は、モデルさんもいれば、ファッションのお仕事をしているインフルエンサーの方もいるし、僕のようなアーティストの人たちもたくさん関わっている。あまりにも人口が多いので、一度会っただけでは、なかなか覚えてもらえないんです。だから行った現場行った現場で、見覚えのある方には自分から声をかけに行って、名前を覚えてもらうのに必死でした。とにかくファッションが好きというのを伝えたかったので、必ず連絡先を交換して、帰った後に必ず連絡を入れて。「このブランドと、こういうお仕事をしたいんです。いつか機会があったら連絡ください」と図々しいぐらい自分から売り込みをしていました。

――そういう売り込みができたのも、付け焼刃ではなく、ちゃんと基礎となる知識があるからですよね。

Novel Core 　確かにファッション系のイベントでPRの方々などと話している中で、自然と出てくるファッションの知識や、そのラインが好きだった理由など、僕の意思が明確に伝わるタイミングをたくさん作ったことで、それが良いフックになって覚えてもらえるようになったのは大きいかもしれません。今も自分のポリシーとして貫いているのは、ファッションイベントなどに参加させていただいたとき、SNSに投稿する際にイベントの詳細だけではなく、ブランドのラインに対して思ったことなどを、自分の言葉でキャプションとして必ず残すようにしています。なぜかと言うと、僕のファンの子たちにも、そういうところからファッションに興味を持って好きになってほしいからです。あと大きなお仕事をご一緒させてもらったブランドさんのプロダクトは、必ずお仕事が終わった後、ギフティングなどに甘えず、自分のお金で買い物に行くのもポリシーにしています。

――ファッション方面でのビジョンをお聞かせください。

Novel Core 　めちゃくちゃ大きな展望というか、将来設計みたいなところでいくと、ゆくゆくは自分でアパレルをやりたい気持ちがあります。ただ本当に好きなものだからこそ、中途半端にはやりたくなくて。自分の中でミュージシャンとしてのキャリアを完成形まで持っていけたと実感できて、プロデュースなどの裏方に回るタイミングで、その分のカロリーをファッションブランドの設立などに使いたいなと思っていて。セカンドキャリアとしてそういうことをやりたいと考えています。直近で言うと、今後もいろんなファッションブランドさんとお仕事をしていきたいですし、まだ海外のショーを直で見たことがないので、本国のショーを見られるような状態にしたいです。

PHOTOGRAPHER：TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER：TAKAHIRO IGUCHI