ツアーで実感「続ければ夢は叶う」アイドルとしてのプライドを忘れずに駆け抜けてきた10年
――前身のときめき♡宣伝部から数えると、2025年4月で結成10年を迎えました。それほどの期間、グループのメンバーとして活動を続けていると、葛藤も様々あったとは思います。
坂井 周囲のグループはどんどん売れていくのに、私たちだけ取り残されていたような時期もあったんです。大きな会場なのに「学校の1クラスぶん」ほどしか集客できなかったライブもあったし、メンバーの脱退で心が折れそうにもなりました。でも、続けられたのは「アイドルが好き」だったからです。私たちの環境が変わっても、応援してくださる宣伝部員のみなさんにも励まされました。
――活動で落ち込んだとき、どのように自分を保っていたんでしょう?
坂井 中学時代にグループが結成されて、中学から高校にかけては上手に切り替えできなくて、家族にもあたってしまうこともありました。でも、いつからか「あきらめずに続けたいと思っているから、こんな気持ちになるんだ」と考えを切り替えられたんです。頑張りたい自分を素直に受け入れてみたら、スッと心が楽になりました。
――TikTokでグループを知った方にとっては、驚く過去かもしれません。
坂井 そうかもしれないですね。私たちはなかなか結果が出せず、「元気だけがとりえ」とも言われていたんです。でも、努力を重ねていけばいつか、実るんだなと今となっては思います。アイドルにかぎらず、すべての物事にあてはまる気がするんです。私たちも人間なので失敗しますし、できないこともあって。でも、アイドルとしてのプライドを忘れたことはないです。
――強い覚悟を持って、ここまで駆け抜けてきたのが伝わります。
坂井 どれほど辛くても「好きなら絶対に続けるべき」だと、思っているんです。7月からのツアー「超ときめき♡宣伝部のきみのハートにロックオンTOUR 2025 〜10th Anniversary〜」(2025年7〜9月・全国10都市)では、埼玉・大宮ソニックシティでの公演があったんですけど、グループにとっては思い出深くて。8年前、2016年開催の単独公演「ときめき▽宣伝部のどきどき▽クリスマスパーティーvol.2」では東京・池袋から大宮までの36kmを10時間ほどかけて歩いて、路上ライブをしながらチケットを手売りしたのに、満員にできなかったんです。でも、今年のツアーでは即完売できて「続ければ夢は叶う」と証明できました。
――それでも歩みを止めずに、ゴールは遙か先にあると思います。
坂井 事務所(スターダストプロモーション)の先輩であるももクロ(ももいろクローバーZ)さんや、ももクロさんが憧れてきた嵐さんのような国民的アイドルになりたいです。そのために一歩ずつ、今年はツアーでの勢いもそのままに、年末まで駆け抜けていきたいです。個人の目標としては、新たにファッション誌の専属モデルにもチャレンジできるように、自分磨きも頑張ります!
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:DAISUKE MATSUBARA