アニメのキャラクターがファンの入り口に。声優とアーティストは切り離せない | 岡咲美保 「声優として世界観の濃いアニメに関わることが、アーティストとしての表現力にも繋がっている」INTERVIEW

アニメのキャラクターがファンの入り口に。声優とアーティストは切り離せない

――3曲目の「絆創膏」はリリックビデオも公開中です。ハッピーな前半2曲とは対照的な心に響く感じの楽曲ですが、この曲についてはいかがでしょうか？

岡咲　1stアルバム「BLOOMING」で「Rainy Smiley」というバラードを書いていただいた40mPさんにまた曲を書いていただきたい！というところから始まっています。40mPさんは、恋愛ソングで代表曲をたくさん持っている方なので、今の時期だからこそアーティストとしてもっと踏み込んでみたいとお伝えしたところ、神曲といえる恋愛ソングを書いていただけて、本当に嬉しい限りです。

――リリックビデオを見ると、より歌詞が沁みる感じがしますが、岡咲さん的にこの曲で意識したことなど教えてください。

岡咲　この曲の主人公として歌ってしまうと、くどくなってしまうなと思って…。何回も繰り返して聴いてくださる方を主人公に立てたいという思いがあったので、物語の語り部という意識を忘れずに歌うよう意識しました。サウンドは意外と爽やかな部分も残して作っていただいたので、そこに乗って歌うのはなかなか難しかったです。でも、この曲はライブで化ける曲だなとも思っていて、音源では割とフラットな語り部視点で歌っていますけど、ライブでは感情を乗せて歌ってみてもいいんじゃないかなと思っています。

――夏には3rdワンマンライブが決まっていますが、今回のシングルの3曲がどのようにセットリストに組み込まれるのかとても楽しみです。昨年からワンマンライブを重ねてきて、次の3rdワンマンでトライしてみたいことや意気込みなど是非聞かせてください。

岡咲　これまでの2回のワンマンライブで、岡咲美保ファンの皆さんは楽しい！ということを素直に表してくださっているなと感じました。そんな皆さんに応えやすい楽曲、ペンラ曲やコール曲など体を揺らせる曲が増えてきた中で、それだけじゃない「絆創膏」のような曲やダークな曲もあるので、人も心も会場ごと揺らしていきたいという思いで、「ハートシェイキング」というタイトルにしました。

――ハートシェイキング、素敵なタイトルですよね。

岡咲　嬉しいです。実は、30秒くらいでパッと降りてきたタイトルなんです。作家さんの皆さんも私の意見を尊重してくださるので、去年の楽曲タイトルもだいたい自分で決めさせていただいています。タイトルを考えたり、思っていることを言語化したりするのは、去年1年間でかなり鍛えられたのかもしれません（笑）。

――ここまで、とても貴重なお話がたくさん聞けて良かったです。最後に、岡咲さんの中で「声優」と「アーティスト」という2つのお仕事をそれぞれどう捉えているか、2つのお仕事がどう繋がっているのか？そんなお話を聞かせてください。

岡咲　切っても切り離せないものですね。声優を目指す前から、奈々さんのことが憧れだったので、声優だけじゃなくて歌うことも仕事にしたいという思いがありました。自分の中では、声優だけで歌は歌わないという選択肢はなくて…。ありがたいことに、今は声優とアーティストの2つのバランスが取れていて、この2つがないと岡咲美保というところに上手く帰って来られないのかなと思っています。ステージに立っている時は、楽曲の良さを伝えるだけじゃなくて、歌詞の表現の仕方も色々あると思っているので、それは普段の声優活動で世界観が色濃く表現されるアニメに関わっているからこそできていることだなと思っています。アニメでは時に振り切って表現することもありますので、声の使い分けなど、アーティストとして色々な楽曲を歌う上でも生きているなと思います。声優としてキャラも性別も人種も乗り越えて表現していることが、アーティスト活動にも繋がっているなと思いますね。

――絶妙なバランスで成り立っているということが伝わってきました。

岡咲　私のファンの方は、アニメのキャラクターで岡咲美保を知ってくださったという方が多いです。『転スラ』のリムルだったり、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』の市川雛菜だったり、入口は違えど、ファンの方との最初の出会いは絶対に声優活動なので、声優をしている時間は自分にとっても大事ですし、ファンの皆さんにとってもこれからも軸となる部分なので、今後もどちらかを疎かにするようなことはしたくないと思っています。

――最後の最後まで、芯の強さを感じさせるコメント、ありがとうございました。

岡咲　ありがとうございました。皆さん、7月13日の3rdワンマンライブ『Miho Okasaki 3rd LIVE 2025 ～ハートシェイキング～』、KT Zepp Yokohamaでお待ちしています！

PHOTOGRAPHER：HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER：ATSUSHI OINUMA,HAIR&MAKE：MINAKO NARABAYASHI（fringe）,STYLIST：MAYUMI HOSODA