ヒップホップシーンの今のリアルを分かってくれている安心感があった

――最初に顔を合わせた場所は覚えていますか。

Novel Core 渋谷のスタジオノア2号店だよね。

DJ KOTA 「ABEMA MIX」って番組でライブをやることになって。

Novel Core そうそう。まだAbema Towersができる前で、住宅街にAbemaのスタジオがあって、そこで公開収録だったんです。それ用にDJがいるよねということで、「リハを一回やろう」ってKOTAくんに声をかけて、スタジオノア2号店に来てもらったのが最初。年上だし、DJと一緒にやるのも初めてだし、知識もないし、ライブも初めてだしで、僕はバカ緊張していて。なんとなくリハをやって、「ここにサンプラーを入れたいです」程度の指示しかできなくて。

DJ KOTA まだCoreも幼かった(笑)。

Novel Core ただの少年(笑)。リハが終わって、KOTAくんと別れた後の帰り道に、XのDMで「今日は人見知りが出ちゃって全然喋れなかったんですけど、本当はめっちゃ気さくに喋れるタイプの性格なんで、本番の時はよろしくお願いします」って送ったら、KOTAくんから、「今日はありがとう。俺も人見知り出ちゃったわ。また話そう。よろしく」みたいな返信があったのを、めっちゃ覚えています。

――それからコンスタントにライブを一緒にやるようになったんですか。

Novel Core そうですね。ただ僕も当時はMCバトルの活動が中心だったので、イベントでMCバトルに出て、ついでに10分か15分のショットライブをもらう程度。その時は一緒に出てもらっていました。

DJ KOTA そんなに会うこともなかったよね。

Novel Core 半年にライブが3、4本あればいいかなくらいの頻度。まだ当時はビートも作ってもらっていなかったので、リハと本番で会う程度だった。

――その当時から、KOTAさん以外のDJに頼むことは考えなかったんですか。

Novel Core 考えなかったですね。いろいろ話していく中で、ヒップホップで好きな曲やアーティストが近くて、ケンドリックやJoey Bada$$の話で盛り上がって、フィーリングがめっちゃ合うなと。それに僕の見た目しかり、歌っている内容しかり、ヒップホップシーンから誤解を招く立ち位置だったのもあって、KOTAくんのように、現在進行形で箱でも回していて、ちゃんとヒップホップシーンの今のリアルを分かってくれている安心感みたいなのもデカかったです。

――この連載で、当時のCoreさんは周りの大人を信用できなかったと仰っていました。KOTAさんから見て、当時のCoreさんはどう映っていましたか?

DJ KOTA 構えているなって印象はなかったですね。そもそも俺のことを、そういう意味での大人としては見てなかったよね。

Novel Core そうだね。お兄ちゃんみたいな存在。だから懐くのも早かったです。

――より密にコミュニケーションを取るようになったきっかけはあったのでしょうか。

Novel Core 大きなターニングポイントは、僕がGMから独立するっていう話をジブさんにして、同時期に『オオカミちゃん』(『月とオオカミちゃんには騙されない』)のオーディションを自分から受けに行った時です。通過して番組に出演することが決まって。なぜ『オオカミちゃん』に応募したかというと、僕は高校1年生で学校を辞めているので、一般的な青春時代が欠落していて、ちゃんとした青春の思い出を作りたかったんです。とはいえ番組のネームバリューもすごいし、出演後はアーティストとしてのブーストがかかるのは分かっていたから、世間から注目されるタイミングで何かしなきゃいけないということで1stアルバム『WCMTW』を作ることにしました。そういう話をジブさんにして、独立の話が出たタイミングで、KOTAくんにも「GMを辞めようと思っている」「自己出資で1000万くらい借金をして、アルバムを作ろうと思ってる」と相談しました。『WCMTW』の中に入ってる「Count It Up」という曲で、初めてKOTAくんにビートを作ってもらって、それくらいから密にコミュニケーションを取るようになりました。

――ライブのオファーも増えたんですか。

Novel Core はい。実際に『オオカミちゃん』でブーストがかかって、2019年中盤ぐらいから2020年にかけて、全国各地のクラブからオファーが殺到したんです。全部受けたら年に40、50本ぐらいはライブが入るから、ツアーを組めるという状況になりました。その裏では日高(光啓)さんとBMSG発足の話もしていたので、とりあえずアルバムを引っ提げてクラブツアーをやろうと。その時にはGMを出ることが決まっていたので、僕とKOTAくんで直接スケジュールの調整もしていました。

――マネジメントする人がいなかったんですね。

Novel Core GMとBMSGの間の宙ぶらりんの時期が半年くらいあって、その期間はセルフマネジメントでした。ホームページも自分で運営していたので、そこに来たオファーのメールを自分でさばいて、ギャランティーの交渉をして、KOTAくんにスケジュール確認をしてという日々でした。

――そんなさなかにコロナがあったと。

Novel Core 2020年4月1日に『WCMTW』をリリースして、その6日後の4月7日に初の緊急事態宣言が出て、ライブが全部キャンセルになりました。中止を免れたのは3本だけで、地方に行けたのは沖縄の「G +Okinawa」と広島の「CLUB L2」、それに渋谷の「Veats Shibuya」。それによってアルバムのプロモーションのプランが全部崩れました。今後どうしていこうかとKOTAくんと話し合ったよね。

――KOTAさんはDJの仕事もなくなったわけですよね。

DJ KOTA なくなりました。ただトップDJを目指していたわけでもないし、もっとビートに時間をかけたいなと思っていたので、結果的に時間ができて良かったです。それを機にクラブのDJは控え、ビートメイクに専念するようになりました。