大学時代はダンスにのめり込めた貴重な時間だった

――どういうきっかけでダンスを始めたのでしょうか。

Oguri 始めたのは高校1年生、15歳のときなんですが、小学生の頃からずっとダンサーに興味があって。テレビに出ているダンサーを見ながら真似して踊っていたんですけど、具体的にどう始めたらいいか分からなかったんです。ダンスをやっている友達も周りにいなかったし、ダンススタジオとかも分からない。それにダンサーって不良のイメージもありましたしね(笑)。それで高校生になって、あまり部活にも情熱が湧かなくて、なんか別のことをやりたいなと思ったときに、そういえばダンスをやりたかったんだと。その頃にはインターネットも普及していたので調べてみたら近所にスタジオがあって、行ってみようというのがきっかけでした。

――すぐにダンスにハマったんですか。

Oguri 見学に行って、次の週くらいに体験レッスンを受けて、その瞬間から、「もうこれしかない!」という感じで、最初は週1で通っていたのが、週2になり週3になり、気づいたら毎日通ってる、みたいな。そうしてスタジオ内で知り合いが増えていく中で、ダンスイベントにも行ったり出たりするうちに、徐々に世界が広がっていきました。

――現役で早稲田大学に合格したんですよね。

Oguri 正直、ダンスにハマり過ぎて、大学に行くか迷ったんですよ。ダンスの専門学校に行くか、ひたすらバイトをしてダンスに打ち込むかなど、いろいろな選択肢を考えたんですけど、周りの大人たちから「大学に行けるなら行ったほうがいい」と言われて。中・高と進学校に通っていたので、そりゃそうだよなと。親からも「大学には行け」と言われていたし、逆に良い大学に行っちゃえば、そこで好きなことをする分には何も文句は言われないだろうと大学進学を選択しました。

――大学は真面目に通っていたんですか?

Oguri それが受験勉強を頑張った反動で、授業はさぼりまくって、1年生のときに取れた単位が7(笑)。早稲田には「WUB」という歴史あるダンスサークルがあるんですけど、そこに入って、ひたすらダンスをしていました。大学1年生の秋くらいからバックダンサーなど、ダンスの仕事も少しずつ入ってきましたしね。

――どういう経緯で仕事のオファーがあったんですか。

Oguri 同年の夏に「a-nation」のオープニングアクトを務めるアクトダンサーのオーディションがあって、それに合格したんです。s**t kingz のkazukiと出会ったのもそこなんですけど、そこからの流れで鈴木亜美さんのバックダンサー・オーディションがあって、それに合格して、初めてツアーというものに帯同しました。

――当時の鈴木亜美さんはクラブミュージックに接近していましたよね。

Oguri そうそう。その路線になって最初のツアーに参加して。大学のサークルにも顔は出すけど、授業には全く行かず、でもダンスイベントには頻繫に出入りして。後にs**t kingzを結成するメンバーともイベントで一緒になることが増えていきました。

――その頃にはダンスが職業になりそうだなという手ごたえはあったんですか。

Oguri どうだったんですかね。そもそも実家暮らしで、親に助けてもらいながらダンスをやっていたので、それで食べていけるとは思っていなかったです。ただ就職するという進路が全く考えられなくて、大学卒業後はアメリカ留学するのもありかなと考えていたんです。でも3年のときにs**t kingzを組んで、いろいろなイベントに出るようになる一方で、海外でワークショップも開催できるようになったので、一旦ダンスで頑張ってみようと思いました。

――大学の単位は大丈夫だったんですか?

Oguri 2年目、3年目は超頑張って、ギリギリ卒業できるかなという可能性が生まれたんですけど、途中でミスって半年だけ留年しました。だから未だに大学卒業できない夢を見ますよ。「まだ単位が足りない!」みたいな(笑)。それぐらい当時は追い詰められていました。

――大学に行って良かったことはありますか。

Oguri めちゃめちゃあります。いろんな出会いもありましたし、大学である程度自由にできたからこそ、バイトをしながら、ひたすらレッスンに通う生活もできましたし、自分の中では改めてダンスにのめり込めた貴重な時間でした。そのせいで学部のほうでは、全く友達ができなかったですけどね(笑)。

――「WUB」出身で今もダンサーをやっている方はいらっしゃるんですか。

Oguri そんなに多くないですけど、後輩にはいます。あと当時、同じ代だった人が今アーティストのマネージャーをやっていて、彼の担当アーティストとs**t kingzで仕事をしたりして、繋がりって面白いなって思います。