サビのキャッチ―さだけではなく、奥深い全体の歌詞にも注目を

――「キュンアピ」はMUSIC VIDEOにも遊び心が溢れていますね。

前田 MUSIC VIDEOに関しては、監督さんが本当に愛を持ってこだわって作ってくださいました。「キュンアピ」という概念が人間化した「キュンアピガール」が様々な手段で応援しながら、かわいいを引き出してくれるといいますか、いろんなシチュエーションやちょっとコミカルなダンスが楽しめる、かわいいだけじゃ終わらない、無邪気でちょっとシュールな内容になっていて、本当に素敵なMVなので私もお気に入りです。どのシーンも可愛いパートと面白いパートを切り替えながら撮影させていただいたので、繰り返し見ていただけると色々な発見があって楽しんでもらえると思います。

――さらに、MVだけではなくダンス動画も公開中ですね。

前田 そうなんです。イントロバージョンとサビバージョン、スピードアップver.など色んな動画を公開しています。イントロバージョンは“手振り”が多めなのでライブでも真似しやすいと思うんですけど、サビバージョンは難易度が高いので、是非チャレンジしてみてほしいです。最近はTikTokなどでも難しいダンスや振り付けに挑戦している方が多いと思うので、楽しみながらチャレンジしてみてほしいですし、ライブでも一緒に踊ってもらえたら嬉しいです。

――今回は本当にライブで盛り上がりそうな楽曲が続いていくのですが、3曲目の「My “I”」の聴きどころなどポイントを教えてください。

前田 この曲ではラップを頑張ったので是非注目して聴いてください。歌詞には “I”という単語がたくさん出てくるんですけど、多面的な自分というものを表現していて、応援ソングにもなっていると思っています。

――この曲もまた繰り返されるサビのフレーズがとてもキャッチ―で中毒性がありますが、歌詞全体を見てみると、前田さんのことを歌っているのかな?とも思えたのですが、いかがですか?

前田 おっしゃる通り、本当に自分のことを投影したような歌詞だなと感じています。でも、多くの人に共通するかなとも思っています。やっぱり、人はみんな多面的で当然だと思うんですよね。その時の状況や向き合う人によっても変わりますし、相性もあると思います。何かと人と比べたがる時代なので、その中で自分はどうする?って悩むこともあるとは思うんですけど、いろんな自分があってもいいくらいに考えてみてもいいんじゃないかなとも思えるので、そういう意味ではキャッチーながらも結構奥深い歌詞なんじゃないかなと思っています。

――そして、4曲目が「ヤババ!」。またまた言葉遊びと言いますか、キャッチ―なフレーズがとても印象的です。この曲はどんな曲でしょうか?

前田 大変な時ほど「ヤババ!」とか口に出して言うことによって面白がれるし、何事も捉え方は自分次第というか、考え方次第で前向きにもなれるし…。でも、別に無理して前向きになる必要もないと思うんですけど、ちょっとしたおまじない的な要素のある曲だなと思っています。とにかくカタカナで「ヤババ!」とか「ドババ!」とか「ババンババンバンバン!」といった歌詞がたくさん出てきます(笑)。何かひとつ大変なことがあったら、この曲を思い出して「この状況ヤババじゃん!」みたいにポップに捉えて、その場を乗り越えてほしいなと、そんな思いが込められています。

――確かにおまじない的な魅力がある曲です。続く5曲目の「ショータイムは終わらない」は“ザ・ライブ曲”といった感じの曲ですね。コールやクラップが聴こえてきそうです。

前田 とてもかっこよくて大好きな曲です。特にサビのパートは、歌いながら2段階アクセルを踏むようなイメージで、暗闇の中を飛んでいるような気持ちで歌わせていただきました。舞台に立つ表現者やアーティストの気持ちを歌っているなと思っていて、「ここはパレードの最前線なんだ 転んだら落ちそうなスリル味わって」という歌詞が大好きで、自分がライブで歌う時の心境にも似ていて、自分自身を鼓舞できるような曲だなと思っています。

――そういう意味では、レコーディングの時も、それこそステージに立っている自分をイメージしながら歌っていたのですか?

前田 そうですね。本当に自分がライブ本番を迎えるまでのプロセスをイメージして臨んでいました。これまで色々なライブを経験させてもらっていますけど、やっぱりライブは大変だけど楽しいという力というか魔力があって、極端な言い方をすると、ステージに立つアーティスト達はみんなライブが病みつきになってしまうと思うんですよね(笑)。ライブを迎えるまでは本当に大変なのに、ライブが終わるとものすごい爽快感ですぐにまたステージに立ちたくなるような中毒性があるなと思っていて…。この曲には「宵の舞台で踊ろう 夢とリアルの間」という歌詞があるんですけど、そんな虚構と現実の間を生きているような感覚が大好きで、ライブというものの煌びやかなだけじゃない、ちょっと狂気的な一面も歌詞から感じられて大好きです。

――ありがとうございます。どの曲もキャッチ―なサビに注目しがちでしたが、改めて、歌詞の深さにも注目して聴いてみたくなりました。