こんにちは。GANG PARADEのキャ・ノンです。最近、WACKの合宿オーディションの映画を2本見てしまい、すっかり懐古厨になってしまいました。わたしはあの頃、必死にBiSの横浜アリーナのDVDを見たり、BiSの映画を見漁ったり、BiSHの映画を映画館に見に行ったりとWACKの勉強していました。あと、よくよく思い出したら、人生で初めて参加した特典会はGANG PARADEでした(握手会本当にこわかった)。初期衝動みたいなもので、あのときのときめきはずっと忘れられません。
というわけで今日は「あの頃」について書いていこうと思います。
「あの頃はよかった」なんて思ってしまうことばかりで、それでも今が一番だと言えることは何よりも理想だ。自分の人生においては、わたしは今が一番だと自信を持って言える。それは、自分が好きだったグループに所属できて、日々活動できて、自分たちのことを応援してくれる人がいてくれるからだ。そんな夢が叶った先で生きていられることは、この人生の中で一回きりかもしれないし、それでもいいと思う。
わたしは前に、何かのインタビューで「自分の好きだったGANG PARADEを越えていきたい」と答えたことがある。今になっては、そんなことは不可能な話だとわかってしまった。それは何であっても、過去という日々美しくなっていくものには敵わないからだ。
わたしには明確に『好きだったGANG PARADE』というものがある。自分が初めてGANG PARADEに出会い、ライブを見て、音楽を聴いて、どんどんと好きになっていった時間はずっと色褪せずにそのままだ。だからどうしても『Beyond the Mountain』の頃のメンバー、衣装、曲が一番から動くことはない。憧れでもあったけれど、ずっとこの形を見ていたい、変わらないでほしいという思いが強すぎて、GANG PARADEに入りたいという気持ちは生まれることはなかった。
でも、自分が知らないだけで、GANG PARADEはたくさんの変化を遂げてきたグループだった。わたしが見ていたGANG PARADEも、その変化の真っ只中だったのかもしれない。その後、メンバーが加入したり、メジャーデビューしたり、グループが分裂したりと、好きだったGANG PARADEがぐるぐると形を変えて、そのたびに勝手にさみしくなった。
変化を受け入れることがすべて正しいとも思わないし、受け入れられないことだって正解だと思う。それはグループでも個人でも同じだ。自分自身もそれは身をもって実感した。アイドルとは、”その場所にいるその活動をしているその子”に価値があって好きなわけで、そうじゃなくなっても好きでいてほしいというのはわがままな気がしてしまう。もちろん「どんなあなたでも好きです」と言ってもらえることはしあわせだけど、「あの時は好きだった」という言葉だったとしても、違う形をした同じ愛だと思う。
『Priority』のリリースのタイミングで、ツアーファイナルのMCを任された時に、歌詞に沿って考えてと言われたことを思い出す。前日夜まで「振り向かずに駆け抜けていかなくちゃと言い聞かせたのに 振り向かないことがこんな難しいなんて知らなかったな」というサビのフレーズの意味を考えて頭を抱えていた。今は、あの時とはまた違った解釈の自分もいて面白い。振り向いて過去を見たところで、綺麗になっている思い出たちがこちらを見ているだけ。でも、振り向いちゃう日もある。それを肯定も否定もしないでいてくれるそんな歌だ。
自分の好きだったGANG PARADEはきっとこの先も越えられない。今は越えたいとも思わない。それは気持ちがなくなってしまったわけではなく、今のGANG PARADEは今のGANG PARADEとして愛したい。愛してほしい、愛されるようなグループにしたいと思うようになった。「好きだった」という気持ちはずっと鮮明で美しい。そんな過去を抱きしめて、そう思える日々を増やしていきたい。
過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/ca_non_regular/