アートワーク、MV制作で受けた刺激を自分たちのものづくりにも活かしていく | monje 「”ジャンル”という枠組みがあるから飛び越えられる」INTERVIEW

アートワーク、MV制作で受けた刺激を自分たちのものづくりにも活かしていく

――「Kempa!」「Coyote」「Marrakech」はMVも制作されていて、それぞれテイストも異なり面白いですね。

Kanan　3曲のMVは、初めて外部のアニメーターさんとコラボして制作したものになります。率直に、「どういう映像が上がってくるんだろう」というドキドキとワクワクの気持ちが大きくて。今まで曲を聴いてもらって、視覚化してもらうということが無かったので「この曲はこういう色味に感じてもらったんだ」とか、新鮮ですごく面白かったです。3曲とも全然違うテイストになっていて、ジャンルも別だなと感じました。外部の方とご一緒することでさらに多様性が生まれたんじゃないかなと感じています。

――なかでも特に印象的だった表現はありますか。

Kanan　「Coyote」のMVは、楽曲の「街中をすり抜けていくイメージ」を作家さんが形にしてくれました。実際に路地を歩きながら撮影して、その上から絵を一枚一枚つけているそうです。すごくカッコ良い映像ですし、楽曲にもピッタリで感動しました。あと、たまたま私たちと同じ藝大出身の方で嬉しかったです。

――ジャケットのアートワークも印象的ですね。

Kanan　ジャケットもディベートの落書きがベースになっています。「monjeがやっていることって、このぐらいはみ出しているよね」みたいな、適当に描いた絵があって。こういう枠からはみ出した水も可愛いよねという話をデザイナーさんに見せながら進めていきました。

――これまでのアートワークとは違った作り方だったのでしょうか。

Kanan　これまではジャケットなどのアートワークは自分たちでやっていました。今回、他のクリエイターさんとご一緒することで、自分たちには無い発想もいただけて、発見もたくさんありました。MVもアートワークもとても良いインプットをいただけて、今後、monjeが様々なジャンルの架け橋になれたら良いなという気持ちも改めて大きくなりました。

――素敵ですね。今後やりたいこと、挑戦したいことはありますか？

Kanan　音楽以外のものづくりもしていきたいです。最近、マイクスタンドを自作していて。マイクスタンドって共通のものしかないなって思っていたんです。ライブのステージや美術はすごく凝りますが、マイクスタンドだけは一緒のことが多いなって。無いのだったら作ってみようということで作っています。自分たちのマイクスタンドだけじゃなくて、世界観を作り込んでいるアーティストの皆さんにも、それこそ架け橋みたいな形で提供出来たら良いなと思っています。

――実際にご提供されたりもしたのでしょうか。

Kanan　先日、第一号としてCENT（セントチヒロ・チッチ）さんのマイクスタンドを作らせていただきました。CENTさんの世界観に合わせて”宇宙”をテーマにマイクスタンドの下をロケットの形にして、上にちっちゃい宇宙人をマグネットでつけられる様にしています。

――とてもインパクトのあるデザインですね。

Kanan　マイクスタンドってライブレポートなどの写真に絶対に写るものですし、世界観をつくるのにすごく影響するものだなと思いました。自分たちもアーティストとしてステージに立っているからこそ、自分たちにしか分からない様な視点で、クリエイティブを生み出せて行けたらなと思っています。色々楽しく作っていきたいです！

PHOTOGRAPHER：寺本篤史,INTERVIEWR：KOZUE NAKAMURA