二人の関係性が、どう変化していくかもドラマの大きな見所

──『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』は、「レンアイ(特定の人に恋愛感情を抱く人)」が存在しない世界という設定の中で、人間関係や感情のあり方を描いたドラマです。脚本を読んだときは、どんな印象を受けましたか。

島崎遥香(以下、島崎) ファンタジーな設定ですが、そこに描かれている感情や人間関係、セクシャリティに対しての向き合い方などは、私たちの現代社会にもリンクするなと思いました。

ISSEI 普通のラブストーリーなのかなと思って台本を読んだら、リアルな恋愛とは真逆の世界観だったので、ユニークで面白いなという印象を受けました。「レンアイ」と「レンアイ」じゃない人がいる世界で、純粋に自分の好きな人といたいという乙葉やハレくんの気持ちを読んだときに、「自分の思っている人を一途に好きになる世界のほうが絶対いいよね!」と思いました。

──ご自身が演じる役柄については、どのように捉えたのでしょうか。

ISSEI ハレくんは「レンアイ」だけど、普段は擬態しているので、登場するキャラクターの中でも一番感情の変化に富んでいて、いろんな面がある役柄だなと思いました。

島崎 乙葉は恋愛について、周囲と分かり合えません。私も恋愛ではないのですが、学校でもAKB48でも周りと違うなと思うことが多くて、集団生活は苦手でした。なので自分に似ているなと感じる部分が多かったです。

――たとえば、どういうところが似ているのでしょうか。

島崎 人や世間に対して、「自分とは合わないな」と感じる部分が近いですし、突拍子もない行動をするところも似ています。私も後先を考えないタイプなので……。乙葉を知れば知るほど自分と重なって、「私は他人からこう見えているんだ」と落ち込みました(笑)。

――ISSEIさんはハレに共感するところや共通する部分はありますか?

ISSEI 僕は擬態するのが得意じゃないので、そこは自分と正反対のタイプです。ただ「レンアイ」であるからこそ本当に好きな人といたいという気持ちや、自分の思っていることを絶対に曲げないところは、僕も一つのことを決断すると貫くタイプなので、ハレくんに共感する部分です。

──ISSEIさんは乙葉にどんな印象を持ちましたか。

ISSEI 同じ「レンアイ」ではありますけど、ハレくんは器用に擬態して、いろいろな面を見せて上手く対応するタイプ。でも乙葉は恋愛に限らず、ハレくんのような器用さはなくて、擬態もしない。そのままでいるからこそ、共感できるセリフやシーンが多かったです。

――島崎さんから見てハレの印象はいかがですか。

島崎 乙葉が誰よりもハレくんに心を開くのも分かるぐらい優しくて、人の気持ちも分かっていて、私自身もこのドラマで誰かを好きになるとしたらハレくんですね。乙葉とハレくんのシーンはどれも好きです。

ISSEI 二人の関係性が、どう変化していくかもドラマの大きな見どころですね。