Novel Coreとしてダサいことは絶対にできない
ーー続いてもロックのルーツがわかるアイテムです。ブランドではないですが、RIZEやThe BONEZのフロントマン・JESSEさんのTシャツです。
Novel Core JESSEさんが手がけているプリントカスタムショップ・JSFでプリントされたTシャツです。この前のJESSEさんの誕生日に合わせて作られたTシャツで、最近はずっと着ています。JESSEさん本人をモチーフにしたグラフィックが描かれているのですが、それを描いているJOHANN君とも共通の知り合いが多いとわかって、来年1月のホール公演のアートワークも描いてもらいました。そういうことも相まって、思い出深い出会いの一着みたいな感じですね。

ーーJESSEさんとの出会いは?
Novel Core JESSEさんは自分の人生を大きく変えてくれた方です。僕はロックもヒップホップも、ポップカルチャーもサブカルチャーもぐちゃぐちゃに混ざった音楽を作っているつもりです。さらにBMSGという事務所でも立ち位置が特殊というか、自分のことを一言で「こういうアーティストです」と表現するのがすごく難しい。それにすごく悩んでいた時期にRIZEが復活して、横浜でのライブを観に行きました。その時、初めてJESSEさんとお会いして、ありがたいことに自分のことを知ってくれていたし、そこから一緒に時間を過ごすことが増えていきました。
ーーどんな影響を受けたのでしょうか?
Novel Core J-WAVEでナビゲーターを担当していたラジオ番組にゲストで来てもらったり、ご飯に行ったりする中で、JESSEさんに先ほどの悩みを話したら、「お前みたいな奴のためにミクスチャーっていう言葉があるんだよ。ミクスチャーっていう言葉がお前みたいな奴のことを助けてくれる。だから自分の思ったことをやればいいし、自分のスタイルを曲げないことが一番大事」って言ってくれて。その代わり、自分のファンとか、自分の音楽を求める人たちに対して、「“自分の中にあるルーツはどういったものから影響を受けていて、こういう形で昇華したから今の表現になっている”ということを、いかにキャッチーに届けるかが大事。だから、キャッチーでいることは忘れるな」とも言ってくれました。それがきっかけで、自分の音楽をミクスチャーミュージックと言えるようになったし、改めて音楽の方針というか、「こういうことをやっていくぞ!」という覚悟が決まりました。本当に恩人だし、最高の先輩でもあるので、JESSEさんの誕生日に向けてデザインされたTシャツをゲットできたことがなおさら嬉しかったです。色々な新しい出会いをくれる先輩なので、Novel Coreのアーティストキャリアを語る上で欠かせない人が、また一人増えた感じです。

ーーJESSEさんはNovel Coreさんよりも20歳くらい年上だと思います。かつてのロックシーンでは上の世代への反発もあったと思いますが、JESSEさんとは通ずることのほうが大きいですか?
Novel Core 誰に対しても本当にフラットな方だし、自分みたいな若者に対しても仲間という感じで接してくださって。色々なことを教えてくれますが、そんな時も上から目線のアドバイスという感じでは全然なく、「こういうやり方もあるぜ」みたいなフランクな感じなんです。JESSEさんたちが新しい世代に対してすごく寛容というか、むしろ「もっとやれよ!」という気持ちでいてくれているのかな。「既定路線をなぞるのではなく、自分たちの新しいシーンやカルチャーを作ったりしろよ」というテンションでいてくれるんだと思います。先ほどのアドバイスの話と繋がるのですが、“カルチャーとカルチャーの橋になる立ち位置”とか、“色々なカルチャーに属する人たちが、同じ屋根の下で違いを受け入れながら遊べるシーンを作る”ことが今の僕の目標なんですけど、それに対してもJESSEさんは「俺たちは当時ミクスチャーロックというジャンルがない中でシーンを作ってきた。ただ、俺たちとはまた違った新しいものをNovel Coreは作ろうとしている。やっていることは別のことだけど、全くないものを作ろうとしている点では同じだから、アドバイスできることがある気がする」と言ってくれたんです。本当に尊敬する先輩であり、すごい年の離れた友達みたいなところもあるんです。

ーー本当にいい出会いだったんですね。
Novel Core 仲間とか先輩とか友達とかの名前が入ったTシャツでステージに出るのが、今は一番しっくりきます。それも教えてくれたような気がしますね。もちろんブランドの服を着るのもカッコイイけど、友達の工場で刷ったTシャツや、フェスで一緒になったバンドとユニフォーム交換のようにTシャツを交換して、次にライブが一緒の時はそれを着てライブをするとか、繋がりを意識するというのも今の自分にしっくりくる。ただ、そうなると逆にこちらも手が抜けない。僕もTシャツを渡して着てもらったりするわけだから、これからますます、Novel Coreとしてダサいことは絶対にできないなと思います。
過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/novelcore_regular/
Novel Core
東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。
SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。
高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。
ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。
2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。
大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。
また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。
FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。
音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:RITSU OOSOI,HAIR&MAKE:ASAMI HARANO
