意外な音楽の原点。幼少期に「民謡」で育ったひなぷと、大の“安室奈美恵ファン”だったはるぽん

――お二人の音楽の原点も伺いたいです。ひなぷさんはメインヴォーカルですが、この世界へ入るまでも歌への関心は強かったのでしょうか?

ひなぷ(武田雛歩) 7歳から20歳まで、ずっと民謡を習っていたんです。他のジャンルの曲を歌ってこなかったと言えるほど“民謡漬け”でした。実家でいっしょに暮らしていたおじいちゃんとおばあちゃんが、赤ん坊の頃から声が大きかった私に「歌を習わせたい」とずっと思っていたみたいなんです。習い事にはおばあちゃんと一緒に通って「ソーラン節」や「武田節」のように、地域ごとの色んな曲を歌っていました。

――民謡から、いわゆるJ-POPの世界へ進んだのは意外な気もします。

ひなぷ(武田雛歩) 民謡の先生の資格も取りましたし、歌手になるなら「民謡か演歌」だと言われていたんです。バンドのオーディションを受けていなかったら、そっちの道に進んでいたと思います。オシャレな曲で民謡のクセが出て困ってしまったり、体になじんだ民謡ならではのリズムの取り方もあるので、今もたまに苦戦するときはあります(笑)。でも、幼少期から好きなアニソンもよく聴いていたし、民謡以外の音楽にもたくさんふれてきたんです。アニソンでは、アニメ『ギルティクラウン』のテーマ曲を歌うEGOISTさんの曲をよく聴いていたんですけど、私たちのチームがEGOISTさんも所属する「INCS toenter」さんで、偶然にも「夢が叶った!」っていう気持ちがあり、うれしいです。

――ひなぷさんは、さらに「プロ雀士」でもあるんですよね。音楽ではないものの、そのルーツもお聞きしたかったです。

ひなぷ(武田雛歩) おじいちゃんとおばあちゃんが大の麻雀好きで、小学生の頃から家族で麻雀を打っていたんです。中学時代にはネット麻雀にもハマって、麻雀がテーマのアニメ『咲-Saki-』を観て「麻雀を打つ女の子ってかっこいい!」と思って、さらにのめりこんだんです。でも当時は、プロになろうとは思っていなかったんですけど、麻雀の番組「熱闘!Mリーグ」で密着していただいたのをきっかけに、無事にプロテストに合格できました。

――多彩ですね。一方のはるぽんさんは、ギター・DJ・サンプラーの担当ですが、そもそもの音楽の原点はどこに会ったんでしょう?

はるぽん 私は“安室ちゃん”です。家族全員が“アムラー”で、幼少期から安室奈美恵さんを聴いて育ったんです。幼稚園の頃には親がライブに連れて行ってくれて、将来は「安室ちゃんになる!」と考えていたし、この世にある音楽のすべては“安室ちゃん”の曲だと思っていました(笑)。

――安室さんへの愛を強く感じます(笑)。楽器は、いつから弾きはじめたのでしょう?

はるぽん 以前のバンドで、ベースを担当したのがきっかけでした。最初は「弦が4本しかないから簡単だよ」と聞いていたんですけど、そんなことはなくて、指の筋トレからはじめて「なんじゃこりゃ!?」って思いました(笑)。でも、弾けるようになるにつれて、ハマっていきましたね。

――そして、このユニットで新たな楽器に挑戦することになったと。

はるぽん そうなんです。 「やってみようか」と言われて、ギターも何もかもいちから勉強しました。特にDJは楽しくて、最近ちょっと目覚めてきました。自宅でも、練習用のDJ機材でチェケチェケやっていて、クラブのようになっているんです(笑)。毎日ふれているし、もっと極めてみたいです。

――それぞれ音楽以外でも活動の場を持っていますが、数あるお仕事のなかで、ステージで音楽を届けるアーティスト活動ではどのような楽しさを味わっているのでしょう?

ひなぷ(武田雛歩) 私はずっとライブが大好きなんです。ステージでは「聴いてくれる人たちと通じ合える瞬間」があるし、楽しそうに聴いてくれたり、一緒に歌ってくれたりするのを見ると「あ、今ちゃんと私達の曲が届いているんだな」って思えて。お客さんの表情を見るたびに「やってきてよかったな」と実感しますし、応援が本当にありがたいです。

はるぽん 音楽から一度離れて、別のアーティストさんのライブをお客さんとして見に行ったときに「やっぱり自分はステージに立ちたいんやな」と思ったんです。SNSもやめて、ファンのみなさんからもらっていたパワーがゼロになったときに「ずっと支えられていたんだな」とも気付かされて。再び、このユニットとして戻ってきたからこそ、今は私が“そのパワー”を返したいって思っています。

――最後、新たな決意も抱えるSuupeasとしての目標も教えてください。

ひなぷ(武田雛歩) 2人では「いつか日本武道館に立てたらいいよね」って、よく話しています。武道館は中央に円形ステージを設けられるので、世界観を作り込みやすい気がするんです。私たちにしかできない「睡眠×音楽」の世界観を、憧れの場所で届けられる日を夢見ています。

はるぽん 日本武道館も立ちたいし、フェスにも出演してみたい。DJとして、DJイベントにも参加してみたいですね。音楽の可能性は無限大だと思いますし、私たちの音楽をもっともっと広げていきたいです!

Information

<RELEASE>
1st Digital EP『寝具 a Song!』
好評発売中!
各種配信サイトで配信中!

公式サイト

<LIVE>
ワンマンライブ「SING寝具SING 〜スヤァ伝説の始まり〜」
2025年6月8日(日)OPEN 16:30/START 17:00

公式サイト

Suuepaes

歌手に声優、プロ雀士と幅広く活動し、TikTokフォロワーは33.2万人を超えるひなぷ(武田雛歩)と、ちょっと変わったことも真顔でできる謎の美少女(サンプラー使い)はるぽんからなる、見た目も性格も、ゆるゆる、ふわふわな2人がボカロPによるボカロックを歌う「お昼寝系」2人組ガールズ音楽ユニット。

INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO