ずっと一人でいたい気持ちが強かった学生時代

――コスプレイヤーの原点からお聞かせいただけますか。

かれしちゃん 「プリキュア」シリーズが大好きで、ずっと魔法少女を追っかけていたら、小学生のときに『魔法少女まどか☆マギカ』に行き着いたんです。

――小学生が見るにはヘビーなアニメですよね。

かれしちゃん けっこう苦しい場面があるじゃないですか。そこに惹かれて、こういうのが好きなのかもしれないと思って、どんどんアニメにのめり込んでいきました。後に美樹さやかちゃんという子のコスプレをしたこともあります。あとはゲームですね。『ラブライブ!』などをきっかけにゲームが好きになって、ソシャゲのキャラクターにハマっていきました。

――人前に出るのは、小さい頃から好きでしたか?

かれしちゃん 得意か不得意かで言ったら、不得意でした。ずっと一人でいたい気持ちが強くて、「自分から関わることもないから、みんなも関わらないで欲しい」みたいな学生生活を送っていたんですよね。

――あんまり自分のテリトリーを侵されたくないみたいな。

かれしちゃん そんな感じですね。友達が欲しいと思ったこともないですし、基本的に学校では一人でした。昼休みに一人でお弁当を食べることに抵抗もなかったですし、それが寂しいとかもなくて。家でもインターネットばかり見ていました。

――アニメとゲーム以外でハマっていたことはありましたか?

かれしちゃん 高校生のときは推し活ですね。ネット上で仲間を作って、みんなでライブに行くとか、そういうことはしていたんです。

――ライブというと?

かれしちゃん ボカロPさんとかそっち系で、ザ・ネットオタクみたいな(笑)。ニコ動も大好きでした。そうやってボカロPさんのライブに足を運ぶ中で、みんなを楽しませるような職業っていいなとちょっとだけ思ったんですよ。当時は本気で目指していたわけではないですけどね。

――コスプレイヤーの萌芽はその辺にあったんですね。コスプレを始めたきっかけは?

かれしちゃん お母さんの影響です。お母さんもオタクで、裁縫が好きで、僕に衣装を作ってくれたのが始まりです。

――お母さん自身がコスプレをするわけではなく?

かれしちゃん 着用はしないんですけど、作るのが好きで。小さい頃からマフラーなどの小物を作ってもらっていたんですが、その延長線上で「コスプレやる?」みたいな。今もお母さんと共同で衣装を作っています。

――お互いの趣味も近かったのでしょうか。

かれしちゃん 近かったです。同じアニメを観ることもあります。ただ母親はジャンプ系やバトル系が好きなんですよ。僕はあんまりそういうのを好んで見ないので、たまにお互いの推しアニメを交換するんです。お互いの好きが合致したのは『亜人』ぐらいですね。

――たとえば、それぞれどんなアニメを勧めたんですか?

かれしちゃん 普通は親に勧めちゃいけないようなグロい作品を勧めていた気がします。たとえば『パブリカ』を作った今敏監督の『妄想代理人』とか。お母さんに勧められて好きになったアニメだと『からくりサーカス』がめっちゃ面白かったです。