今のフェーズで一番必要だと感じるのはソロアーティストの活躍

――BMSGのアーティストはトーク力が高い方ばかりですが、何か理由があるんですか。

Novel Core MCやラップをやる以上、人前に立って、自分の中にある感情や言葉にするのが難しいものを歌詞にしたり、MCで喋ったりする。空気を読みながらお客さんの雰囲気や感情を読み取りながら喋っていかないと伝わらない。だから最低限の国語力や言語化能力は、音楽以前の問題で大事なんです。僕はBMSGに入る前からキャリアがあったので受けることはなかったのですが、会社としても、アーティスト向けにもスタッフさん向けにも、言葉の講座が定期的に行われています。英会話もありますし、モラルの話、「こういうふうに喋るとこう感じ取られてしまう」「こういう言葉を使うとこういう誤解が生まれる可能性がある」といった話も、特にBMSG TRAINEE(練習生)を中心に行われているので、そういう部分で育っていっているのかなと思います。

――今後のBMSGについて、日髙さんと話していることはありますか。

Novel Core 向こう15年ぐらい先までの話は、設立当初から日髙さんとしています。会社がこういうふうに変わっていくだろう、世界やエンターテインメント業界がこう変化していくだろうということを考えた上で、自分たちがエンターテインメント業界にとって、日本にとって、アジアにとって、どういう立ち位置で、どういう人たちに対しての救済措置になるべきなのかというのは日常的に会話しています。

――その中でご自身の役割をどう考えていますか。

Novel Core 日髙さんや僕たちがBMSGはこうありたいと思っているものを実現するために、今のフェーズで一番必要だと感じるのは、ソロアーティストの活躍です。これが成立しないと、会社として当初から目指しているものには絶対にならない。BE:FIRSTを始めとしたグループが先陣を切って頑張ってくれているし、彼ら彼女らが残してくれた功績のおかげで成り立っている部分がたくさんある。そこにリスペクトと感謝を持ちながら、僕たちはソロアーティストとして、もっと成功の数を増やさないといけないと強く感じています。

――ソロアーティストならではの表現について、今意識していることはありますか。

Novel Core 人間的なパーソナリティとアーティスト性がイコールなのがソロアーティストの強みであり、一番難しいところです。グループだとグループの人格があって、BE:FIRSTの誰々、MAZZELの誰々、HANAの誰々という人格が存在するけど、ソロの場合は自分イコールNovel Coreでしかない。そこがすれ違えばすれ違うほど、アーティスト的なストレスも大きくなるし、ファンダムとの間での歪みも大きくなる。それを生まないために、自分が自分であることと同時に、自分という存在をいかに噛み砕いて分かりやすくキャッチーにお客さんに届けるかを、スタッフさんたちと協力して考えていくのが大事だと思います。

――Shotaさん以外にもBMSGのソロアーティストとコミュニケーションは取っていますか。

Novel Core めちゃくちゃ取っています。特にBMSG POSSEではソロアーティストみんなでクルーをやっているので、それぞれといろんな会話をします。日髙さんと僕の関係みたいに、お互いに相談したり相談されたりを繰り返していますね。それぞれが全く違うベクトルの音楽をソロで作っているので、お互いが足を置いているシーンの話や、自分たちが知らないものの話ができて刺激になります。

――ライブについてアドバイスし合うこともあるんですか。

Novel Core 結構ありますね。「もっとこういうふうになったら刺さる気がする」と僕が話すこともあるし、逆にみんなから意見をもらうこともあります。特にShotaはプロデューサー気質もあるので、「Coreはもう1個上のキーが一番声の美味しいところなんじゃない」みたいな話をしてくれるなど、お互いにやり取りをしていますね。

Novel Core

東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。
SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。
高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。
ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。
2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。
大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。
また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。
FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。
音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI