「UNMADE」の収録曲全曲解説
――9/10リリースのEP「UNMADE」には、「ワンダーランド」を含む6曲が収録されています。収録曲の解説をお願いします。まずは「UNKNOWN」から。
惣田 「UNKNOWN」は第一印象でかっこいい曲を作りたいというのがあって。他の収録曲とは異なるダークな感じになっています。EVE OF THE LAINとしてはダークな楽曲も何曲か出していますが、ライブの中でも組み込むことでいい差し色になっています。楽しい曲が多い中で、かっこいい曲で決めるパフォーマンスが見せられるところも、自分たちの強さではあるので。あと「UNKNOWN」はハンドマイクを使うのですが、見せ方や煽りも広がっていくと思うので、ライブを楽しみにしてくれたら嬉しいなと思います。
――普段はスタンドマイクが多いですか?
惣田 ずっとギターヴォーカルだったのでスタンドマイクでした。初めてハンドマイクを使ったのは今年の4月に大阪でやったワンマンライブです。ハンドマイクだと身振り手振りを使えるし、動き回れるというのもあって。
――続いて「Take Your Hands」はどんな楽曲でしょうか?
岩根 僕が作曲を担当させていただきました。まずはリフから考え始めて、サビは広がっていく感情を表現したいと思って作りました。あとは、Aメロ、Bメロで決めを入れています。
――惣田さんは聴いてみていかがでしたか?
惣田 後からメロを考えると、どうしてもコードに沿ってしまうので、変化をつけるのが難しいんですけど、大旗から送られてきた時点で決めが結構あったのでそこから広げていきました。作詞はBメロで”パッパッパッ”っていうワードがあったら、みんなで歌えるなとも思って入れました。
――楽しい曲ですが、歌詞にはハッとするようなところもあります。
惣田 言葉的に気持ちよく感じられる曲なんですけど、ギターソロが終わった後のサビで急に、”もう最後かもしれない君に会えるこの瞬間だって、ずっと離したくないから”っていうフレーズがあって。そういう部分を組み込むことで、曲の重さというか、「Take Your Hands」というタイトルの意味が、実はここに詰まってるんだってことを表現しつつ、みんなの手を引っ張って楽しんでいく曲になっています。
――まっきいさんはどのような制作プロセスでしたか?
まっきい リフもできていて、リズムも決まっていたので、どうアレンジするか考えた感じですね。決まっている部分をどう崩すかがポイントでやってて楽しいですね。でも時間がかかりますね。
――齋藤さんは?
齋藤 僕も同じでドラムのイメージはすでにあったので、まっきいが言う通り、いかに崩すかを考えました。Bメロの手拍子を煽るところでノリが止まっちゃわないように考えて作りましたね。
――続いて「Voyage」はいかがでしょうか。
惣田 今までのEVE OF THE LAINにはない、洋楽テイストなアメリカンな曲になっています。でも自分たちらしくみんなで歌える部分があったり、歌詞にも自分たちだけじゃなくて、みんなで歩んでいる道の途中だよ、という意味を込めています。自分たちで完結するんじゃなくて、みんなで歌って完成する曲です。
――先行配信もされている「マジックベル」はいかがでしょうか?
惣田 不器用な男の恋の歌を作りました。一目惚れした時の”音”を表現できたらなと思って、この曲ではその音を”リンリンリン”という言葉を綴りました。その音が鳴ったら恋をしたり、音楽に恋したりするようなイメージで書きました。あと、僕はライブって魔法みたいな時間だとよく言っているんですが、この音が鳴る限りは魔法の時間がずっと続いているよという思いを込めて、恋してる人もそうじゃない人も、歌詞を見て笑顔になれるような曲なったかなと思います。
――EVE OF THE LAINの楽曲は幅が広いですよね。ライブでの疾走感がある楽曲もあれば、ダークなかっこよさもある。壮大さもあれば、恋を歌う曲もあって。そんな素敵なEPのラストを飾るのが「唯一無二」。
惣田 歌詞がメインというか、歌っているパートしかないぐらい、歌を詰め込んでいます。うまくいかないことや頑張っても認められないことは誰もが感じていると思います。でもそれはそれでいいんじゃないかって思っていて。自分は自分しかいないよなっていうのを改めて言葉にしたいと思って、”唯一無二”にそのメッセージを詰め込みました。
――EPのタイトルを「UNMADE」と名付けた理由はなんでしょうか?まだ作られてはいないという意味に込めた思いは?
惣田 6曲の歌詞を見るとすべて未完成なところがあって。それでもまっすぐ生きていこうという意味でつけました。歌詞だけじゃなくてサウンドも一つにまとまってない感じが自分たちの良さだなと思っています。誰もが未完成だし、EVE OF THE LAINもずっと未完成のまま進んでいくという意思表示でもあります。そして今まさにファンのみんなと一緒に作っていっているその過程だよという意味を重ねて「UNMADE」というワードを選びました。