トップメゾンやドメスティックなライダースに秘められた思い
ーー次もハイブランドのもので、VALENTINOのデニムジャケットです。これもかなり高そうです。
Novel Core 高かったです(笑)。DIESELから入って、RICK OWENSやインポート系ストリートブランドといったハイエンドのラグジュアリーストリートに興味を持つようになって、それらをミックスしたファッションを楽しむようになりました。トップメゾンは純粋に値段的に手が届かないし、あまり興味もなかったというのもあり、ほとんど着ることはありませんでした。ただ、服を深掘りしていくうちに、トップメゾンがトップメゾンたる理由が気になってきて。ディレクターが何を考えて服を作っているのかとか、どういう素材を使っているのかとか、根本的な服のマテリアルに興味を持つようになりました。そこで特に気になっていったのがVALENTINO。その当時(2021〜2022年)、僕の中でファッションの転換期になっていて、色々なブランドを見るようになったんです。DIESELだけというところから、脱却し始めた頃でした。


ーーこのジャケットがVALENTINOで初めて手にしたアイテムですか?
Novel Core 最初に購入したのはスタッズが付いた黒と赤のスニーカーだったと思います。第15回高校生RAP選手権に、DIESEL BLACKGOLDの黒と白のデニムセットアップに、インナーはFENDIのトップスを着て、VALENTINOのスニーカーを履いて出たのを覚えています。以降、VALENTINOの服も見るようになって、何着か買ったりはしていましたが、VALENTINOのアイテムの中で、印象深いのがこのパッチワークのデニムジャケットです。オーバーシルエットで胸部分のセルビッジが印象的で、銀座シックスの店舗で見つけた時は衝撃が走りました。このパターンワークのデニムジャケットはトップメゾンでもあまり見ないし、しかも好きなVALENTINOだし、担当してくれた店員さんが「アイテム自体が日本に5着ほどしか入ってきていない」、「銀座には3着入ってきて、2着はもう売れてしまったからラスト1着」と教えてくれて。ポンと払える値段じゃなかったので一度店を出たのですが、「あれを買わないと後悔する!」と思いとどまって戻って買いました。
ーー当時のコレクションの中でもかなり異質なものですよね。
Novel Core コレクションはエレガントな感じでしたよね。店舗でもこのジャケットだけが浮いていて、なおさら目にとまりました。大きめのシルエットなのに嫌なデカさでもない。デニムジャケットとしてのパターンもちゃんとしているし、オーセンティックなんですよ。


ーーどのように着ることが多いですか?
Novel Core シンプルに他の服の情報を削ぎ落としてサラッと羽織ってラフに楽しんでいます。「V」とかロゴデザインが入っていなくて、一見どこのブランドかわからない感じなのに、見る人が見たらわかるといった雰囲気もすごく好きです。普通に洗えるし、持っているVALENTINOの中でもダントツでカッコいいアイテムだなと思います。
ーー次はハードなダブルライダースジャケットです。JUST NOISEというブランドです。
Novel Core トップメゾンも手に取るようになり、自分の中で洋服のイロハみたいなものが少しずつわかるようになってきて、ファッションに対する解像度が上がったタイミングで出合ったジャケットです。フォトグラファーのジェシーコジマという方が手掛けているのですが、僕の人生初のアーティスト写真を撮ってくれた方です。グランドマスター時代に出会ったのですが、僕が成人した時の写真も撮っていただいたし、すごく思い出深い方です。


ーーこのアイテムとはどういう出合いだったのでしょうか?
Novel Core 彼の展示会にお邪魔した時に、ありもののジャケットにジェシーさんがペイントをしたり、スタッズを打ったりしていて、手打ちらしい不規則な感じとか、背中に“JUST NOISE”をドーンとスプレーペイントした感じが、僕の中にあるロックのルーツだったり、既存のものから違うものを複製するヒップホップ的な文化とすごくリンクしました。展示会ではデニムジャケットを買ったんですが、帰ってから「やっぱりあのライダース欲しい」と思ってジェシーさんに電話して買わせてもらいました。ここ最近、改めて自分のバンドメンバーたちと一緒に曲を作ったりライブをしたり、ロックバンドの人たちとかと一緒にいることも増えてきているので、この服が登場することが増えています。ミュージックビデオで着たり、ここぞというタイミングで着させてもらっています。
ーー革の具合も柔らかいですよね。
Novel Core ジェシーさんとはちょくちょく会うのですが、その度に僕がこれを着ているのを見て、すごく喜んでくれるんです。買った当初とかなり変わってきていて、撮影でビショビショにしたこともあったし、大分味が出てきました。皮もかなり柔らかくなりました。だからジェシーさんにも「大分着込んでないとこうならないよ、嬉しいなぁ」と言ってもらえて。


ーーかなりロック色が強いアイテムですが、こういったテイストのアイテムもよく着ていましたか?
Novel Core ここまでハードなものは初めてだと思います。ずっと昔からの仲だし、近くにいる先輩が作った服というのもあるし、自分のルーツとのミックス度合いも含めて、かなり気に入っています。これに細いレザーパンツを履いてしまうと純粋なロックスタイルになってしまうので、ミックスされたカルチャー感を大事にしたいので、あえて下はめちゃくちゃ太いデニムとかを合わせたり。アイテム自体は派手なんですけど、大人っぽさもあるし、買い物に行く時とかにもちょっと羽織ったりもします。
ーーアイテムの話からは離れますが、ロックやパンクを聴くこともあるんですか?
Novel Core めちゃくちゃ聴きます。ロックは自分のルーツにかなり入っているんで。ロックバンドの曲も昔から好きでよく聴くし、家ではずっとBON JOVIやLED ZEPPELINがずっとかかっていました。個人的にもポップパンクや、LIMP BIZKITなどのミクスチャーが好きでよく聴いていました。高円寺でラップをしていた時の先輩たちがバンドでラップをやっていて、教えてもらったものを掘り下げていって好きになったバンドもいっぱいあります。
