他のキャラについても深く知ることのできる良い機会になった
――プロセカが映画化するという話を聞いたときはどう思いましたか。
鈴木 アニメ化はキャスト全員が望んでいたと思うんですが、まさかの映画化で驚きでした。映画化の構想は2年くらい前から聞いてはいたんですが、このチームで劇場版を制作しますと明確になったのは、2023年9月から10月にかけて公開されたユニットごとのメインストーリーダイジェストアニメーションのときで。畑博之監督を始め、同じチームの方々が関わってくださると聞いて安心感がありました。
――初めて『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』の脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。
鈴木 それまではキャラ一人ひとりにスポットが当たっていって、それぞれが抱えている感情を皆さんと分け合っていく形だったのが、今回の映画では歌えないミクを通して視聴者の皆さんにキャラが寄り添うような形になっていて。いつもとアプローチの仕方は違いますが、普段から応援してくださっているユーザーの皆様に恩返しができる作品だなと思いました。
――上手くキャラやユニットの個性が組み込まれていますよね。
鈴木 そうですね。舞台となっている場所も身近に感じられて、すごく距離の近い作品です。
――アフレコはニーゴの4人で行ったんですか。
鈴木 ゲームだと一人で録りますが、今回は4人でした。劇場版の音響チームさんは、ゲームでお世話になっている音響チームさんと違う会社で、ゲームの最新話と劇場版ではキャラクターの成長度も違うので、私たち自身がキャラのことをしっかりと伝えなきゃという思いがありました。音響チームさんにキャラの説明をしている他のキャストを見て、「あの子は演じるキャラに対してこういうふうに思っているんだ」とか、他のキャラについても深く知ることのできる良い機会になりました。普段は聞くことのない役作りのことや、キャラへの想いを現場で知ることができて、絵名として見る他のキャラへの解像度も上がりました。
――今回の映画ではユニットで歌うシーンもあります。
鈴木 普段からニーゴの歌詞はキャラに寄り添っているのもあって、ゲームではお芝居の延長線上で歌っているんですが、他のキャストのアプローチは知らなかったので、自分のキャラと向き合うことしかできなかったんです。今回はアフレコの中で一緒に曲のワンフレーズを歌う部分があったので、3人のアプローチを直で感じられるからこそ、得られるものも大きかったです。