初っ端から夏バカ感を大いに味わえるようなファーストブロック
今年の『夏バカ』の会場は、ももクロにとっては初めての横浜スタジアム。百田夏菜子以外のメンバー高城れに、玉井詩織、佐々木彩夏の3人が神奈川県出身ということを考えると、初開催と聞いて意外だと感じた人も多かったのではないだろうか。今回はバックバンドのDMB(ダウンタウンももクロバンド)や太鼓ドラマーのヒダノ修一が参加すること、数々のももクロの大型ライブを手がけてきた佐々木敦規が演出を担当することなどが事前に発表されていたほか、「夏のライブで聴きたい!ももクロ定番夏ソング総選挙」と題してモノノフからリクエストを募集し、上位10曲は必ずライブで歌うことが約束されていた。さらに、タイトルに『ハマの夜祭り番長襲名記念』との文言が加わったことで、3年ぶりとなる『夏バカ』への期待値が開催前から高まるような展開に。ちなみに、前回の『夏バカ』開催時には4人ともまだ20代だったが、今回は佐々木以外の3人が30代に突入している。これまでのワチャワチャとはっちゃけた『夏バカ』らしい演出に加えて、ももクロの大人な一面に期待していたファンも多かったことだろう。
開幕直前、まずはももクロのチーフマネージャーであるスターダストプロモーションの川上アキラがステージに登場し、急きょ前説を担当。開催に踏み切った判断やライブへの思い、前日までの台風による影響で100%の準備は整わなかったものの、設営など準備にあたっていたスタッフへの感謝と敬意を口にした後、「この後はモノノフさんに託したからな!」と熱いメッセージを伝えて会場を温めると、ステージ両サイドの大型ビジョンには「本日のスターティングメンバー発表」という形で、ももクロメンバー4人を紹介する映像が流れ始める。プロレスラー風にイラスト化されたももクロが「ハリウッド高城れに」、「ハリウッド佐々木彩夏」、「ハリウッド玉井詩織」、「ハリウッド百田夏菜子」といったリングネームで次々と紹介されていったのだが、これは先月亡くなったプロレスラー、ハルク・ホーガンへのリスペクトを込めたももクロ流の追悼メッセージだった。

PHOTO:ニッタ ダイキ
そして、ライブ本編は恒例のオープニング映像からスタート。大型ビジョンには過去の夏バカ名シーンのダイジェストと共に、夏バカへの思いを熱く語る4人の姿が映し出される。立木文彦のナレーションによるオープニング映像をモノノフが歓喜して見守る中、「18年目を迎えたももクロの3年ぶりの夏ライブ。世界最高峰のパワースポットがここに!」といった立木のおなじみの煽り口調で『夏バカ2025』は幕を開けた。まずは、バックスクリーンのオーロラビジョン上に、太鼓ドラマーのヒダノ修一と一彩が登場。会場中の視線を浴びながら太鼓のパフォーマンスが始まると、そのままDMBの生演奏で「overture ~ももいろクローバーZ参上!!~」へと続いていく。生バンドによるovertureでモノノフのテンションが一気に高まり、全力のコールが横浜スタジアム中に鳴り響く中、カウガールをイメージした衣装を纏った4人がステージに登場すると、「Re:volution」でライブはスタートした。ロックバンド・BLUE ENCOUNTの田邊駿一が手がけた曲ということもあり、生バンドのスタジアムライブの幕開けには相応しい1曲。1人ずつ番長を意識したサングラスを外しながら歌い繋いでいく様子がビジョンに映し出されると、メンバーの名前を呼ぶコールと歓声が会場に大きく響き渡った。場内に16基も設置され、高さ50mに届きそうなほどのウォーターキャノン(放水)の演出も加わり、モノノフのボルテージをさらに高めると、2曲目は「DNA狂詩曲(ラプソディ)」。スタジアムライブに映える人気曲を立て続けに披露したところでホイッスルが鳴り響き、「夏のライブで聴きたい!ももクロ定番夏ソング総選挙」第3位にランクインした「ワニとシャンプー」へ。ライブ序盤からウォーターキャノンにも煽られて、ももクロと同じように扇子を広げて踊るモノノフの姿がとても印象的だった。続いて、DMBのベーシストやまもとひかるのシンセベースから「CONTRADICTION」。さらに「BIONIC CHERRY」と初期の人気曲で畳みかけていく。特に、「BIONIC CHERRY」では「ズッキュン ズッキュン」という歌い出しから大歓声が上がり、サビのジャンプでは会場の揺れを感じるほどの盛り上がりに。ウォーターキャノンとモノノフのコールが見事に融合し、懐かしさと共に初っ端から夏バカ感を大いに味わえるようなファーストブロックとなった。

PHOTO:さいちょー

PHOTO:ニッタ ダイキ

PHOTO:さいちょー

PHOTO:増田慶

PHOTO:上飯坂一

PHOTO:増田慶
ちなみに、今回のメインステージ中央には4体の巨大なモアイ像ならぬ“モモアイ像”が設置され、両サイドにはピラミッドや鳥居を配置。さらに、サブステージには上から見るとナスカの地上絵を模したようなイラストが。その周りにはももクロメンバーが書いたイラストも描かれていた。そして、サブステージへと続く花道にはスフィンクスに扮したももクロのマスコットキャラクターももたんの“ももたん列車”がセットされるなど、まさに世界中のパワースポットが集められていた形だ。