ゲームアプリとは違った世界観や劇場版ならではのストーリー性に魅力を感じた

――『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』のお話を聞いたときの気持ちはいかがでしたか。

小倉唯(以下、小倉) いよいよプロセカ(※2020年9月にサービスがスタートしたゲームアプリ「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」)が映画化するということで純粋にうれしかったですし、どんな世界観が描かれるのかなというところでわくわく感がありました。

――脚本を読んだ印象は?

小倉 まずタイトルのインパクトがすごくて。プロセカ・初音ミクというイメージとは正反対の壊れたセカイ・歌えないミクという対照的にあるキーワードだったからこそ、どんな話になってしまうんだろうという不安感もあったんです。でも脚本を読んでみたら、ユニットの垣根を越えて、みんなが結託してミクを救い出すというところで、ゲームアプリとは違った世界観や劇場版ならではのストーリー性に魅力を感じました。

――小倉さん演じる花里みのりが参加するユニット“モモジャン”ことMORE MORE JUMP!は、様々な事情を抱えたメンバーが集まった、フリーで活動するアイドルグループで、吉岡茉祐さん(桐谷遥役)、降幡愛さん(桃井愛莉役)、本泉莉奈さん(日野森雫役)との4人で構成されます。この4人が集まってアフレコするのは今回の映画が初めてですか?

小倉 感謝祭や朗読劇、ライブなどで集まって一緒にお芝居することはあったんですが、同じ空間で映像に合わせて声をあてるのは初めてでした。

――掛け合いが大切な作品ですよね。

小倉 ゲームアプリは一人での収録なので、今回の映画は環境が全く違う分、そこでしか出ないお芝居感や、キャラクター同士で会話することによって生まれる温度感は全く別物だなと思って、新鮮な気持ちで演じることができました。

――花里みのりというキャラクターにどんな印象を持っていますか。

小倉 モモジャンを象徴するユニットの中でもキーとなるキャラクター。常にポジティブで何事も恐れずチャレンジしていくし、決して諦めないパワーを持っていて、思ったことをきちんと口にできる子です。今回の映画でも、その魅力がストーリーの後半で生かされていて、周りを動かすパワーのある子だと再確認できました。

――ご自身と共通点はありますか?

小倉 私はみのりほどポジティブではないんですが、自分が思ったこと、こうしたいという気持ちや思いを口に出すことは普段から心がけるようにしています。

――それは小さい頃からですか?

小倉 そうですね。母の教育方針が「声に出したり、人に伝えたりすることで自分の未来を変えていける」というものだったので、これは違うなとか、こうしたほうがいいんじゃないかという思いがあるんだったら、言わないで後悔するよりも言ってみようと。自分から発信することによって未来を変えていくということを、みのりの場合は自然にできていると思うんですが、私は意識して言うようにしています。