これをやりたいと決めたら真っ直ぐになる

――2009年に「第24回MEN’S NON-NOモデルオーディション」でグランプリを受賞し、高校3年生で同誌の専属モデルになります。中学・高校でインプットしたものが、モデル活動でも活きた部分はありますか。

栁 あります。カルチャー好きだったとはいえ、部活中心の毎日だったので、リアルタイムで流行っている音楽やファッションは追えていなかったんです。だからモデルになったときに、あまり世間のことを知らないなと思って。ただ好きなものは、ずっと掘っていたから、自然と志向が昔のものになるんですよ。そうすると他のモデルとは違った面白いキャラクターという認識が広まって。そこから髪を伸ばすようになって、バンダナを巻いてという自分のスタイルに繋がって、モデルという職業をする上で良いスパイスになりました。

――その辺のスタイルは高校を卒業して、上京した後も変わらなかったんですか?

栁 変わらなかったですし、ロンドンに行ってヴィヴィアン・ウエストウッドの一号店を見に行ったり、パンクバンドをやっている友達と仲良くなってライブハウスに通ったり、よりフォーカスするようになりました。

――東京にはすぐに順応できましたか。

栁 そうですね。専属モデルになりたての頃は、まだ高校生で地元から通っていたから、先輩もかわいがってくれるんですよ。いろんなところに連れて行ってもらいました。

――東京に行くことが増えて、地元にいる違和感みたいなのはなかったんですか。

栁 地元の友達と過ごすのも楽しかったし、東京は東京で刺激的で。高校3年生だったので、最後の高校生活を楽しみたいなという気持ちも強かったですし、東京に行くのは週1ぐらいのペースでちょうどよかったです。

――モデルになった時点で芸能の世界に行く気持ちは固まっていたんですか。

栁 固まっていました。スポーツしかやってこなかったから、勉強もできなかったですしね(笑)。一応、大学はスポーツ推薦で入ったんですが、本当は行きたくなかったんです。モデルや俳優でやっていくのに学歴が必要なのかという疑問もあったし、どうせ辞めるだろうなと。案の定、すぐに中退しましたしね。今思えば、大学で吸収できるものもたくさんあっただろうけど、当時は器用に考えられなかったんですよね。これをやりたいと決めたら真っ直ぐになるので、決断は早かったですね。

――最後に今ハマっていることを教えてください。

栁 長くファッション業界にいると、ファッションを楽しむ感覚がなくなっていくんですよ。仕事ってなっちゃうと、本当に自分が好きなものはなんなんだろう……みたいな。しかも男性って年を取ると、見かけじゃなくて違うところに興味がいきがちじゃないですか。自分もそうなりかけていたんですが、最近ちょこちょこ仕事で海外に行く機会が増えて、良い刺激をもらっているんです。おそらく一周したんでしょうね。またファッションって面白い、そういう仕事もガンガンやりたいという気持ちになっていて。料理好きだし、犬も好きだし、ちょっと前までは、ほんわかした休日を過ごすのが好きだったんですが、アクティブなことをしていきたいですね。

Information

『他人は地獄だ』
全国公開中

出演:八村倫太郎(WATWING) 栁俊太郎
岡田結実/三浦健人 青木さやか 大倉空人 鈴木武 松角洋平 星耕介/日比美思 大野泰広 本多遼/濱津隆之 /萩原聖人ほか

原作:『他人は地獄だ』ヨンキ(「LINEマンガ」連載)
監督・脚本:児玉和土
配給:イオンエンターテイメント
企画製作:映画「他人は地獄だ」製作委員会
©︎ヨンキ/LINE Digital Frontier・2024 映画「他人は地獄だ」製作委員会

地元での生活に閉塞感を覚えていた青年ユウは、上京して恋人のメグミを訪ねる。ユウは同棲したいことを伝えるが、突然の訪問に困惑した態度をとるメグミとは結局ケンカになってしまい、行く当てを失くしてしまう。そして、ユウは格安シェアハウス「方舟」に流れ着く……。そこにはヤクザ風の粗暴な山口、いつも卑屈な笑顔を浮かべているマル、妙に愛想がいい管理人のよし子、挑発的な言葉を投げかけるゴロ―、そして言葉遣いは丁寧だが、得体のしれないキリシマなど一癖のある入居者と出会う。入居した夜、山口とマルの口論を目撃したユウ。その翌朝には「方舟」から突然、山口の姿は消えていた。まだ半年はここにいると山口から聞いていたユウは言い知れぬ不安を覚える。やがて入居者たちの不気味な行動や会話からある疑惑が思い浮かぶ。それは…彼らは新たに入居してきた人間を殺害しているのではないというものであった。はたして入居者たちの正体とは?ユウはこの地獄のような場所から無事抜け出すことはできるのか?

公式サイト
Instagram
X

栁俊太郎

1991年5月16日生まれ。宮城県出身。2009年、第24回MEN’S NON-NOモデルグランプリを受賞し、モデルデビュー。2012年、映画『ヴァージン「ふかくこの性を愛すべし」』で俳優デビュー。近年は実写化された映画『ゴールデンカムイ』(2024)をはじめ、『カラダ探し』(2022)、『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』(2023)、『バジーノイズ』(2024)など話題の作品に出演。ドラマでもNHK大河ドラマ「どうする家康」をはじめ、「けむたい姉とずるい妹」(23/テレビ東京)、「夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2」(24/テレビ東京)などに出演。今年10月にはドラマ「ゴールデンカムイ -北海道刺青囚人争奪編-」の放送が控えている。

PHOTOGRAPHER:TAISHI OGIWARA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,ヘアメイク:望月光(ONTASTE),スタイリスト:伊藤省吾(sitor)
◆衣装協力
・ブルゾン¥59,400 ・Tシャツ¥18,700 ・パンツ¥39,600/メイカム、他スタイリスト私物※全てプライスは税込み価格になります。
(問い合わせ先)メイカム info@maykam.jp