鈴木拡樹くんは優しくて真面目で器の大きい方
——改めて鈴木さんと共演してみての印象を教えてください。
安井 拡樹くんは優しくて真面目で器の大きい方だなという印象はパート1から変わりません。ただパート3で一緒にアクションをやったことによって、拡樹くんの強さや内なる野性みたいなものが感じられたのは新たな発見でした。
——5年越しで十蘭を演じて、どんな心境でしょうか。
安井 先ほどお話したように十蘭自体は変化があるキャラクターなので、最初の頃の「人間の心は分からない」みたいなセリフから、「人間らしくなってきたのかな」と自分で言うようになったことは相当な変化だと思います。僕も5年間で、かなり変化しているはずなので、そこも含めて5年かけて一つの役の成長を演じさせていただいたのは貴重な経験でした。
——映像と舞台では勝手が違うと思いますが、両方やってみての感想はいかがでしょうか?
安井 舞台の演出は少年社中の毛利亘宏さんで、脚本もご自身が手掛けられているので、その面でも映画とは大きく違います。舞台だからできる深掘りや、舞台を観に来たお客さんだけに見せるサプライズなどを作ってくださっていたので、その流れがとても面白かったです。映像では描かれていない部分を舞台で深めたことで、また映像をやるときに自分の中でも変化がありました。もちろん映像ならではの表現もありますし、映画と舞台の両方でお芝居への相乗効果がありました。
——8月7日からは舞台版の『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』も始まります。
安井 前回の舞台は十蘭が実は過去に、「残虐の死神」と呼ばれていたというサプライズがあったのですが、きっと今回の舞台も映画を観た方が驚くような仕掛けを毛利さんは用意してくださっていると思いますので、そこを楽しみにしていただけたらなと思います。
——話は変わりますが、音楽とお芝居に共通する部分はありますか?
安井 表現というものは突き詰めるとすべて同じものだと思っているので、歌っているときも踊っているときもお芝居に通ずる部分がありますし、お芝居をやる上でダンスや音楽をやっていることで培ったリズム感や間が生きている瞬間は絶対にあります。両方やっている自分だからこそ、それを作品に活かせたらいいという気持ちは常に持っています。
——映像と舞台で意識の違いはありますか?
安井 舞台は直接、多くの方に届けるのでライブ感がありますし、その1公演1公演でしかできない表現もあります。感受性の高い方がご覧になったら、ストーリーも人それぞれ違って見えるんじゃないかぐらいの違いがあって、それが舞台の醍醐味なのかなと思います。
——音楽とお芝居だとどちらが緊張しますか?
安井 正直、音楽ライブはその場で出たもの全てが正解なんですよ。ミスをしても、「それがライブだから」となります。でもお芝居はそうはいきません。セリフを間違えたら意味も変わってしまうので、そういう意味では舞台のほうが緊張感はありますね。
Information
映画『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』
好評公開中!
鈴木拡樹 安井謙太郎(7ORDER)/生駒里奈
梅津瑞樹 崎山つばさ 陳内将 小林亮太
森崎大祐 田淵累生 松浦司 松本寛也 櫻井圭登
松角洋平 田辺幸太郎 浜田学 峰蘭太郎
神尾佑 西田健
監督:柴﨑貴行
脚本:須藤泰司
音楽:YODA Kenichi
死神遣いとして探偵業を営む幻士郎のもとに新たに舞い込んできた徳川からの依頼。それは、江戸城の宝物殿に忍び込んだ泥棒“銀狐”を捕らえよ、というものだった。そのころ、幻士郎と契約関係にある相棒の死神・十蘭には、冥界に帰らなければならない期日が迫っていた。そして、幻士郎の父・衒太夫と、十蘭の父・光蘭が封じたはずの死神・無限狼の封印が解け……。幻士郎と十蘭の最後の仕事、ふたりは再び無限狼を封じることができるのか――!?
舞台『死神遣いの事件帖 終(ファイナル)』
鈴木拡樹 安井謙太郎(7ORDER)
梅津瑞樹 森崎大祐 田淵累生 田口涼
松本寛也 田辺幸太郎 鈴木裕樹
ほか
原案:須藤泰司
脚本・演出:毛利亘宏(少年社中)
音楽:YODA Kenichi
●東京公演
日時:2025年8月7日(木)~17日(日)
場所:サンシャイン劇場
●福岡公演
日時:2025年8月21日(木)
場所:福岡サンパレス
●大阪公演
日時:2025年8月30日(土)・31日(日)
場所:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
●石川公演
日時:2025年9月5日(金)・6日(土)
場所:石川県小松市 團十郎芸術劇場うらら 大ホール
●京都公演
日時:2025年9月13日(土)~15日(月・祝)
場所:京都劇場
PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE: ASATO IKEDO,STYLIST:KAWASE 136 (AFNORMAL)