その場にいられるだけで幸せで、楽しくて素敵な現場だった

――現場の雰囲気はいかがでしたか。

玉城 中川監督とは今回初めてご一緒させていただいたんですが、その場でアイデアを積極的に出される印象で。監督のアイデアに対して、各スタッフさんが「こうしたほうがもっといいんじゃないか」「ライトをこう当てた方がいいんじゃないか」と即座にプラスアルファの提案をする。監督がやりたいことに対して連動的にチームが動き、一つの作品に向けて突き進むという一体感が印象的で、その場にいられるだけで幸せ。本当に楽しくて素敵な現場でした。

相馬 チームワークがすごかったですよね。

――監督の演出はいかがでしたか?

相馬 僕が演じた役柄については、「あまり作り込み過ぎず、考え過ぎずに自由にやっていいよ」と仰ってくださったので、自由に演技ができたところがあります。もちろんその中で「もうちょっとこうしてほしい」というオーダーもありましたが、そういう指示も、すぐに反映できるのは現場の雰囲気も大きかったと思います。

玉城 作品の中でいろんなことが起きるので、それに対して「こうしてみよう」「ああしてみよう」と相談しながら進めていくのがすごく楽しかったよね。みんなで作る過程で誰かが提案をして、それに乗っかって、さらにプラスしていくという形で進んでいきました。

相馬 監督は撮影が進むにつれて、どんどん引き出しが開いてきて、「これやりたい」「あれやりたい」というアイデアをどんどん出してくださるのでありがたかったです。

――今回共演してみて、お互いの印象をお聞かせください。

相馬 第一印象は「怖い」でした(笑)。完全にビジュアル的なところではあるのですが、当時の玉城さんはオールバックで眉毛もなかったので、「とんでもないお兄さんが来た。どうすればいいんだろう……」と思いました。でも話してみたらフレンドリーで爽やかなので安心したのを覚えています。

玉城 別の作品も重なっていて、普段から眉毛があまりないほうなんですが、このときは特になかった上に、別作品で髪も伸ばさないといけなかったんです。結果、怖く見えてしまったみたいです(笑)。相馬ちゃんは笑顔が魅力的で、その印象まんまの素敵な方で。一番掛け合いの多い相手が相馬ちゃんで良かったと思いました。あと見た目で言うと、撮影が夏前ぐらいで薄着だったのですが、全体的に骨ばっていて「細っ!」と思いました。

相馬 当時は鍛えていなかったですし、今よりも5、6キロ痩せていました。YouTubeで予告を観たときは、こんなに痩せていたんだと自分でも驚愕しました(笑)。

玉城 それが押切という役を演じる上でプラスに作用して、ビジュアル的にも良かったです。

――お二人とも今回の映画でコメディリリーフぶりを遺憾なく発揮していると感じました。

玉城 映像作品でここまで吹っ切ること自体が初めてだったのですが、そう言っていただけるのは監督のおかげだと思います。「吹っ切ると自分はこうなるんだ」「ああいうセリフを言うときに、こんなすごい顔になるんだ」というのは新しい発見でした。僕の役は他の人よりも抱えているものが多くなかったのでノンストレスというか、純粋な気持ちで楽しめました。

相馬 玉城さん演じる鮫島が暴れているので、それに引っ張られるような感覚でしたし、僕も「自分はこういう役もできるんだ」という発見がありました。