みんなで一緒に旅をしていたような気分だった『ゾン100』

――Netflix映画『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』(以下、『ゾン100』)のオファーがあったときは、どんなお気持ちでしたか。

栁俊太郎(以下、栁) あまり自分がやったことのない3枚目キャラだったので、楽しみでありながら、大丈夫かなというプレッシャーがありました。しかも世界に配信されるNetflixで、壮大なスケールの作品ですからなおさらでした。

――ゾンビ映画ではありますが、非常にリアリティのある内容でした。

栁 ゾンビの世界で生きている人たちって傍から見ると面白いから、笑えるシーンが多いんですけど、この世界にいる当事者たちは本気で生きています。石田雄介監督は熱い方なので、ひたすら現場では本気で、熱さ全開で演技指導してくれましたし、僕自身も「リアルな世界だったら、こうですよね」と提案もさせていただきました。実際、『ゾン100』は海外のゾンビ映画と違って、武器が出てこないんですよ。身近なものでゾンビを対処するところもリアルだし、そういう設定もあって、自分の日常にゾンビがいたらとリアルに考えることができました。

――栁さん演じるケンチョは友情に厚い一方で、チャラい部分もありますが、役作りでどんなことを意識しましたか。

栁 人間的には僕とかけ離れてるというか、ここまで僕はネアカではありません。だからケンチョになりきって、いろんなスタッフさんと現場で触れ合おうと思って、いつも以上に話しかけたり、明るく振舞ってみたりしていました。撮影期間は約3か月間だったんですが、そうやって常に高いテンションをキープできるように意識しました。どうしても集中が切れるとシュンとなって、普段の落ち着いた自分が出てしまうんです。そうすると言葉を発したときにトーンも全然変わってくるんですよね。

――ケンチョになり切ることで、いつもと違う部分はありましたか。

栁 今までよりもキャストさん、スタッフさんと仲良くなれた気がします。勇気を持ってコミュニケーションを取らないと、人って一定の距離から近づけなくなるじゃないですか。それが『ゾン100』では、役柄を通して近づくことができたなって。だからクランクアップのときはウルっときましたね。ロケも多かったですし、みんなで一緒に旅をしていたような気分だったので、すごく濃い3ヶ月でした。

――ゾンビに追いかけられるシーンが多いですけど、どういう気持で演じられていたんですか。

栁 ケンチョはすごいビビリなので、僕自身もひたすらビビッてました。ゾンビは怖いものだって思いこまないと、あの芝居はできないと思います。でも現場で見ると、実際に気持ち悪いんですよ。群馬の古いアパートで撮影したとき、夜遅くにトイレ行ったら、メイクをした状態のゾンビ役の方とすれ違って、ドキッとしました。「すいません」と謝ってくれたんですけど、「いやいや、こちらこそすいません」と(笑)。

――主人公の天道輝(テンドウアキラ)を演じた赤楚衛二さんの印象はいかがでしたか。

栁 赤楚くんとは3回目の共演だったので、普段の彼も知っているし、本当にあのまんまなんですよね。アキラと近いというか、ずっとニコニコしているし、ザ・好青年です。過去の共演では、ここまで深く関わることがなくて。今回は役柄的に深い関係性があるから、一緒に過ごすことが多かったし、より親密になりました。赤楚くんも「この撮影は本当に楽しいです。マジで終わりたくないです」と言ってたのがうれしかったですね。

――輝、ケンチョと行動を共にするヒロイン三日月閑(ミカヅキシズカ)を演じた白石麻衣さんの印象はいかがでしたか。

栁 お綺麗ですし、もともとトップアイドルでカリスマ性があるし、ちょっと近寄りがたいような“静”のイメージがあったんです。でも実際に話しかけると、すごくノリが良いタイプ。エンジンがかかり始めると、すごくフランクで明るい方なんです。そこまでの関係になるには、ちょっと探る期間もありましたけど、良い意味でギャップがあって、やっぱり愛される人だなという印象を受けました。

――距離感が近くなったきっかけはあったんですか。

栁 3人で旅する過程で、温泉に入ったり、キャンプファイヤーをしたり、湖でサップヨガをしたりするシーンがあるんですけど、関係性を作り上げるためにも、もっと3人で仲良くならなきゃいけないと。それで僕、赤楚くん、プロデューサーの森井さん、石田監督と話し合って、「白石さんではなく、麻衣ちゃんって呼ぼう」ということになったんです。ただ僕と赤楚くんから切り出すのは違うかなという話になって、翌日、森井さんが「おはよう麻衣ちゃん」って挨拶をしたんです。それにならって、僕らも次々と「おはよう麻衣ちゃん」って挨拶をして。後で麻衣ちゃんに聞いたら「急にどうしたの?」って戸惑ったらしいです(笑)。でも、そのおかげで仲良くなれたんですよね。だから、先ほどお話したシーンも本当に友達同士で旅行に行ってるような感覚で青春を感じましたし、楽しく撮影することができました。