自信作もボツに!?厳選された88の言葉たち

――音楽制作と似ているなと感じた部分はありましたか?

GAKU 何もないところから積み上げていって、形にして皆さんに届けるという意味では、音楽と似ている作業がたくさんありましたね。音楽で僕に触れていない世代の人達にも届いてほしいなという思いが強いです。

――先ほど、20代のあの頃の自分に…と言っていましたが、特にどういった世代の人達に読んでほしいと思って書いたのでしょうか?

GAKU 帯にも「20代のときに この言葉と出逢っておきたかった」と書いていますけど、別に20代限定というわけではないです。自分が意識しながら日々生きているという言葉たちなので、同世代も含め全世代に伝えたいんですけど、特にこれからの未来あるフレッシャーズ達に届くようにということを想像しながら書いていました。

――20代の頃のGAKUさんにとって、支えとなった音楽はたくさんあったと思いますが、支えとなった本を挙げるとしたら何でしょうか?

GAKU 確かに音楽はたくさんありますけど、本で言うと、好きだったのは沢木耕太郎さんですね。星野道夫さんの『旅をする木』も好きでした。旅行記に惹かれていたような気がします。

――旅好きのGAKUさんのルーツはそこにもあったのですね。今回、本の構成や見せ方でこだわった部分はどのようなところでしょうか?

GAKU 開いた時に、右ページに太字で言葉が書かれていて、左ページの方でその言葉の補足や説明をしている感じなんですけど、とにかく全体的に言えるのは、どこから読んでも腑に落ちるようにしています。右ページに関しては、普通の言葉を使っているんだけど、引っかかりがあるような言葉にしたいなと思って、そこは特にこだわりましたね。決して難しい本ではないので、普段あまり本を読み慣れていないような人でもすっと入ってくるような言葉と文量にしたつもりです。迷える当時の僕のような若者の心に引っかかってくれたらいいなと思っています。

――「まいっか」や「ダヨネ」といったGAKUさんのおなじみのフレーズも盛り込まれていますね?

GAKU 僕のことをまったく知らない人が読んだら流れていく言葉でも、僕のことを知っている人が読んだらクスッと笑えるような仕掛けがあると楽しいだろうなと思って、昔こういう楽曲があったんですよということではなくて、思いを伝えたくてこの言葉たちを盛り込んでいます。ラッパーなので遊び心は色々なところに入れたつもりです。

――「人生とは、焼き鳥屋さんのタレである。」のように、気になって左ページの説明をすぐに読みたくなるような言葉も印象的でした。

GAKU 全部の言葉がその瞬間に分からなくてもいいと思うんですよね。僕もそうでしたけれど、昔好きだった本を何度か読み返しているうちに、そういうことだったのか!と気付かされることってあるじゃないですか。それって素敵なことだなと思って…。音楽のアルバムでもそうですけど、当時は全然刺さらなかった曲が今聴くととても心に響くみたいなね。それは受け手の体調や環境などにもよると思いますし、それこそが人の成長の面白いところなんじゃないかなと思うんです。一瞬なんのこっちゃ!?という言葉かもしれないですし、大人になって焼き鳥屋に行くと塩しか食べなくなるんですけど(笑)、あの継ぎ足して使い続けてその店だけの味になっていく…というタレの意味合いを知った時にすごいなと思いましたし、人生にも似ているなと思ったので、皆さんも焼き鳥屋さんでは塩ではなく、タレを食べながらこの話の続きをしてほしいなと思います。

――読むタイミングやその時々の状況、心情や心境で感じ方や響く言葉が変わってきそうですよね。繰り返し読みたくなる一冊だと思いました。

GAKU 本当は160以上の言葉を書いていて、提出しなかった言葉も含めたらもっとたくさんあったんですけど、メッセージの完成度や質を精査し、似たような言い回しなどを避けた結果、この88の言葉になりました。自信作でも編集の方からは削られたりして…。でも、そこはビジネス書1年生なので、編集のプロの皆さんを信頼してお任せしました。