風間俊介さんの力の抜け方は自分にできないことだし尊敬している

――今回の座組を聞いたときの印象をお聞かせいただけますか。

松岡 風間俊介さん、笠松はるさん、那須佐代子さんと錚々たる役者さんたちで、演劇をよく観ている僕からしたら、その中に入れることが純粋にうれしかったです。ただ初めての本読みはプレッシャーで、スタジオに入るまではかなり緊張しました(笑)。ただ入ってしまうと覚悟も決まって、自分の気持ちを出すことができましたし、楽しみながら本読みができました。

――松岡さんは事前のコメントで、4人芝居へのわくわく感や、キャストの人数が少なければ少ないほど燃えるということを仰っていました。

松岡 以前『スリル・ミー』という2人芝居をやったときに、演出の栗山民也さんが「2人芝居は究極の演劇形態だ」と仰っていて。確かにボクシングの殴り合いみたいなところがあり、映像と違ってお客さんは視線の寄り引きを自由にできて、その対象は2人しかいない。『スリル・ミー』はピアニストの方もいたのですが、その状況が非常に刺激的で楽しかったんです。これが3人芝居だと、たとえば2人が議論を交わしているとするなら、残りの1人はもう一つ違う視点で入ることができます。4人芝居になると、2で割り切れる数ですから、善悪といった二元論にも分けやすいし、選択肢が増えます。今回、僕は那須さん演じるダリルの祖母リタと会話するシーンがないので、厳密には2人の方と芝居をするのですが、祖母と孫という関係も芝居をせずとも見えるように作りたいなと思っています。また、冒頭から風間さんと2人で会話の応酬があるので、とても楽しみです。

――風間さんの役者としての印象はいかがですか。

松岡 役というと、どこかまとう感覚があると思うのですが、風間さんからはそれを感じなくて。「お芝居」という言葉の通り、ただただ芝の上に居るような良い意味での脱力感があって、すーっと芝居が入ってくる。あの力の抜け方は、まだまだ自分にはできないですし、尊敬しています。稽古では、全てを受け止めてくれるような包容力も感じました。

――ここからはキャリアについてお伺いします。芸能活動を始めて、どれぐらいですか。

松岡 11歳で始めて、今年で16年です。

――どういうきっかけで、この世界に入ったのでしょうか。

松岡 小学2年生のときに、テレビでアイドルの方が歌って踊っている姿を観て、かっこいいなと思いヒップホップダンスを始めたのですが、その方向では上手くいかなくて。そんなときにテレビで俳優さんのお芝居を見て、役者さんってすごいな、面白そうだなと思ったんです。それで俳優を目指して、アミューズのオーディションを受けたら合格しました。

――お芝居に抵抗はなかったんですか。

松岡 自分というものを表現するのがダンスからお芝居になったというだけで、あまり抵抗はなかったです。むしろお芝居のレッスンが面白くて、精力的に通っていました。