ファッションは“必要な無駄”
ーーちなみに最近はファッションショーをチェックしてますか?
古川 ちょこちょこPRADAとかをチェックしたり、デムナ・ヴァザリアが初めて手がけたGUCCIは結構好きでしたね。あと、Maison Margielaも。デザイナーが変わってこれからどうなっていくのかなと思っています。自分が19歳くらいの時のMaison Margielaはもっとオーバーサイズ的なテンションがあって、逆に今そこら辺を漁ってみたら面白そうだな。奇抜さが今とはまた違ったんで。

ーー新作はあまり買いませんか?
古川 OUR LEGACYとかERLとかは買いますが、古着の方が多いですね。
ーーあえて少し現在のものとズラしてるといった感じはあるんですか?
古川 意識してズラしてるとは思っていなかったですが、それも一理あるかもしれないです。そのシーズンのものをそのまま着るのは自分のスタイルとは違うかなと思っていて。色々な感覚をリバイバルさせたりミックスさせてスタイルを組むことが多いです。ただ、それも2025年のアイテムで揃えてしまうと、自分の中ではやっぱり違うし、楽しくなくて。違う時代のアイテムをピックしていくのが自分のスタイルだと思っています。ただ、これからGosha Rubchinskiyが7年ぶりくらいに復活するので、それは楽しみにしています。休止前も好きだったんですけど、より今の方がテンション的にも合ってるなって思うので、これを機にアーカイブも掘りたいですね。

ーーそれも楽しみですね。今回で連載が最後になります。これまでのファッション連載を振り返って、一言お願いします。
古川 ファッションは“必要な無駄”と捉えていて。これまで欲望のままに買ったりもしてきたし、物的にも金銭的にも無駄なことが多いだろうなとは思っているんですけど、ファッションは自分の生活とか表現にとってはめちゃくちゃ重要で必要なもの。合理的ではないけど重要なことって誰にでもあると思うし、自分にとってはそれがファッションでした。あと、ファッション以外でもそうですが、「こうしなきゃいけない」っていう縛りはなくて、自由にそれぞれの楽しみ方ができることって素敵だなって思うし、これを読んでくれている人もそうだし、僕のファンもそうだし、みんなが大事にしていることを自由に楽しんでくれたら最高だなって思います。
古川毅(SUPER★DRAGON)
2015年に結成した志村玲於、古川毅、ジャン海渡、飯島颯、伊藤壮吾、田中洸希、池田彪馬、松村和哉、柴崎楽の9人からなるミクスチャーユニット「SUPER★DRAGON」のメンバー。ラップやダンス、メンバーによるヒューマンビートボックスまで融合させた、Newミクスチャースタイルな楽曲に、目まぐるしく変わる9人のフォーメーションダンス、そしてキャッチーで一緒に踊りたくなる振り付けが魅力。12月3日には4枚目のメジャーシングル『Concealer』をリリース。個人としても2018年資生堂・シーブリーズのCMキャラクターに抜擢され、ドラマ「兄友」で俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ「3年A組-今から皆さんは人質です」「結婚できないにはワケがある。」「箱庭のレミング」「僕らが殺した、最愛のキミ」、映画『犬鳴村』など。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:RITSU OOSOI
