今までの愛美にはなかった強い口調の歌詞にも注目

――リード曲「AthisCode」があまりにも壮大で驚きました。ここからはダイジェスト的にはなりますが、全収録曲に触れていきたいと思います。まずは、1曲目を飾る「NEO  ELDOLADO」。重厚なサウンドと低音のボーカルでかなりインパクトがある曲に仕上がっていますが、曲の並びも拘った上で、1曲目はこの曲しかない!といった感じだったのでしょうか?

愛美 やっぱり1曲目を聴いた時に新しい愛美が始まったなと思ってほしくて、最も今までの愛美とは異なる印象的な楽曲を1曲目に置いてみました。これは愛美に心酔してほしいという願いのもと、壮大で重厚感のある楽曲をコンペで決めました。歌詞については、私と一緒にNEO ELDOLADOに落ちましょう、新しい愛美の世界へようこそ…といったディープな感じの歌詞にしています。とにかくインパクトが欲しかったので、アルバムの濃さを表すにはこの曲が(1曲目に)ぴったりなんじゃないかなと思いました。

――そして、リード曲の「AthisCode」を挟んで、3曲目が「What’s up FIRE!」。「Hey! ついてこいよ 俺らで 扉開けんだ」、「魂燃やせ 導火線はそこだ 打ち上げろ Fire!」などなど、他の曲にも共通しますが、今回は愛美さんの歌詞の言葉が強いですね。

愛美 自分でも驚いた点なんですが、今回のアルバムはかなり強い口調になっていると思います。これは完全に楽曲に引っ張られていて…、これまでとの歌詞の口調の違いも楽しんでほしいなと思っています。

――しかし、改めて、6曲分作詞するという作業はとても大変だったのではないですか?

愛美 いざやってみると本当に大変でした。だいたい2週間毎にレコーディングがあったんですけど、2週毎に歌詞を提出するということが人生初の経験だったので、楽しい作業でしたけど、振り返ってみるととても大変でした。

――結構切羽詰まった感じになりましたか?

愛美 アルバムの制作期間と武道館ライブ(Poppin’Party 10th Anniversary LIVE)が重なっていたので、「私、大丈夫ですかね?」ってマネージャーさんにたびたび確認していました(笑)。

――裏話含め、貴重なお話をありがとうございます。そして、4曲目が「STARS」。流れ的には、4曲目あたりでしっとりした曲が来るのかな?と思いきや、この曲もまた「歩みを止めんな」、「ひとりにさせないぜ」といった強い歌詞が印象的です。

愛美 ちょうどそのPoppin’Partyの武道館の後に書いた歌詞なんですけど、初期衝動とか活動を始めた頃の自分の鼓動をもう一度感じられるような歌にしたいなと思って書きました。聴いている皆さんと一緒の目線で、魂を鼓舞するような歌詞が書けたかなと思っていますし、自分の声優人生の中からヒントを得て書いたような歌詞にもなっています。

――そして、5曲目が「キャンセルさせて人生」。これはもうタイトルのインパクトがすごいですね。

愛美 SNSによくある誹謗中傷や変な噂、火のない所に煙を立たせるような人がいることで、根も葉もない噂が余裕で真実になってしまうような世界…、それを嘆いたような歌です。あと、バズを意識するということは、表に立つ人間からしたらよく分かる心理でもあるので、悲しいかな分かってしまうといったニュアンスも入れています。

――とてもキャッチーな曲なので、手の振りなど振り付けがつくことでさらに盛り上がる曲になるのかなとも感じました。

愛美 そうですね。この曲は紙吹雪が舞う中でパフォーマンスしたら、ライブで盛り上がる曲になるだろうなというイメージから作りました。

――そして、6曲目が「CROWNED」。この曲を最後にしたのも拘った部分なのでしょうか?

愛美 実は、この曲は今までシングルやアルバムを出すという時にコンペで残り続けてきた曲で、ずっと温めていた曲なんです。世界観が強い曲なので、他の曲とのバランスを考えた時になかなか採用されなかった曲なんですけど、今回の世界観が強いアルバムにはぴったりだなと思ったので、華々しくアルバムの最後を飾ってほしいなと思って、6曲目に入れました。