壁を乗り越えられたのは、お芝居の面白さを常に感じていたから
――お二人は以前も共演されていますよね。
小西 舞台でいうと一つのシリーズ作品で、3回共演しているんですが、最後はコロナ前で2018年くらいですかね。その間も映像でご一緒しましたが、3日くらいの短い撮影期間で。
小松 タイトなスケジュールではあったんですが、空き時間は一緒に台本を覚えました。舞台で共演しているので戦友のような安心感があったんです。
小西 その時もセリフ量が多くて。ただ、舞台の時もがっつりと絡むことはなかったので、今回のように二人だけで数十ページもあるシーンは初めてなので、めちゃめちゃうれしいです。僕は準弥くんが大好きなので。
小松 うれしすぎる!僕もマジで好きです。
小西 以前から、準弥くんがお芝居に対して誠実に向き合われている姿を素敵だなと思っていたので、こういう素晴らしい台本の作品でご一緒できるのがうれしいです。
小松 僕が一緒にやらせてもらった作品が、人生で2回目の舞台作品で、お芝居も2回目だったんです。だから強烈に印象に残っていて、シンプルな言葉ですが「めちゃくちゃ上手だな」と。駆け出しだったので、「なんでこんなに上手くできるんだろう」と圧倒されました。僕もお芝居で評価されたいという思いがあったので、「負けないように頑張りたい」という刺激にもなりました。その時から役への向き合い方や演じ方、俳優としてのあり方が、すごく素敵だなという印象があったんです。僕も役に対しての向き合い方を突き詰めながらやってきて今があるので、このタイミングで一緒にやらせていただけるのがうれしいですし、成弥くんもそういうふうに思ってくれているんだと今聞けて、より一層うれしいです。
――ここからはキャリアについてお伺いします。学生時代に打ち込んでいたことを教えてください。
小松 剣道ですね。小学2年生から高校3年生までの10年間やっていて、小学5年生の時と中学3年生の時は全国大会に出場しました。それくらい真剣に取り組んでいましたね。
――始めたきっかけは?
小松 2つ上のいとこがやっているのを見て、「自分もやりたい」と始めたんです。途中で練習が辛い時期もありましたが、武道なので礼儀作法を学べましたし、忍耐力が鍛えられたと思います。
小西 小学校の時に野球と空手をやっていました。大阪出身で阪神ファンだったので野球を始めたんです。今でも野球は続けていて、『ACTORS☆LEAGUE in Baseball 2025』という2.5次元俳優中心のスポーツイベントが今年も神宮球場で開催されて、それにも参加しましたし、野球の舞台作品も何本かやらせていただきました。空手にしても、準弥くんと共演した「あんさんぶるスターズ!!」で空手部の役をやっていますし、意外と小学校でやっていたことが今も続いているんです。
小松 すごいことだね。
――ちなみに野球のポジションはどこなんですか。
小西 左利きというのもあって、ピッチャーかファースト。今年の「ACTORS☆LEAGUE」ではファーストをやりました。

――この世界に入ったきっかけを教えてください。
小松 『FINEBOYS』というファッション誌のオーディションでグランプリをいただいたことがきっかけでした。もともと俳優になりたくて、いろいろなオーディションを調べた時に見つけて応募したんです。専属モデルは2年間やらせてもらったんですが、オーディションの合格から1年後に蜷川幸雄さんの『ロミオとジュリエット』にアンサンブルで出させていただいて、その時にセリフを一言いただいたんです。僕は宮城県出身で、周りに舞台に触れている人がいなかったので、舞台の世界を知って、お芝居の楽しさ、舞台の楽しさを知れました。そこから、ますます俳優として頑張りたいという気持ちが湧いてきました。
小西 僕は中学3年生の時に、親の関係で前の事務所に所属したんですが、その事務所の所属俳優が出演するということで、ミュージカル『テニスの王子様』の大阪公演を観に行ったんです。それまで舞台を観たことがなくて、「こんな世界があるんだ!」と興味を持ちました。それで僕も『テニスの王子様』のオーディションを受けて、合格して、上京することになりました。
――最初に観た舞台に、実際に出演することになるなんてすごいですね。
小西 当時も作品の力をすごく感じていましたが、これだけ続く作品はなかなかないですから、改めてすごいことだったなと思います。
小松 それで言うと僕も、幼少期から仮面ライダーに憧れていて、仮面ライダーになりたいという思いから芸能界を目指したんです。それが2021年に『仮面ライダーリバイス』で叶えることができたので、お互いにきっかけの作品を通っているのは、すごいことだなと思います。
――この世界に入って、常に仮面ライダーに出演したい思いがあったのですか。
小松 ありました。芸能活動を始めて、最初に受けたオーディションが仮面ライダーで、最終審査のラスト3人で落ちて、しかも次の年もラスト3人で落ちてしまったんです。なりたいという気持ちと、落ちてしまった悔しさが、ずっと心の中に残っていて。27歳の時にもう一度受けたいと思って、仮面ライダーのオーディションに参加しました。自分としては、これが最後の挑戦だという気持ちで受けたので余計に喜びも大きかったです。

――俳優になってから、この世界でやっていく気持ちがブレた経験はありますか。
小松 僕はないですね。楽しんで仕事を続けることができているので、今すごく幸せだなと感じていますし、作品を通して、いろんな職業に触れることができるので、そういう面でも俳優という仕事に魅力を感じ続けています。
小西 僕は高校1年生から、俳優をやっているので、仕事が途切れた時や、上手くいかなかった時に、続けるかどうか迷ったこともありました。それが二十歳の頃で、年齢的に節目のタイミングというのもあったと思います。それを乗り越えられたのは、やっぱりお芝居の面白さを常に感じていたからですね。
