歌詞に「亜流」という言葉を入れた思いやその意図とは？ | 前島亜美 「ソロアーティストデビューして1年。ライブは楽しくて尊いものだと実感。これからも誰かにとっての癒しの場や帰れる居場所を作っていきたい」INTERVIEW

歌詞に「亜流」という言葉を入れた思いやその意図とは？

――前島さんが今どのように作詞に取り組んでいるのか？どう向き合っているのか？そんなお話も聞けたら嬉しいです。

前島　1曲目を書いた時には、書きたいことをものすごく優先してしまって、それこそ韻を踏むことだったり、音との調和だったりといったことまでは全然意識できていなかったんですけど、作詞の勉強をしていく中で、この言葉の意味が美しくて素敵だから使おうとか、ここは音に合わせてアプローチした方がいいかなとか、少しずつ得た知識やテクニックも意識しながら、もがいているといったところでしょうかね。でも、変わらずにやっている作業としては、作詞をする時には日記やメモを全部読み返して、そこから言葉のピックアップを始めて、デジタルとアナログの両方で書いていって、そして、データをプリントアウトしたものを客観的に読んでみて修正して、レコーディングの当日に持っていく…といった感じです。

――貴重なお話をありがとうございました。そして、シングルリリース後には、ライブが控えています。ステージには何度も立っていると思いますが、2ndソロライブを控えた今の心境を聞かせてください。

前島　4月に1stライブをやらせていただいてから、僅か半年ほどで2ndライブができるとは思ってもいなかったので、とても嬉しいです。ライブ会場が限られる中、ライブをやりたいと思ってもなかなかできないような状況の中で、運命的にデビュー1周年のタイミングで都内の会場を押さえることができて、チーム一同「やったー！」といった感じで喜びましたね。1stライブで学んだことを活かして、パワーアップした2ndライブにしたいという思いが今はとても強いです。今回、「Adaptation」の歌詞の中に「亜流」という言葉を使っています。「亜流」は本流じゃないというネガティブな意味に捉えられがちですが、本流のテンプレートには乗らない独自の道を開拓していきたいという思いで、あえてこの言葉を歌詞の中に入れました。「亜流」の「亜」という漢字が自分の名前の漢字とも重なるので、「亜美流」といった気持ちも込めています。まさに、このデビュー1周年のタイミングでの自分らしさといいますか、前島亜美のライブにしかないもの、私の強みや色みたいなものを表現できたらいいなと思っています。

――前島さんのライブの魅力はどんなところにあると、ご自身では感じていますか？

前島　まだまだ探している途中ではありますが、歌って踊る私の姿を見て視覚的に楽しんでいただきつつ、人間性や物語性まで感じてもらえるようなライブをお見せしたいと思っています。どんな思いでここまでやってきて、今どんな思いで歌っているのか、ファンの皆さんにも感じていただきたいですし、私は声優だけじゃなく色々なお仕事をやってきたので、自分の中に存在している経験や空気、ひとつの肩書じゃない幅広さを音楽性としても見せられるようなアーティストになりたいと思っています。

――では、そろそろまとめに入るのですが、ソロアーティストとして今思い描いている夢や目標を教えてください。

前島　とにかく活動を長く続けていきたいということが私の今の夢です。ステージに立つことが本当に大好きですし、今年1stライブをやらせていただいて、応援してくださる方々と作り上げるライブがこんなにも楽しくて尊いことなのかと感じたので、ひとつでも多くそんな素敵な思い出を作っていけたらなと思っています。そして、誰かにとっての癒しの場や帰れる居場所をこれからも作っていきたいです。

――活動の軸が増えたことで、それぞれの活動に影響し合う部分もあるのではないでしょうか？

前島　それはありますね。声優活動とアーティスト活動、どちらかで学んだことは必ずどちらかに還元できるなと感じています。歌うことは演じることにも近い部分がありますし、歌詞の伝え方や歌の表現は芝居心が大事だったりもすると思っています。そして、歌の発声で学んだことが声優の発声に活かせることもあるんですよね。ボイトレや歌のレッスンに行っているはずなのに、これって声優でキャラクターを演じる時にも役に立つかもしれないなと思うこともあります。声を使って表現するという部分では一緒だと思うので、表現者としてもっと芸を磨いて力をつけていって、そして、ファンの皆さんの前でたくさんライブをしていきたいと思っています。

PHOTOGRAPHER：TOMO TAMURA,INTERVIEWER：ATSUSHI OINUMA,HAIR&MAKE：EMI KAMIJYO ,STYLIST：SACHIE HARADA