『スタプラフェス』と「わざとあざとエキスパート」がターニングポイントに
――様々なターニングポイントがあったと思いますが、STAR PLANET所属のアイドルが出演する『スタプラアイドルフェス』は、花怜さん個人にとっても、グループにとっても大きかったのではないでしょうか?
橘 そうですね。まず2021年に私個人として、観客の皆さんによる投票で2代目シンデレラに選んでいただきました。その後、2023年にはいぎなり東北産が10組のグループの中でシンデレラグループになったんですけど、実はその頃はとても悩んでいた時期でした。大きなステージをクリアしていきたい、していかなきゃいけないと考えていた時期なので、ただただがむしゃらに目の前のお仕事に取り組んでいたような気がします。東北産のみんなともっと上に行くためにチャンスはひとつも無駄にしたくない、全部掴み取りたいと思って、もともと戦いごとはあまり好きじゃないんですけど、チャンスに変えていかなきゃいけないと思って必死でした。だからこそ、初年度に宣言して叶わずに悔しい思いをしたので、2回目ももう一度シンデレラ宣言をして本気で食らいつく気持ちで挑みました。その結果、個人でシンデレラにならせていただいて、その後、団体戦でグループとしてもシンデレラになれた時に、メンバーが初めて「武道館に立つ!」という目標を口に出せるようになったんです。それまでは、武道館という夢を口に出すのが怖かったんですけど、みんなでシンデレラを掴み取ったことが自信に繋がったので、『スタプラアイドルフェス』は大きなターニングポイントになりました。
――では、楽曲面ではいかがでしょうか?
橘 (2023年の)「わざとあざとエキスパート」が大きかったと思います。今の時代に合わせて、TikTokでバズることを目標に作った可愛い曲なんですけど、本当に色々な方に東北産のことを知っていただいて、親しんでいただける曲になりました。最初は今までの東北産の楽曲や見せ方とは180度違う曲だったので、この曲が人気になったとしても、私達のことも好きになってもらえるのかな?これまでのファンの皆さんはどう思うのかな?と思ったんですけど、フリーライブを続けていく中で、毎回たくさんの方が観に来てくださるようになって…。そうした積み重ねが自信になっていったので、この曲も私達にとってのターニングポイントだったのかなと思っています。
――実際に、曲の手応えはどのように感じていましたか?
橘 この曲をきっかけに、フリーイベントに信じられないぐらいたくさんの女の子ファンが来てくれるようになって、本当にびっくりしましたね。あとは、TikTokで私が好きなアイドルさんが踊ってくれている映像を見た時に、ちゃんと前に進めているのかもしれないと思うことができました。メンバーのグループLINEがあるんですけど、「〇〇さんが踊ってくれてるよ!」とか、みんなで送り合っていたのが懐かしいです。
――色々とリアルなお話が聞けて良かったです。印象に残っているライブは本当にたくさんあると思いますが、いくつか挙げるとしたらどのライブになりますか?
橘 直近のライブだと、今年4月の日比谷野外大音楽堂のライブが印象に残っています。かなり昔の話なんですが、東北産の夢ノートみたいなものがあって、その最初のページに、当時のマネージャーさんが「〇〇年〇月〇日、野音に立つ」と書いてくださっていたんです。それもあって、自分にとっては特別な場所だったので、みんなと一緒に立てて本当に嬉しかったですね。先ほど可愛い楽曲の話をしましたけど、東北産はもともとロックなグループなので、ロックの聖地でもある野音でパフォーマンスができて幸せでした。あとは、昨年12月にパシフィコ横浜 国立大ホールで行ったリベンジライブも忘れられません。1年前にパシフィコでライブを行った時には満員にできなかったんです。それで、去年1年間はリベンジイヤーとして色々なことをやってきました。最初はリベンジと言っても、何をどう変えたらいいのか分からなかったり、難しかったりしたんですけど、フリーイベントをたくさんやって、可愛い曲も積極的に歌って、言い訳をせずに逃げも隠れもせずに戦ってきた1年だったので、リベンジライブを完売させることができて、私達自身も成長することができたなと思っています。