何にでも果敢に挑戦していける人でありたい
――今年3・4月には『聖剣伝説3 TRIALS of MANA THE STAGE』で舞台初主演を務められました。
小笠原 超特急の中でも、舞台初主演は僕が一番乗りだったので、特別な思いを持って取り組ませてもらいました。『聖剣伝説』は基になったゲームの1作目が1991年発売と30年以上前で、長く愛されている作品なので、その方たちの思いもちゃんと背負っていかなければいけないなと。僕が演じるから、僕なりの主人公にはなるけど、しっかりと原作、原作ファンの方へのリスペクトを持って演じさせてもらいました。この舞台を通して、『聖剣伝説』に興味を持ってくれる人を増やすことも課題でした。実際、僕のファンの方から、「帰りに『聖剣伝説』のアプリをダウンロードしました」「初めて全クリしました」といった声が届いてうれしかったです。
――座長としてのプレッシャーはいかがでしたか。
小笠原 正直、座長の役割がどういうものなのか分からなくて、「座長って何すればいいんですか?」とマネージャーさんに相談したくらいでした。そしたら、「何か特別なことをするというよりは海らしく、まっすぐ作品に向き合うことで、みんなを引っ張ればいいんじゃないかな」と言っていただきました。先輩やベテランの俳優さんもたくさんいらっしゃったので力をお借りして、スタッフの方々にも助けていただきながら、無事に終えることができました。とにかくキャスト同士の仲が良くて、半年経った今もご飯に行ったり、それぞれが出演する舞台の応援に行ったり。良い出会いに恵まれた舞台で、自分の中で貴重な時間だったなと思います。

――映像作品に臨む時とは意識も違いましたか。
小笠原 違いました。シュールなシーンでクスクス笑ってくれたり、アクションシーンで驚いた表情を浮かべてくれたり、リアルタイムで反応が返ってくるという意味では、どちらかというと超特急のライブに近い感覚がありました。
――今後、俳優としてどのような活動をしていきたいですか。
小笠原 お芝居が大好きなので、いろんな作品に出たいです。今までの経験を活かせる役もうれしいですし、逆に全く経験したことがないチャレンジングな役もどんどんやっていけたらいいなと思います。お芝居に限らず、何にでも果敢に挑戦していける人でありたいですね。
――最後にオフの過ごし方を教えてください。
小笠原 僕は明るい人間と勘違いされがちなんですけど、意外と普段は静かな人間で、家でおとなしくゲームをしています。ちょっとした悩みなんですが、大人になってから友達ができないんですよ。大人になると、同世代でも先輩・後輩の関係が生まれるので、本当にフラットな関係性での友達ができづらいんですよね。だから僕の唯一のコミュニティは、学生時代の友人たちでとどまっているんです。その友人も、幼稚園からの幼なじみや小学1年生からのクラスメイトなど、付き合いの長い子が多くて、今でも月イチで会ったりするんですよね。オフはその友達と会うか、家にいるかという二択に近い状態です。
――確かに大人になってからできた友達と、学生時代からの友達では、関係性も変わりますよね。その友達とはどんなことをして遊ぶんですか。
小笠原 今でも中学生みたいな遊び方をしていて、誰かの家に集まって、朝まで「スマブラ」や「桃鉄」、「モンハン」など、同じゲームをひたすらやるんです。二人くらい結婚しているのに、それなんですよ(笑)。今年9月に発売したソロ写真集『いま』にも出てもらった友人もいるんですが、大事な人たちなので、いつまでも大切にしたい存在です。
Information

『じっちゃ!』
絶賛公開中
中村静⾹ ⼩野武彦
⼩笠原海(超特急) なだぎ武 しゅはまはるみ 篠⽥諒 ⽊﨑ゆりあ 望⽉雅友
北野瑠華 鈴原ゆりあ 内山千早 ピンクレディ(りんご娘) 張間陽⼦ 津⽥寛治
脚本・監督:千村利光
主題歌: Hammer Head Shark「春末」
祖⽗の泰助(⼩野武彦)が住む街という無難な理由で、地域おこし協⼒隊制度を利⽤し、東京からつがる市にIターン移住した三上ゆき(中村静⾹)。就職先の市役所で観光・ブランド戦略課に配属された彼⼥は、市の魅⼒を全国に発信するため、慣れない業務に苦戦しながらも、祖⽗との⽇々のやりとりに癒されながら乗り越えていく。やがて怒涛の1 年が過ぎ、淡い恋⼼を抱いていた同僚から東京でのビジネスを持ちかけられ、⼼が揺れるゆき。そんなある⽇、ゆきは、これまで多くを語ろうとしてこなかった泰助が40年間秘めてきた事実を聞く。そこには⻘森に住み続けた泰助の知られざる絆の物語があった。
PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:Emiy(エミー) Three Gateee LLC.,STYLIST:東 正晃
