周りに影響されることはむしろ楽しい
ーー前回は今着ているコーディネートについて伺いました。それとは別に、今季購入したアイテムはありますか?
古川 実はあまり秋冬のアイテムを買えていなくて。楽曲制作も含めてスタジオに籠っていたことが多かったというのもあります。だから、家にいるほどダル着じゃないけど楽な格好ばかりでした。ある程度過ごしやすいとか作業しやすいとか、どんな体勢でもいられるみたいな機能的な面も結構重要でしたね。ただその後に、出掛けることもあるので、「気を抜きすぎるのもなぁ」とも思っていて。

ーー長いスタジオワークとなると、ジャージとかスウェットのセットアップとかになりがちではないですか?
古川 そういうのも欲しいんですけどね。でも、ダルすぎないように見せるというか、小物をどう使うかが大切。例えば、前回も紹介したPRADAのサングラスを合わせたり、今日、身に着けているようなゴールドのアクセを入れたりすると、上下スウェットの日でも印象が変わったりする。首元にネックレスが見えるだけでも全然印象は違います。
ーー古川さんは、そのようなバランス感覚に長けていますよね。この連載が始まった当初は、毎日違うスタイルを楽しんでいるということでしたが、今年の春夏シーズンでのインタビューでは、それが落ち着いてきたということでした。そういったご自身のトレンドは継続していますか?
古川 そうですね、気分的には季節感が変わっただけで継続しています。自分の中のテンションが、この一年でかなりまとまったなって感じていて。クリエイティブ面もそうですが、影響されるものがかなり変わってきたと思います。より自分のパーソナルなところが固まってきたから、そこに本当に近いものをピックしているという感じです。

ーーご自身は周りに影響されやすいタイプだと思いますか?
古川 されます。それについては何も恥ずかしくなくて、むしろ楽しい。しかも周りにいる自分に影響を与えてくれる人たちがすごくカッコイイから。でも、もちろん同じ格好をするというわけではなくて、注目するものへの視野というか、感覚を共有するという感じです。
ーー逆に、自分が頑固だなと思うことはないですか?
古川 うーん、前までは頑固でしたけど、最近はあんまりないかもしれないですね。昔はいいと思ってなかったものをいいなと思うようになったり、アップデートされてるなと思います。
