サラリーマンを辞めて、メンバーと共同生活をしながらアメリカでダンスを学んだ

――ダンスを始めたきっかけからお聞かせいただきたいんですが、s**t kingzの他のメンバーよりも始めるのが遅かったそうですね。

shoji 大学に入ってから始めたので、完全なる大学デビューです。ずっと興味はあったんですよ。僕が中学生ぐらいのときにDA PUMPやSPEEDがデビューして、かっこいいなと思っていましたし、高校の文化祭でダンスを披露している女の子がいて、すごく素敵だなと。それで自分もダンスをやりたかったんですけど、本当に運動音痴で、当時は自転車にも乗れなかったんです。あまりにも運動ができないし、そもそも「ダンスがやりたい」なんて言えるようなキャラクターじゃなくて。大学に入学したときに、周りに知っている人が誰もいなかったので、変わるなら今しかないと思って飛び込みました。

――人前で何かやりたいみたいな願望はあったんですか。

shoji 本能的には目立つことが好きだと思うんですけど、出来るだけ目立たないように生きていました。このまま誰にも嫌われずに、おとなしく静かに人生を終えられればいいなと思っていました。誰かに嫌われるのが怖い人間だったので、人前に立つと嫌われるリスクも伴うと考えていたんです。

――それまで打ち込んでいたことはあったんですか。

shoji 大学まで何もなかったですね。高校時代も帰宅部でアルバイトをしていただけですから。

――大学卒業後に就職しているんですよね。

shoji 2年間サラリーマンをやって、ダンスは趣味で続けられればいいなと思っていたので、まさか自分がダンサーになるとは想像もしていなかったです。ただ就職した年に、一回限りで一緒に踊ろうと集まったのがs**t kingzのメンバーだったんです。

――どのようにs**t kingzはスタートしたんですか。

shoji 僕はs**t kingzを組んだ年に、20個ぐらいのユニットをやっていたんですけど、当時は固定のチームというよりも、その都度踊りたい人たちと組んで踊ることが流行っていて。僕自身もそんな感じでいろんな人たちとユニットをやっていたんです。それでkazukiと同じユニットをやったときに、アメリカのダンサーの動画を見せて、「こういうストーリー性のあるパフォーマンスができたら面白いね」みたいな話をしたら、kazukiが良いダンサーの知り合いがいるから呼ぶよって言って連れてきたのがNOPPOとOguriの二人で。その4人で一度だけshibuya eggmanでやろうって、その日のためにユニットを作ったんです。一度やってみたら、「これはいいね。次は何をやろうか」みたいな話が自然と生まれて、気づいたらそのまま続いていきました。

――それまで組んでいたユニットとは手ごたえも違ったんですか。

shoji お客さんの反応もすごく良かったですし、シンプルに4人で踊るのが楽しかったんですよね。もちろん今までやっていたユニットも楽しかったんですけど、やりたいことがたくさん浮かんできたのは初めてのことでした。

――他のメンバーは早くからダンスを始めていますが、3人のレベルについていけたんですか。

shoji めちゃくちゃ苦労しました。この前、メンバーに言われて思い出したんですけど、僕はs**t kingzを始めてから、メンバーのNOPPOにスキップを教えてもらったんですよ(笑)。ステップなんかも、すぐには覚えられなくて、ものすごく時間をかけて練習をしていました。今でも振りを覚えるのがメンバーの中で一番遅いし、時間もかかります。だから「shojiタイム」というのがあって、僕が振りを覚えるまで、みんなが待つ時間があるぐらいなんです。昔ほどではないですけど、いまだに運動神経は良くないですしね。そんな僕がダンサーをやっている訳ですから、時々ふと「これが自分の人生なのか?」と疑いたくなるぐらい、他人の人生を見ているような感覚に陥ることもあります。

――s**t kingzは海外進出も早かったですよね。

shoji 2007年にチームを組んで、すぐに他のメンバーは3ヶ月ぐらいアメリカにダンスのレッスンを受けに行って。僕はサラリーマンだったので行けなかったんですが、それが辛かったんです。みんなは成長して帰ってきたのに、自分だけそれができなくて。早くダンスの世界に戻りたいと思って、仕事を辞めて、3人が待っているロスアンゼルスに行ったんです。とはいえ、「仕事を辞めたいです」と言ってから、辞めるまでに半年かかったんですけど、最終出勤日の翌日にはロスにいました。それで、みんなと一つ屋根の下、共同生活を始めました。

――そもそも就職することに迷いはなかったんですか。

shoji まさか自分がダンサーになるなんて想像もしていなかったので、何の迷いもなく、普通に就職しました。退職するときも、s**t kingzで何かやりたいから辞めたというよりは、みんなと一緒にダンスが上手くなりたかった一心だったんです。

――家族も驚いたんじゃないですか。

shoji そうですね。一応家族に「仕事を辞めてアメリカに行きたい」という話をしたら、父が「ちゃんと彼女を養っていけたらいいんじゃないか。その人を悲しませないんだったら行ってこい」と言ってくれて。その彼女が今の妻なんですけど、大学で出会って付き合っていたので、その時点で交際歴が5年ぐらいだったんです。

――理解のあるお父さんなんですね。

shoji 父も昔はバンドをやっていたので、何かに熱中することに理解があったと思うんです。

――奥さんも会社を辞めて渡米することに賛成だったんですか。

shoji 彼女もダンスをやっていたので、一緒にアメリカに行きました。僕がサラリーマンをやっているときも、彼女は半年ほどアメリカに留学していましたからね。